2015年3月13日金曜日

未来予想図2

本日は板橋区のPTOTSTに、区からの依頼で生活行為向上マネジメントの実践について少しだけお話しさせていただきました。話の大部分は、いつも懇意にさせていただいている大先生がされ、私はほんの一部です。私は区や都でお話しすることには些か気が引けます。それは、近くであるからゆえに連携が頭に浮かぶからです。私は他と連携できるほど等職場が洗練できていないと感じています。中途半端は嫌いなので、ちゃんと胸を張って仕上がってから協力してきたいと感じている次第です。

さて、tomoriさんが生活行為向上の行く末について書かれていました。
こういう話題は私も好きなので、少々整理してみたいと思います。

1.これからの病院事業の在り方


ついこの間、私が出た勉強会でも出たんですが、厚労省が出しているこの図をご存知でしょうか?まあ有名な図です。簡単に言えば、現在病院のバランスが悪すぎる(ワイングラス型)、急性期の病院が多すぎるので在宅系(砲弾型)を増やしていくぞ。今の急性期病院など多いものは削減していくぞ。極論を言うと、他の機能に迫ったり潰していくぞ。ということになります。生き残りをかけた争いになりますね。皆さんの施設はどうでしょうか?
 高齢者は続々と増えていくので、限られた国の財源では少しでも医療費、介護保険費を削減する必要性があります。したがって、これはB3シナリオにもつながります。急性期・回復期の入院期間はどんどん短くなり在宅へシフトしていきます。超急性期は7日間で退院です。

2.これまでの政策誘導と生活行為向上
昔、回復期でADL加算という制度が始まりました。あまりにも機能訓練をやっているので、ADLやるとお金儲けできますよ。としたんです。それでみんなお金儲けのために渋々やるようになった。みんなやるようになったら、ハシゴを外します。つまり、それをやって当然の要件にして、診療報酬をまるめ(包括)にします。実質的な減算ですね。休日リハも充実加算もそうなっていきつつあります。段階的にやるところが、国の手法です。また、ある意味地域包括ケア病棟はもう既にそうなりつつあります。

 では、生活行為向上リハビリテーション加算についてです。加算がつくことにより、これまでクライエントの大切な作業の支援を内発的動機付けにより行っていた人が、加算がつくことによって点数に追われるか?というとそうではない可能性もあるかなぁ。お金も大事(笑)
まあ半分冗談、半分本気ですが、結局今までと変わらないことをやり、報酬がつくのでまんざらでもないとは思います。基本通所は費用対効果が悪いので。逆に通所でいっぱい筋トレしたら加算がついて、生活行為の支援に何もつかないほうがやる気は下がると思います。
 一方、生臭い話をすれば、報酬を取るためにいろんな手を使い、実質生活行為を真剣に支援していないのに加算を取ろうとする事業所が増えることは、残念ながら間違いないでしょう。毎回いたちごっこは生じます。こういうものを見聞きすることは、モチベーションを下げるかもしれませんね。そして、それが当たり前として加算の梯子が下される。本質が何処かに行ってしまう。なんのために加算がついたのか?を明確にする必要があるでしょう。


 なお、今回は通所リハだけですが、私は是非今後訪問にも導入していただきたいと思っております。今の状況は介護保険の無駄使いになっている状況が少なからずあります。それに一石を投じるためにはまあ、ある意味カンフル剤も必要かな。と。不十分でもこの加算はある意味があるのでは?結局ベストの方法とはなかなか見出せないものですから。

余談
この前、地方のPTの先生がご挨拶にいらっしゃり、地方での求人の枯渇対策として既に中央へ対策を練りにいらっしゃいました。これが国公立大学だから驚きです。求人における回復期フィーバーも終息傾向になり、確実にPTの門は狭くなってきています。
これからが私の予想です。
今後はPTの急性期フィーバが起きるはずです。上記のシナリオからすれば、急性期の365リハは当然の事、充実加算も検討されることは容易にわかります。ともすると、そこはPTに非常な有利な展開となるでしょう。一方、現在OTは在宅へと向かっていますが、本当にそれでいいのかという疑問も持たれます。
しかし、それも長くは続かず、今後人口が低下します。これが意味することは顧客が減るということです。その際に現状の医療のビジネスモデルでは確実に人材過多になることは間違いないでしょうが、その時は私はもう隠居していたいですね。
 


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