2015年12月5日土曜日

中医協のデータについて

ネット界隈では、中医協の戦々恐々としたデータに皆興味を示している様子。そりゃそうだ。バブルが崩壊する話ですもの。

実はその5日前の小樽臨床作業療法研究会さんで、回復期のまるめについては話をしていたので(その数ヶ月前にもマネジメント本にちょろっと書いていたw)、リアルタイムな話になったな。と思った。

しかし、マネジャーたるもの、あの中医協のデータぐらいで踊らされてはいけないと思っている。いかに早くから時代の潮流を読み、動向を窺うかは大切なことは当然であり、あれくらいは想定内にないと困る。これは別に偉ぶっているわけではなく、自分の下には多くの部下がおり、その生活を担っているという責任をマネジャーは常に抱えなくてはいけないからである。それがなければ、実質そう動いた時に多くのスタッフは路頭に迷うでしょう。

あのデータは、臨床だけの話ではなく、業界全体の話だと思う。すぐに養成校(特にPT)がダメージを食らうので、先生方はもちろん気にしているだろうが、仮にそうでない方がいらっしゃったら、検討された方が賢明だ。

昨日、いろいろ話をしていて、今回のデータをもとに提案が実施されたとすると、自分がその状態をwelcomeであるということを話したら、意外だと言われた(笑)。ダイレクトに損失を食らうからだろう。しかし、物事が健全な方に働くならば、welcomeだ。もうすでに、そうなった時のプランは何年も前から頭に浮かんでいるので、対策は十分にある。異常な業界から正常な状況に行き、質が改善されるのであれば、最終的には国民に寄与すると思う。

実を言うと、自分が行っている事業展開の提案はすでに8年前に作っていたものなので、それを時代に合わせて着々と実行しているだけなのです。

まあ、あのデータは色々な取り組みについてプラスの方向にも向いていますので、質的には追い風、量的には逆風なんでしょうね。ちなみに質的評価は看護必要度ということになるかな。本質的ではないですが。政策に踊らされながらどう生き延びるか。結局仕事はサバイバルですw。

ところで今日は東京は快晴でお勉強日和でございます。




2015年11月8日日曜日

道を選び前に進む

先日、友人のお誘いで、回復期運営のコンサルティングをしてまいりました。そんなことできる立場ではないのですが。病院にも頻繁に他院から見学の方がまいりますので、当院のやってきたことぐらいは言えるかなと思い、他の用事もあったので経験と思い有り難くお引き受けしました。いろいろディスカッションができ、楽しく前向きに話ができました。ありがとうございました。




そんな中、本日はとある学会で話を拝聴しました。おおよそ予想はしていましたが、地域包括ケア会議についていろいろ学びを深めることができました。(とりあえず、うちではすでにやっていることばかりなので、安心しましたが、私自身別に自治体と協力するつもりはそんなにないですw。それには持論があるんですねー。機会があれば。。。)
一方で少々気になることもありました。それは、
「いいことやっているのにお金儲けができないのでウチの会社潰れます」って自虐的に講師の方がおっしゃっていましたが、そうなるとそもそも誰もOTやらなくなるな。って思いました。まあ冗談でしょうが。

某有名国立大学の定員割れの案件もそれだと思います。結局、世のため人のためということももちろんあるでしょうが、民主主義の中、それなりの生活をしたいから、一生懸命勉強して、作業療法士を目指しても生活危ういですよー。ってことになっちゃったら、高校生とかなりたいと思うかなー?お金の夢見てもいいんじゃないっすか?

私はお金儲けが悪いは思いません。しかし、福祉などでお金儲けをしようとしても理想と現実はかなり大変です。私はそのスキルはまだ持っていないなー。だから安定した病院で好き勝手やらしてもらっているんですよ。病院でもできることは沢山あるんですけどねー。

いつも思うんだけど、起業してこんないいことやって、こんなに稼げたぞーっていう泥臭い夢のある話が少しぐらいあっていいと思う。(もちろん詐欺みたいなこととか効果のないことやって金稼ぐ人は嫌いw)。金儲けが悪い〜って思いすぎじゃないかな。私にはできないけどねー(笑)結局アメリカの作業療法士の人気のひとつは年収の高さでもあると思いますしね。自分の生活がままならないような状況に甘んじる人はあまりいないでしょ。

しかし、そんなの愚痴ったってしゃあない。日本人だもの。
どんなに環境が整っていても前に進まないと何も変わらない。
どんなに前に進んでいても、進む道が違えば崖から落ちてしまう。
着実に前に、戦略的に良い道を目指さないといけない。

それがマネジメントなんでしょう。セルフも組織も。
あっ基礎を学びたい方は、こちら(リンク先に飛びます)。
あと数名の残枠です。あっそして、日本臨床作業療法学会会員限定企画です〜

最後宣伝になってしまった(そんなつもりはなかったのに)。

とりあえず、当院の発表者の人頑張りました。お疲れ様。
運営の人たちもお疲れ様でした。




2015年9月27日日曜日

Nzつづき

ゴラム(by ロード・オブ・ザ・リング)の国Nzです。
空港で上を見たらいたのでTomoriさんと一緒にビビりました。



2日目はNzの大自然を勉強しました(笑)。



運動をしたら疲れるので、夜はホテル付属のBBQガーデンへ。小川さんとTomoriさんが張り切ります。技士長は酒を飲みながら味見しかしていませんw 肉がいちいちうまいw



3日目はいよいよ発表です。Tomoriさんや当院の大野くんが堂々とOralで発表しているのを見て、うわー。流暢だな。と思いつつ、もうちょっとしたら自分もOralでやろうと目標を決めました。
 そして、自分はAssessment of Client's Enablement(ACE:エースと呼んでいます)というクライエントと作業療法士のギャップの評価票についてposter発表しました。実は学会で初お披露目です。用意していたチラシも無くなっていましたが、英訳する際にちょっとした痛恨のミスをしてしまったw。しかし、海外の方がたくさん来てくださり、盛り上がりました〜。英語をフォローしてくださる海外の教授ともつながり本当に有意義な会でした。ACEはおそらく臨床OTあるいは北海道学会で国内初お披露目になりそうです。





そして、その夜は前夜に引き続きBBQ後、酔っ払い集団のノリで部屋で次の日Oralで発表という工科大の池田さんの予演会。ノリで全員英語。これがバカ受けでした。ちなみに流れ弾で自分のプレゼンの発表も。こういうことができる仲間は高め合えていいなと思います。




その後、ウェリントンへ移動し、友利さんの友人のWilliamさんのいる、OTAGO大学でMeeting. このWilliamさんがものすげーいい人(笑)。ちなみにずっとOTだと思っていましたが、Tomoriさんに行きの飛行機でまさかのPhysioだということを明かされました。


Williamゼミで、TomoriさんのADOC話が繰り広げられると、向こうの方にも興味を多く持たれたようで、様々なDiscussionがなされていました!さすがです。


それで、自分のプレゼンの予定でしたが。。。まさかのマシントラブル〜〜。で急遽小川さんの研究を話してもらいました。ちくしょー。Mac。買い換えたい!



翌日はこの旅の最大の目的、施設見学です。abi rehabilitationへ見学させていただきました。夢が一つ叶いました。頭部外傷の方の施設みたいでしたが、当院とやっていることは似ているかな〜っていう印象です。要するに社会参加を結構支援していますよ。っていう感じです。でもその後のDiscussionで、結構機能訓練好きよって感じだったかな〜。そこでのプレゼンもなんとか終え、スタッフの人とDiscussionし、終了後もOTの方から、「ちょっとええか?あれどうしとんの?OT室来てちょっと見てくれ」みたいな感じで臨床Discussionができ、まー面白くてしようがなかったっす。海外でも日本のOTは結構いけるんだなーって思いました。



それにしても、同行した小川さんやTomoriさんのように英語をもっと鍛えんとな〜。と強く思いました。このような、旅を企画してくれた二人、Williamさんをはじめとした出会った仲間、そして留守にさせてくれた職場に心から感謝です。



死んでいます↑
ちなみに帰りは格安チケットのため、1日半かけて帰りました(笑)

2015年9月19日土曜日

NZ(ニュージーランド)その1

病院機能評価も終わり、晴れて9月初旬より10日間のお暇をいただいて、Asia Pasific OT Conferenceの発表と臨床視察のためにNZへ訪問させていただきました。

まあ、ほぼ実費なので成田から格安航空券で4時間かけて台湾経由。まさかのTransit 9時間待ち(帰りも一緒w)。時間をつぶしながら台湾にて今回の旅のコーディネーターの小川さんとTomoriさんに合流。



台湾からはまさかのBrisben経由で13時間(笑)でAukland入り。出発1時間で右菱形筋をがっつり痛め、それから寝れずw。なかなかきつい旅路になりましたが、となりが可愛いルーマニア人だったのが唯一の救い(笑)



溜まっていた論文やマネジメント本を仕上げながら行きましたが、まあ疲れたw。1日経っても現地につけないため、Auklandで宿泊。夜になっていたので適当にタイ料理屋に入ってこれからの出来事に期待を膨らませました。



翌日は朝から海辺を小川さんと散歩し、朝一のバスでみんなで現地へ移動しましたが、とてものどかな風景と牛(羊でなくて)に癒されつつ、traffic signが万国共通ということに改めて気付かされ、2日がかりで現地入りしました。現地で色々懇意にしていただく、Tomoriさんの友人のDr. Williamに挨拶をし(とんでもないfrankな人でした)、会場を軽くぶらり。まあ日本人が多いこと(笑)。




初日当日の発表では当院の河原さんが賞を受賞!小川さんのところにも人がたくさん来ており、収穫の多い学会になったようで、仲間としては嬉しい限りでした。そして、夕食は明日からの出来事に期待を膨らませ、神奈川県大の長山さんの「400gの肉も余裕で食える」という話を信じ、400gのNZ肉に舌鼓を打ったのでした(まじで余裕で食えたw)。あっ学会の事ほとんど書いていないw。


その2に続く

2015年7月5日日曜日

クライエントと個人情報保護

久しぶりに実家に帰る日に岐阜名物の花火大会(昔は打ち上げ数全国3位内の2つが岐阜でした)があることがわかりましたが、人が多すぎるので花火大会は断念。皆さんも帰省の時期になりますね。墓参りにいこうかなって考えています。


さて先日、当グループのOT責任者たちと飲んでいて、当グループのことではないですが、SNS上のトラブルを耳にしました。SNSは怖いですね。特に本人を特定できる情報の露出はクライエント、作業療法士両方に置いて触法行為になることを常に念頭に置いておく必要があると思います。

よくあるネタについて私論を記載しましょう。

○不特定多数の人がいる場でクライエントの固有名詞を出す。

バスや電車で通勤すると、医療職らしき人がクライエントの固有名詞を出すことをよく耳にします。「○○さんがさ〜、○○の値が悪くって。。。。。」。私は素知らぬ顔で乗っていますが、話している本人たちはわからない。しかし、専門用語多数のその情報で私はそのクライエントがどのような状態なのかが理解できます。そして、そのバスの沿線上の医療機関は限られているのでおおよそしぼられるということになる。どこに医療職者がいるかわからない。公の場でクライエントの固有名詞を出すことは職業人として今一度考えた方が良いのでは?それは職業倫理だと思います。私はよくスタッフに指摘します。


○自宅で病院などの業務を行う

ほとんどの施設は施設外への個人情報の持ち出しを禁止しています。自宅で業務を行うことは多く施設の場合、労務規定違反にもつながりますし、紛失などによる個人情報の漏洩の危険も考えられます。業務はすべき場所ですべきでしょう。


○SNSでクライエントとの思い出を語る。

SNSでクライエントとの思い出を語る。共有して様々な人たちに良い影響を及ぼすことになるでしょう。しかし、その情報共有についてクライエントはどれくらい理解しているか?ということがあります。
Maitraは作業療法士が目標を説明したとしても、クライエントはそうは思っていないことを明らかにしています。(※この論文についてはTomoriさんの教え子のOhno君が院生時代に解説しています。こちら)目標共有ももちろんそうですが、それ以外でもクライエントと作業療法士は同じ道を歩んでいるつもりで離れてしまうことが多々有ります。様々なインフォームドコンセントもしかりです。臨床で皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか?

私はいろいろな方法で同意をいただいています。クライエントとのかなりの関係性が取れた上での同意のもとでの掲載は良いでしょうし、その関係性が眼に浮かぶケースも多々有ります。一方、私は自分が関係性が良好だと思っていてもサービス提供者として、SNSの掲載は踏み出せない根性なしですw(特にtwitterやブログは怖いですね)。SNSは削除しても記録はどこかで生き続ける。完全に削除はできない。だから私はクライエントに許可を得ていたとしてもSNSやWeb上ではクライエントとの思い出を共有できない。それだけWebは制御できない怖い存在だと思っています。
心の片隅で自分が思うのは、他人の気持ちを知っているつもりは一種のエゴかもしれない。それでも推し測り続けるのが日本の作業療法なのでしょうが。

2015年6月21日日曜日

濃縮

本日、年に1回のOT学会が終わりました。非常に学会もアフターも充実した濃縮な学会でした。

前日、早々に仕事を終え、夕刻から友人のtomoriさんとryukyuOTさんと地元のTKBさんのご自宅にお招きいただきました。そこで、奥様の美味しい手料理をいただきながら、アイドル並のお子さんたちを横目にいろいろ業界や研究や馬鹿話で盛り上がりました(この時ノリでUSJに行くことになったのですがw)。仲間って本当にいいですね。
(撮影 TKBさん)

初日は二日酔いの中、シンポジウムがありました。歴代協会長の話の裏番組でしたが、大御所ベテランの先生方のおかげ様で満員御礼、立ち見上等、入室制限という三段落ちに、tomoriさんたちもおもわず「入れまてんw」ってw。来ていただいた方ありがとうございます。
(撮影 tomoriさん)

与えられた役割がPTとOTが違う、成果を示すでしたので、ここでは回復期における私の考え方と当院の実践について無責任に話しましたw。成果に関して、回復期は十分にエビデンスを出していると言えず、ことに作業療法においては非常に不明確です。ときに診療報酬は無駄遣いを助長するものとなります。実践ケーススタディやクライエントの心境の変化、そして私たちの主観による定性的評価は臨床に有益な情報を与えてくれます。しかし、私は他職種に理解してもらうためにはやはり定量的評価が重要と思っています。最終的にはRCTやビックデーターによる大規模解析が必要で、そこに大量の資金を投入しても良いのではないでしょうか?

 その後、理事会へと突入。完璧事務職人理事tatsuyaさんが用意した会場はまさかのカラオケボックスw。しかしさすがの選択で、隣人の「X 紅」をバックミュージックに議論は盛り上がり、一曲も歌っていないのにまさかの延長www。様々な話題を議論しました。第3回は愚痴OTさんに計画を練っていただき、結果、着々と進捗しています。楽しみにしていてください。ガンガンに盛り上がりますので、是非みなさん演題を用意して心待ちにしましょう!

そして、会員向けコンテンツも増えます。
今年度は、昨年度に引き続きYabu理事による「がっつり研究法」(2日間)、侍OT理事による「面接 (仮)」(半日)、私による「マネジメント」(半日)を行います。
全て会員限定の研修会で、侍さんのは8月に東京を予定しております。研究法は秋、私のマネジメントは1、2月を予定しております。近日公開を楽しみにしていてください。
 にしても、議論は本当に建設的で僕らは本当にいいチームだなあと思いました。最終的に解散するときにアラフォーのおっさんたちが道の真ん中で自撮りで盛り上がるというまあなんともw。仲良いです。

(撮影 愚痴OTさん)

2日目は運転の発表など幅広く聞かせていただきました。運転の演題増えましたね。運転と作業療法研究会の世話人の先生方の研究などを拝聴しながら、いろいろトピックスを吸収。この研究会は日本の運転支援のトップランナーOTの先生方が集まっています。10月に研修会があり、その研修会は本当にオススメです。定員が少ないので早めの申し込みをオススメしますよw
 一方でスタッフの発表も聞きました。質問者がかなり来ていましたので、本当によかったなと遠巻きに見ていました。自分の成果を形に残し、他者評価され強化される。最強の学習と報酬だなと思います。飲み会でもスタッフと交流できたので、いい時間になりました。

昼は医学書院さんと打ち合わせ、マネジメント本です。作業を大切にする実践のために侍さん発信で「作業で語る事例報告」が世に出されました。おかげ様で皆様に愛顧されているようです。その対をなす本がマネジメント本です。人的・物的環境を変化させ、作業の実践を導くためのビジネス書と思われた方が良いかもしれません。随時進行中で今から発刊が楽しみでしょうがありません。


一通り発表などを聞いた後に夜は理事飲み会だったのですが、不参加者が多数だったので会場前に黒い車が私たちの前に停まり。。。

TKBさんの案内でUSJへw(タフですこの方 ありがとう)。
USJでOJO(おっさんJAWSで大騒ぎの略)でした。

(カメラ ryukyuOTさん)

最終日も今後の僕らの歩み方、帰りの新幹線では侍さんと面接談義。有意義な時間です。仲間に感謝。学会でお会いした、お世話になった皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

2015年5月15日金曜日

書籍紹介 (ありがとうございました)

年度が明けました。いろいろみなさん忙しい日々を送られていると思います。自分は自分で言うのもなんですが、人生最大の忙しさです。病院業務がMAXで論文や書籍や研究、そして学会発表の準備がままなりません。さすがに戸惑っています。そんな中、カミさんが体調不良だったもので、家事も同時にやったり、まあ主婦は大変だなあと思いました。

昔、精神科の実習の時のスーパーバイザーに、「40歳になると限界が見えてくる」と言われて、当時はよくわかりませんでしたが、なんとなく今はわかります。明日の夜にちょっと頑張ろうと思います。

今日は懇意にしていただいている、TKBさんとのやりとりの中から、思い出させていただけましたので、ちょっと日記に書きたいと思います。

この3ヶ月ぐらいで実は3冊の本が出版されました。
自分は文才がないので、本を書くのは苦手ですが、このようなお話をいただけたので感謝しております。それなのに、お礼と紹介が遅れておりました。編者や監訳者の先生方に御礼と感謝の気持ちも含めて紹介したいと思います。

その1
高齢者のその人らしさを捉える作業療法



これは臨床OT学会でも一緒に理事をさせていただいている、やぶさんと愚痴さんプレゼンツです。実践メインで書かせていただいていますが、思い入れのある自分のケースとスタッフのケースを紹介しています。僕のケースは執筆が決まってから決めたので、いい感じの背水の陣です。著者は素晴らしい方ばかりですので、お手にとってみてください。

その2
終末期理学療法の実践


これは兵庫の日高先生と桑山先生からお話をいただき、作業療法士として書かせていただきました。依頼に「これだけは理学療法士にやめてほしい」なんてセンセーショナルな項目があり、戸惑いましたが、おふたりの他職種への理解と懐の深さを感じました。私はこのような理学療法の方々と働かれるOTは幸せだろうなあと思い、私とターミナルのクライエントとの物語を書かせていただきました。クライエントも喜んでくれていると思います。


その3
脳卒中のリハビリテーション 生活機能に基づくアプローチ



これは名著、stroke rehabilitationの訳本です。この本のフレーズを読んでいて、何度も震える体験をしました。機能と生活が結びつくことが書かれています。
依頼は、懇意にしている、監訳者の松原さんからでした。私は英語が得意ではないのですが、まさかのボリューム約100ページという。。。
かなりのキラーパスでこの本の訳は、高齢者の執筆の締め切りと重なっていましたから、この時期は地獄のように毎週末徹夜していたのを覚えています。間に合わん〜〜〜と思った時に、ちょうど良いこと?に体をダニに侵された病にかかったので、その出勤停止中に仕上げたという思い入れの深い本です。終わった時には英語が嫌になりましたw。
原著に書かれているグレンさんの素晴らしいセリフがうまく伝わるかどうかが心配ですが、非常に名著だと思います。


こんなに色々な機会をいただけているのは本当にありがたく、出版に関連して私に関係した全ての方々に感謝しております。皆様も機会があったら、お手にとっていただけましたら幸いです。

そして、そんな文才のない私も、現在事例本Ⅱこと、マネジメント本の執筆にかかりました。
事例あっての事例本、現場あってのマネジメント本

とでもいうべき、OBPの環境を作るための本です。
OTさん、Tomoriさん、琉球OTさんと企画を修正しつつ、本格的に動きましたが、皆様にお届けできるのはもう少し先ですので、また出版の際には冷やかし程度に見ていただけましたら幸いです。


2015年3月24日火曜日

たまには仕事から離れてみるのもいいもんだ

僕はあまりお金持ちではない。しかし、お金をあまり使わない。服は大して買わないし、車は中古でいつも10年落ち(前は初めから凹んでいる車を買ったw)。10年以上吸ったタバコは8年前に風邪をひいてアホらしくてやめたし、酒好きと思われるが、家で晩酌はしない。昼飯はいつも金額100円ぐらいを30秒で食べるし、携帯はガラケーなので夫婦で1万以下(携帯を解約してもいいと思っている)、固定電話も持っていない。ルーティンで使うのは仕事で使うポケットwi-fiと習い事でせいぜい月1万弱くらい。おそらく新入職員より個人的支出は少ない。

そして、長期休みもあまりとらない。実家は遠方だが、ここ10年ぐらい2泊以上泊まったことがない。今の職場で初めて5日以上休んだのは第2回COTだった。

いつも、休みの日はあまりいない夫であり、父親なので、家族のいろいろな記念が重なったので、奮発して国外に飛び出てみた。



小さい頃から夕陽で感じる侘び寂びが好きだった。水平線に沈む夕陽が見たいというのが夢だったが、それを自分の子供と共有して眺めるのは思ってもいなかった。



素泊まり状態だったので現地の様々な店でプラプラして、簡単なコミュニケーションして、食事したのも楽しい。また、海ではしゃいで、疲れて寝て、お土産をねだっている子供、そしてかみさんへプレゼントを購入して、結局自分には何も買わなかったw。ってか、何もいらないの方が正しい。




時差は1時間だったので、時差ボケもなく、時計いらずの自分はいつもの時間に勝手に目が覚め、一人で起きてLobbyに向かったが、wi-fiがなかなかつながらず、最低限のメールの返信のみ行い、論文書きは断念し、MBAは閉じた。





振り返ってみたら、ここ数年間リハやOTのことを365日考え続けてきたけど、何も考えないこともいいものだなっと。僕の作業療法の意味は生産活動が80%、趣味が20%だ。自分の中でリセットして、義務的作業も願望的作業もバランス良く配置する。仕事で潰れる人がいるが、そんなことで人生を無駄にするのはもったいない。仕事のために人生はない。

リセットした後明日からまた多忙な日常が始まる。長期の休みをくれた職場に感謝。

2015年3月13日金曜日

未来予想図2

本日は板橋区のPTOTSTに、区からの依頼で生活行為向上マネジメントの実践について少しだけお話しさせていただきました。話の大部分は、いつも懇意にさせていただいている大先生がされ、私はほんの一部です。私は区や都でお話しすることには些か気が引けます。それは、近くであるからゆえに連携が頭に浮かぶからです。私は他と連携できるほど等職場が洗練できていないと感じています。中途半端は嫌いなので、ちゃんと胸を張って仕上がってから協力してきたいと感じている次第です。

さて、tomoriさんが生活行為向上の行く末について書かれていました。
こういう話題は私も好きなので、少々整理してみたいと思います。

1.これからの病院事業の在り方


ついこの間、私が出た勉強会でも出たんですが、厚労省が出しているこの図をご存知でしょうか?まあ有名な図です。簡単に言えば、現在病院のバランスが悪すぎる(ワイングラス型)、急性期の病院が多すぎるので在宅系(砲弾型)を増やしていくぞ。今の急性期病院など多いものは削減していくぞ。極論を言うと、他の機能に迫ったり潰していくぞ。ということになります。生き残りをかけた争いになりますね。皆さんの施設はどうでしょうか?
 高齢者は続々と増えていくので、限られた国の財源では少しでも医療費、介護保険費を削減する必要性があります。したがって、これはB3シナリオにもつながります。急性期・回復期の入院期間はどんどん短くなり在宅へシフトしていきます。超急性期は7日間で退院です。

2.これまでの政策誘導と生活行為向上
昔、回復期でADL加算という制度が始まりました。あまりにも機能訓練をやっているので、ADLやるとお金儲けできますよ。としたんです。それでみんなお金儲けのために渋々やるようになった。みんなやるようになったら、ハシゴを外します。つまり、それをやって当然の要件にして、診療報酬をまるめ(包括)にします。実質的な減算ですね。休日リハも充実加算もそうなっていきつつあります。段階的にやるところが、国の手法です。また、ある意味地域包括ケア病棟はもう既にそうなりつつあります。

 では、生活行為向上リハビリテーション加算についてです。加算がつくことにより、これまでクライエントの大切な作業の支援を内発的動機付けにより行っていた人が、加算がつくことによって点数に追われるか?というとそうではない可能性もあるかなぁ。お金も大事(笑)
まあ半分冗談、半分本気ですが、結局今までと変わらないことをやり、報酬がつくのでまんざらでもないとは思います。基本通所は費用対効果が悪いので。逆に通所でいっぱい筋トレしたら加算がついて、生活行為の支援に何もつかないほうがやる気は下がると思います。
 一方、生臭い話をすれば、報酬を取るためにいろんな手を使い、実質生活行為を真剣に支援していないのに加算を取ろうとする事業所が増えることは、残念ながら間違いないでしょう。毎回いたちごっこは生じます。こういうものを見聞きすることは、モチベーションを下げるかもしれませんね。そして、それが当たり前として加算の梯子が下される。本質が何処かに行ってしまう。なんのために加算がついたのか?を明確にする必要があるでしょう。


 なお、今回は通所リハだけですが、私は是非今後訪問にも導入していただきたいと思っております。今の状況は介護保険の無駄使いになっている状況が少なからずあります。それに一石を投じるためにはまあ、ある意味カンフル剤も必要かな。と。不十分でもこの加算はある意味があるのでは?結局ベストの方法とはなかなか見出せないものですから。

余談
この前、地方のPTの先生がご挨拶にいらっしゃり、地方での求人の枯渇対策として既に中央へ対策を練りにいらっしゃいました。これが国公立大学だから驚きです。求人における回復期フィーバーも終息傾向になり、確実にPTの門は狭くなってきています。
これからが私の予想です。
今後はPTの急性期フィーバが起きるはずです。上記のシナリオからすれば、急性期の365リハは当然の事、充実加算も検討されることは容易にわかります。ともすると、そこはPTに非常な有利な展開となるでしょう。一方、現在OTは在宅へと向かっていますが、本当にそれでいいのかという疑問も持たれます。
しかし、それも長くは続かず、今後人口が低下します。これが意味することは顧客が減るということです。その際に現状の医療のビジネスモデルでは確実に人材過多になることは間違いないでしょうが、その時は私はもう隠居していたいですね。
 


2015年2月21日土曜日

そうだ京都へ行こう

今年に入って早々論文がrejectされ(同一論文3回目)打ちひしがれ、そして、minor reviewで返ってくるとタカをくくっていた別論文がまさかのmajor review。人生謙虚にならなあかんと思いつつ、やる気にもならないので二つとも放置していたところ、昨日、また他論文のacceptが来て、正直喜んで飲みすぎて腹を壊しました。
職場では病院機能評価のために業務倍増、それに加え、生活機能再建型短期集中外来、院内の運転システムの大々的テコ入れをしていますので、毎日が火の車です。しかし、臨床ができるので、嬉しい限りです。

私が嬉しいのは
1番は臨床ができること(当たり前かもしれませんが、作業療法士を実感できます)
2番が論文が掲載されることですね。

本を書いたり、依頼原稿を書いたり、講演したりするのはほとんど依頼によってやるので、どちらかというととっかかりはPassiveです。前者はActiveで、好きな活動です。得意不得意の問題ではないので、優れた臨床や研究者ではないですが。世の中には優れた人はたくさんいる。今年は講演を控えめにして、論文執筆とマネジメント本の執筆にエフォートを注ごうと思っていましたが、なんだかんだで明日も講演、そして、再来週も講演の紹介です。

ということで、京都の講演の御紹介です(前振りがおかしいですが。。)

来月早々、京都でお話しさせていただきます。
またこれが、友人の皆さんが企画、出演されるOTMAGとかぶっています(苦笑)
しかし、参加者がまだまだ募集中らしいので、宣伝しないと申し訳ないなと思いました。

京都では作業についての話もしますが、新しい評価表の話を少ししたいと思っています。

みなさんは知らず知らずのうちにクライエントとの作業遂行の認識の共通理解が得られていないのでは?と感じるときはないでしょうか?代表的にはできるADLとしているADLの差など。作業遂行に関してではないですが、Clarkはクライエントと共通の理解を得ることの重要性を訴えています(共通の理解地平の地 samuraiさんが好きなフレーズ)が、それが知らないうちにズレることです。クライエントとの認識のズレはMaitraさんのインフォームドコンセントの論文にも出ています。

作業遂行に関する認識の差を解消するために私たちは評価を作成しました。

名前をACEと言います。


まだ論文化も発表もしていないので、詳しくは説明できないのですが、京都では少しお披露目したいと思います。厳選してプレモニター募集も考え中です。



京都臨床作業療法研究会、案内では締め切り過ぎていますがまだ募集中のようです。ご予定が開いていらっしゃる方は是非ご参加下さい。ご案内はこちら



2015年2月14日土曜日

第2回日本臨床作業療法学会終了


第2回日本臨床作業療法学会が終了して1週間経ちました。
すでに1ヶ月ぐらい前に感じています。


私は上江洲大会長にずーっとお世話になり、沖縄の歴史や文化に触れることができました。それにしても、沖縄そばはうまい!酒を飲み過ぎても次の日あれでリセットできるわ。大会長がよく飲むのもよくわかる。



私は、数ヶ月前からメーリングリストで見守っていましたが、実行委員の方々は本当に毎日綿密な打ち合わせをされていました。予算の関係もあり、機材などはボランティアで持ち寄りしていただき、本当に裏で大変な思いをして開催していただけました。心から感謝いたします。

ところで、私たち適当理事軍団(俺だけかw)にはちょっとしたトラブルもありましたが、仲の良さだけは右に並ぶものはいないので、問題なく解決できました。

そして、大会は参加型で、皆さんよい臨床をされていると感心しました。ファシリテーターの先生方も本当にチームをまとめて、素晴らしいファシリテートをしていただけたと思います。ありがとうございます。そして、学会で発表なんて全く考えていなかった方々が、発表しようと思っていただけただけでも本学会の意義はあるなと考えています。


大会長亭からの夕陽


大会長、特別講演で友利理事が話されたように、次はもうスタートしています。私も、皆さんも。そして、私たちの学会もNext stage。

ご参加ありがとうございました、そして、次は東京でお会いしましょう。


2015年1月5日月曜日

SNSは私の生活に悪影響を及ぼすか?

【はじめに】
 TwitterやFacebookなどのSocial Net Service(SNS)は世界で多くのユーザーを抱えている.これらを利用する大きな目的は,Net上で他者と交流すると共に多くの情報を共有することでユーザー自身に大きな利益をもたらすことにある.一方で,SNSには短所も多くあると言われている.SNSを気にするがあまり,家族や友人との大切な時間中にも,頻繁にスマートフォンでSNSをチェックしてしまうことが問題にあげられている1,2).Tomori 3)は数年前よりSNSを利用する媒体iPhoneに依存する自身を振り返り,「俺もガラケーに戻そうかな」と発言しているが,いまだ実現には至っていない.これらSNS中毒ともいえる症状について,多くのユーザーが危惧することがあり,この症状はネット業界のみならず,多くのメディアで取り上げられている.しかし,SNSは簡便かつ有用なツールであり,なかなか断つことができない実状がある.その上,本当にSNSが生活に悪影響を及ぼすかどうかの明らかな根拠は不明のままであり,そもそもSNSを辞める必要があるかについても疑問視される.
 筆者はガラケー(ガラパゴス携帯)であるが,SNSを毎日数回チェックしている.また,Facebookに掲載するために家族の団欒中に食事の写真を撮影するなどの行為を経験している.さらに,掲載の文面やコメントの掲載などに時間を割いている.これらの経験から,SNSが少なからず自身や家族の生活に悪影響を及ぼしている可能性があるのでは?と仮説を立てた.したがって,本研究ではSNSの無い生活が自身の生活に良い影響を与えるか否かについて主観的に検証することを目的とした.

【方法】
 筆者は2014年12月29日~2015年1月6日まで,SNS(Twitter,Facebook)へのアクセスを一切無くした.介入中はインターネットへのアクセスおよびメールのチェックは可とした.介入前後で家族(妻,娘)より家族サービスの質が変わったかどうか5段階で聞き取り評価をした.息子に関してはMini Mental State Examination が5点未満のため,評価者から除外した.また,介入中の自身の変化や気づきについても記録した.

【結果】
 筆者の評価では介入前の家族サービスの質は3であり,介入中のサービスの質は4であった.妻の評価では介入前のサービスの質は2(平日)であり,介入後(休日)の質は5であったが,休日による変化であり,SNSアクセスの有無で特に変わったことはないとのことであった.娘の評価では介入前のサービスの質は1(平日)であり,介入後(休日)の質は5であった.介入中の自覚症状としては,はじめの数日はSNSの動向が気になったが,数日後からは全く気にならなくなり,一種の義務的なものからの開放感が若干芽生えた.SNSにアクセスしないことで明らかに時間が増えたという感覚はあまりなかった.一方で,4日後ほど経過してから,Facebookから未読に関する催促のメールが数件入るようになった.介入中の家族サービスは筆者が大晦日より軽度の腰椎ヘルニアに罹患したことからActiveな遊びは困難であったが,Staticな遊びにより娘や息子の要求に応えることが可能となった(写真1).

写真1

【考察】
 本結果から,SNSへのアクセスを断つことは筆者にとって家族サービスの質を主観的にあげることがわかった.しかし,家族の評価において,筆者からの家族サービスの質の向上の要因は,SNSへのアクセスの有無によりも,休日時に共に時を過ごすことであった.確かに,筆者は頻繁にSNSをチェックしているわけではなく,投稿も1日に1〜3件ほどである.ゆえに,筆者が感じた家族サービスの質の向上は自己愛的性質を帯びていることが明らかになった.
 別の観点から考えると,SNSの時間を他の時間に利用できるという感覚は薄かった.これはそもそもSNSにアクセスする時間がさほど多くはなかったということの表れでもあると考える.また,SNSは気軽に情報収集を可能にする.したがって,適度に他者と交流し,情報収集する手段としてSNSは有益であるといえる.
 一方で,SNSの義務的な要素からの解放に関しては若干の有用性がみられた.SNSは社会の縮図も示しており,交流相手を不快にしないように留意する必要がある.ゆえに,返信に関する義務感が生じる4).しかし,筆者はこの義務感に強く悩まされていたわけではなく,介入後に筆者が年末からのSNSをチェックする手間を考えると,適度にSNSにアクセスする方が効果的であると考える.
 これらのことから,SNSにアクセスしないことは筆者の生活にとって有益ではないことが明らかになった.本質である家族サービスの質を上げるためには休日の回数を多くし,家族との交流時間を多く持つ必要性が示唆された.

【本研究の限界】
 本研究では年末年始に行われた.したがって,平日と休日の要素が混同されており,かなりのバイアスが混入している可能性が高い.今後再実験を行う機会があれば(まずないが),条件を同じにして検討する必要があると考える.

【謝辞】
本年も宜しくお願い致します.

【引用】
1)Ranking Share:ツイ廃やfacebook中毒な方必見!SNSを辞めることで得られるメリットランキング.オンライン,入手先<http://www.rankingshare.jp/rank/njpovqzaqt>,(参照日2015-01-06)
2)App Woman:恋人や家族よりも大切!? 4割以上が「SNSなしの生活は1日も耐えられない」!.オンライン,入手先<http://appwoman.jp/archives/77942>,(参照日2015-01-06)
3)Kounosuke Tomori, Tatsunori Sawada: ある飲み会での会話.品川,2014.
4)誠 Biz.ID:もしも「ソーシャル疲れ」を抱いたら? 今すぐできること.オンライン,入手先<http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1309/05/news006.html>,(参照日2015-01-06)