2017年4月22日土曜日

相対評価と絶対評価

先日、古巣の病院で7時間の管理者研修をさせていただきました。
おいおい、7時間かよって初めは思ったんですが、思いの他に短かった。
教科書はマネジメント本(笑)

しかし、マネジメント本に書ききれないこともやりましたよ。その時にあ〜これ大事だなって思いつつ、入れてなかったと思ったことを書きます。

僕は、後輩指導法にコーチングやストレングスアプローチなどの擁護支援的な指導はあんまりしません。まあ、なんでかというと性に合わんのですね(否定しているわけではないです 笑)。要するに得意でないということです。いろんな人が世の中にいるのですが、それが得意な人ならそうでない人もたくさんいる。もちろん、それら技法の使用がかなり有用な人もたくさんいると思いますが、僕はそうでない。だから僕は、基本厳しいくらいですね。クライエントにはそれら使いますし、優しいですよ(笑)もちろん学生にも。
 実際、私は運転支援やクライエントの文脈などの聴取などについてよく相談に乗り指導しますけど、厳しい。運転支援なんて合格レベルが示されていて、それを超えないと評価すらできないシステムです。しかし、それを乗り越えてやって来た人たちは自信持ってやっています。職人指導もそうですけど、チューボーですよはもう終わっちゃったけど(笑)、未来の巨匠とかは色々厳しい指導を受けながらも日々頑張っている。まあそういう世界はまだまだあるんやろうなとは思います。だからといって、人をこけ落とすようなことはダメですよ。
 僕は人への評価基準を基本2つの基準で評価しています。この2つの視点が僕なりに重要かなと思います。それが何かというと、相対評価と絶対評価です。


 上のスライドを見てください。実際の研修で使ったものですが、左が絶対評価、右が相対評価です。AとBは人だと思ってください。右の評価の各2本のグラフは時間的経過、つまり初回評価、その後の評価と思ってもらえれば良いです。
 結構管理職の方の相談を受けますが、左の絶対評価のみで評価するケースがよくあります。こんなこともできない、どんだけ指導しても失敗が減らない。などです。意外に「この人はよくミスを犯す」という定性的な評価が多く(定性的、定量的はわからなければ本読んでください(笑))、定量的にするとミスが減っていることもよくあります。これのみで評価を続けると、そのスタッフは生き生きしなくなります。
 絶対的な評価は一定の基準を超えないとダメだと評価するものです。しかし、右の図を見てください。これは相対的な評価です。スタッフAさんは元々、合格点を超えています。一方スタッフBさんは絶対的に見れば再評価でも基準を超えていません。結論としてはスタッフAさんの方が優れているということになります。
 しかし、成長率を見て見れば、Aさんはほんの少ししか向上していません。しかし、Bさんの成長率は劇的です。しかし、そのうちAさんを抜くかもしれません。相対評価はそこを重要視します。大事なことは、評価は各スタッフがより良い状態になり、結果組織がよくなるためにやることだと思うのです。したがって、絶対評価のみでは、Aさんの成長は阻害されたままです。
 絶対評価は質を担保するのに必須です。例えば、ブランドを考えてみると、ブランド製品(食品、製品、なんでも)の質を維持するのに妥協をしてしまえば、そのブランド品は売れなくなるでしょう。この行為は、絶対評価の基準を下げることになります。頑張っているからまあこれくらいでいいでしょうは最終的に質の低下を招きます。他のどこよりも素晴らしい作業療法を提供するつもりであるならば、これを無視してしまえば、難しくなると思います。絶対評価で伸びるためには、その高品質ブランド(もちろんそこを目指したいという動機は必要ですが)に参画している意識と誇りを持つことが重要だと思います。努力して、主体的に目指す一定の基準を超えて合格した時、人はやりがいと自信と感動を得るんだろうなと思います。学位の取得なども似ているかもしれません。

 適材適所、この2つの評価の視点を持ちながら人的評価を行うことは重要だなと自分は思います。まあ個人的な経験談なので、誰にも教えてもらったわけではないのでエビデンスのクソもないです(笑)。

 しかし、今回の研修ではリハの役職の方、そしてソーシャルワーカー責任者の方にグループワークも含め行なったのですが、かなりアツい会になりました。長丁場なのに、初めの1分から、最後の1分まで全員ギラギラ集中マックスですわ。大したもんです。心の底からやめてよかったと思いました(笑)まあ、最終形態はこれからですけどね。期待しています。
 そういえば、6月に精神科作業療法士協会の管理者研修と宮崎県士会、船橋市立リハビリテーション病院様でもマネジメント研修させていただきます(月1にとどめようとしてるんですが、増えちゃいました)。お会いできる方はその時を楽しみにしています。
長文読んでくださりありがとうございました。

2017年3月27日月曜日

Shared Decision Making (SDM)

普段投稿を怠っています。ついでに実家に帰るのも怠っていました(笑)

先日約2年ぶりに実家に帰ったのですが、個人的文脈により実家にはここ数十年2泊ぐらいしかできません。しかし、まあ色々と楽しめました。

今回の旅で一つの目的は、高校時代のマブダチの父に線香をあげに行くこと。
1年ほど前に、数年ぶりにマブダチ(5年ぐらい会っていないが親友とは会わなくても親友なもんであると思っている)から電話がかかり、「2名で飲んでるから今から飲みに来い」と言われた。もちろん東京ー岐阜間行けるわけもなく、「いや無理やろ」と即答で断った。そのあとに親父が死んだと告げられた。色々お世話になっていたので驚愕したのだが、「必ず線香をあげに行く」と言い、電話を切り、はや1年経ったということだ。

一人暮らしのツレのオカンと2人きりで長いこと話し込んだ。ずーと涙してたから、あの寡黙なお父さんは家族のために色々やっとったんやなあと自分と他人の文脈をたどりしみじみ思った。

ツレの父はがんで亡くなったらしいが、医療に対してツレのオカンは物を申したいようだ。
一番記憶に残ったのが、

「〇〇くん(私の名前)、もうね、病院の言いなりやわ」


何回も出て来たこのフレーズ、その背景には告知の方法や治療の選択、リスクなどの説明が十分または全くされておらず、セカンドオピニオンを求めに他院に行っても真面目に取り合ってくれず、元の病院の治療に戻るように言われたようだ。

実際そうでない可能性も大きいと思うが、少なくともクライエント側はそうとっていると言うことである。緩和病棟へという病院側の推薦に反して自宅へ帰り、1ヶ月療養し、再入院後3日後に亡くなったそうだ。3日前まで酒飲んどったらしいから(笑)、お父さん幸せやったと思うわとツレのオカンに言った。

様々な形でインフォームドコンセントや患者の権利が訴えられているが、基本ツレのオカンが言ったこの言い分は現在の医療の世界では間違っていないと個人的に思っている。自分の義母が亡くなった時も不明な点は多いし、同業者を批判することをタブー視するきらいがないわけでもない。

松本さん(2003)のOTに対するインフォームド・コンセントの報告では、それが重要だと思っていても積極的になれない我が国のOTの実状を示している。本報告ではインフォームドコンセントが十分にできない理由について、大きなものは「(クライエント側の)理解が得られない」、「時間的余裕がない」としている。この結果を全く共感できないわけではないが、中立的にこの文言を見れば外的統制的であり、クライエント側から見てみれば、そっちの都合は知ったこっちゃないっという感じにはならないだろうか?
(松本裕美 他 作業療法士によるインフォームド・コンセント実施の現状.OTジャーナル37:1120-6,2003)

またMaitra(2006)の報告では、作業療法士が目標を説明したとしてもクライエントが全く理解していないなど、作業療法士とクライエントとのギャップの大きさを露呈している。
*詳しくはTomoriさんのブログ で元部下のOhnoさんが日本語で解説しています↓

tomori lab 文献抄読会(4) 作業療法士はCLを意思決定に巻き込んだと思っていても,CLはそう思っていません.


実際、それから10-15年ほど経過し、セラピストの世界でもインフォームド・コンセントは制度化されつつあり、当たり前になりつつあるが(総合実施計画書、ケアプランへの署名)、正直な話、医療・介護報酬を得るためだけの形骸化になりやすいのではと危惧する。

インフォームド・コンセントの重要性は言うまでもないが、形骸化しやすい。もちろんインフォームド・コンセントの考えが及ばない分野もあるとは思うが多くの場合で必要とされる。臨床の管理者時代、うるさいくらい説明と同意に力を入れるように言っていた(実際、私の臨床時代、説明はもちろんのこと金銭的にも実施計画書はタダです。総合実施計画書はこれで3000円ですって説明すると皆びっくりしていた)。その思いは現在も継続されていると願いたい。

今回の旅で改めてSDMの重要性と難しさに気付かされたが、この難解な問題を解決する必要性が作業療法発展にも貢献すると思った。クライエントとコラボレーションするにはどうすれば良いか。SDMは一人で行う際には楽しい作業でしたが、皆で行うには壮大なテーマです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

2017年2月13日月曜日

お久しぶりです

しばらくご無沙汰しております。年末に日記を更新しなかったのは初めてです。
反省を1ミクロンほどしています(笑)。去年から今年にかけて色々ありました。宮古島に行ったり(写真 みやこ何とか君 名前忘れたw)、北九州、熊本に行ったり、去年本厄、今年後厄ですが、すこぶる絶好調です。



教員生活も半年が過ぎ、何も変わらない忙しい生活をしていますww 教育でも面白いことをやりたいなーって思っていますが、もう少し時間がかかりそうです。しかし、着々とやっており、毎日楽しく生きています(笑)

やはり、学校教育には臨床の先生との結びつき、コラボレーションが重要です。臨床の先生方に様々な研修会や院内勉強会、マネジメント相談のご依頼をいただき(ご依頼ありがとうございます)、臨床の先生に貢献できることは教員からは数少ないのでできるだけ積極的に答えようとしているのですが、いかんせんキャパオーバーでいろいろ調整しつつ行っています。すいません。自分はそんな色々人様に言える人間じゃ無いんですけど(笑)自慢できるところは、臨床、管理、教育(多分野)と色々平均的に広いってことぐらいなもんです。人に話すことができる人は専門特化した人の方が勉強になると思いますが(苦笑)。しかし、常に自己研鑽し続けないと学生に示すことができませんよね。まあ偉そうに喋ることはできないわけです。学生が誇れるような教員でなくても、そうなれるよう追い続けなくてはいけないと思うわけです。


でも、臨床家、学校教育がともにWin-winになり、そしてお互いが共通の視点で学生を育てる環境ができたら良いなと常々思います。

現在は週1の臨床で毎回学生を連れて行ったりしていて(イムス板橋の先生方ありがとうございます!!)、学生もためになっているだろうと思います。



話は飛びますが、臨床で懇意にしていただいている先生のご依頼で、先週ACEについて講演をしてまいりました。おかげさまでACEは検索で引っかかるようになりました〜!

「ACE、作業遂行」


で調べてみてください。あえてリンク貼っていません(笑)
小難しいことは言わないので、好きに使ってください。そもそも、使わなくてもいい評価なので、疑問視される方はスルーしてください(笑)


研修会や講演の楽しみは全国の色々な先生とお会いできることです。また横のつながりが増えていくことに本当に幸せを感じますね。まだ見ぬ土地でお会いできるのを楽しみにしております。

3月5日 生まれ故郷岐阜のお隣 第5回福井県作業療法学会の特別講師でお話しさせていただきます。
3月12日 神奈川県士会で3時間超のロング講演させていただきます。ちょっと実演を入れて、面接にACEを絡めようと模索中です。タイトルが変なので多分修正します(笑)

来年度のご依頼も少しずついただいていますが、できる範囲でお答えしたいと思いますが、来年度は研究と教育に力を入れたいのでちょっとセーブ気味です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。