2014年4月29日火曜日

プラトーはセラピストのプラトー

ひょんなことから、主夫をしております。あっもちろん仕事も。

この前実家に帰った時に、数十年ぶりに裏山に登りました。センチな気分です。

さて、ひょんなことでスタッフから相談がありました。プラトーはセラピストのプラトーとも言えるから機能訓練を推奨する教育したっていいじゃない?
の議論を一部のスタッフと私も入れて明日行うそうです(笑)。

めがね論としてはあんまりこの議論はしたくないんですけど。。このことは15年以上前から言われていた。

まあ、全ての人が完全に良くなる訳ではないというのが一般論ではあるが、機能回復は絶対しないと言い切れる訳でもなく、機能回復は絶対すると言い切れる訳でもなく。医療職である限り機能回復のために全力を尽くすのは責務でもある。

ただ、自分の経験だと、機能回復のみに全力を尽くした結果、たいして機能回復もせず、その後にクライエントが不幸になった経験も沢山しちゃいました。うん。私の機能訓練の実力ってこんなもん。だからこれは自分のプラトーだ。すいませんと素直に認めてしまう。だから、プラトーはセラピストのプラトーに何の反論の余地もない。

一方、僕らのほとんどは限りある時間の中で作業療法を展開しなくちゃいけない。急性期、回復期、維持期だってそう。保健診療で働く限り、時間と資源は有限。自分は回復期で働いているけど、最長でも6ヶ月。その間に在宅で意味のある作業に従事できるよう支援する。機能回復に6ヶ月全力でやってしまって、仕事に戻れない、家事ができない。車の運転ができない。etc…..

だから自分はクライエントに作業療法を通して幸せになって欲しいから、機能回復の技術も学ぶけど、それ以外にも作業系はもちろんのこと、クラフトの使用方法を学んだり、ATを学んでハンダゴテでこちょこちょやったり、運転の知識を身につけたり、保険の知識を得たり、就労支援の知識を得たりなどなど。色んな角度から支援したいから、色んな勉強をこれからもしていくんだと思う。

機能回復と言えば、自分の尊敬すべき友人TKBさん(AKBみたい 笑)なら、自分より遥かに機能を回復する戦略を持っている。でも僕はクライエントの限りある時間でTKBさんにはなれない。逆に彼も僕にはなれない(まあなりたくもないだろうけど 笑)。自分より優れた人を目指してやるが、その人になれるわけじゃないんだなあ。でも作業に関するアウトカムなら同じ結果が出せるかもしれない。
結局すべては結果次第。だから、機能訓練推奨したって結果が残ればいいんじゃねえ?作業ができれば。プラトーだのプラトーでないだのという視点でもう物事を見なくなったのでこの議論には個人的にはあまり興味が無い。しかし、参加しろというならするしか無いね。プラトーの視点を伝えるのも良いが、他の視点も伝えてあげて欲しい。

そして、一つ言えるのは患者さんはセラピストの実験台ではないということかな。やるに関しても時間配分は非常に重要。そして必ず結果を残してのプロフェッショナルだと思う。それは指や手がちょっと動いたというレベルではなく、大切な作業ができるようになったということが作業療法士としてのプロフェッショナルだと思う。これもまた持論であるが結果がでなくとも、クライエントと限界を目指し続けるサービスがあるべきと思うが、それは作業療法なのかどうかということ(まあそれはこの問題と別の問題ではあるが)と、保健外診療なら許されると思う。保健内診療でやっているのであれば、そうして報酬が削られて行っている現状を考えるべきだと思う。

2014年4月12日土曜日

ご紹介

久しぶりに学生さんを担当しています。面接が面白くてしようがないです。信頼ということばは、「信」じられるということと、「頼」りにされるということです。その上で恊働関係を気付くということは、それ相応の知識と技術が必要になりますし、そのクライエントと共に歩む姿勢が重要ですね。

ところで


この方をご存知でしょうか?

Eleanor Clarke Slagle

初期のAOTAを牽引した方です。AOTAにはこの方の名前を冠する賞が存在します。過去には錚々たるメンバーが名を連ねています。(受賞者一覧はこちら

昨年度はGlenさんと言う方が受賞されました。彼が書かれた本(その時は上肢機能訓練についてですが)を読む機会が何度かあり、本当に素晴らしくOTのことを書かれる方だなと思っていました。

私の最も好きな文章が

From an occupational therapy perspective, function refers to using the upper extremity to support engagement in meaningful occupations.
Glen Gillen) 

私の古くからの素敵な友人の松原さんが、今週携帯にメールをくれました。とはいっても私は携帯をほとんど見ないので、数日後に気付くのですが(病院のPHSもしょっちゅう気付かないです 笑)。。
「今羽田だからあおうや」
ってこっちは仕事中やっ!

って感じでそんなメールがもう長いこと続いてます。どうやら、この度、彼女はアメリカのOT学会でA-ONEについて発表したようです。彼女はいつも海外です。そして、その内容をFacebookでGlenさんが紹介したようです。びっくりですね。

5月の作業療法臨床実践研究会で、彼女が話をしてくれます。楽しみです。勿論、急性期の河本さんの話は、全ての時期の方にOBPの可能性を示してくれます。

申し込みはあと数名。会場が100名しかホント入れないので、あとはキャンセル待ちになると思います〜。申し込みはこちら

2014年4月7日月曜日

事例あってこその事例本4(トリ)

昨年度末からずっと全力疾走して来たのでさすがにバテたのと、毎週末いない父親の償いとして子ども達そしてかみさんと週末からゆっくりしていました。傾斜角度がとんでもなくある砂山に昇ったり、バーベキューしたり。



ソフトバンクのガラケーはつながらないし、Pocket Wi-Fiもつながりが悪い地域なので、こういうネット環境が悪いところにいることも本当にいいですね。しかし、その間にとんでもないことが起きていたんですね。

「作業で語る事例報告」とんでもない早さで増刷決定!

ありがとうございます。これも皆様のお陰です。自分が本を書くようになるとは思っても見なかったのですが、自分は結果を重視するので、侍さんと編者3人で苦労した甲斐がありました。tomoriさん、琉球OTさん、侍OTさんでskype宴をしていたらしいのですが、生憎私はgmailがつながりにくくメールも見ていなかったので(笑)。しかし、外食中ブログをみていて、「あっこれ最後俺だな」と思っていたらメールやFBで催促されてました(笑)しかし、この本、ダフ屋みたいに高額で売っているのもあってドラクエか!って(笑)。高いお金を払わなくても事例本は逃げませんので大丈夫ですよ。

この本には、2ページでOTの様々な興味を引きつける仕組みがされています。ある意味ターミナル駅みたいなもので、興味にあわせてそこから自分の行きたい場所(やりたい学習)を深めることができる。その場合にはその成書を参考にすれば良いという、他の本ではあまりやらない他の宣伝みたいなことをしています(笑)。しかし、それが本質なのでしょう。

事例に関して真面目な話とキャッチーな話をします。

真面目な話
自分は一時期教員をやっていた時代があります。その時の学生の実習報告書等も見ていましたが、胸のもやもやがスッキリすることはありませんでした。これは、OBPの教育を目指す教員の先生方の多くがそう思っていらっしゃるのではないでしょうか?その後、臨床に戻り、さてどうしたものか。院内の事例検討や、学生さんが事例検討、そして、協会の新人教育プログラムの発表レジュメを作るする際に、スタッフもまとめることができない。言葉で説明してもダメだ。ですので、10年目位の年にお手本を作ってみました。CCSと似ていますね。すると、できなかったことができるんです。10年かかったのが1年位でできちゃう。真似すれば良いのですからね。学生さんも同様で、学校に帰った際のレジュメがこの形なので多くの先生に気に入って頂いています。ですので、当院のスタッフがこの形で書くことは全く新しくない。今後、この形が日本では全く新しくないと言えたら素晴らしいですね。

キャッチーな話
上述の話に続いて、要するにYDKなんです。


やればできるのにできないのは〜やればできるのにやらないのは、事例の書き方を知らない〜だけ〜♪

そういうことですね。この本は。

さて、もう読んで頂いた方、そしてまだ読んでいないけどこれから読むのを楽しみにしている方(届かなくてホントすいません お待ち下さい)、もう読んだけどこれからもっと読み込む方、本当にありがとうございます。最後に他の3人とは違ったことを言いましょう。
この事例本はクライエントと作業療法士はじまりと通過点でしかありません。真似て形作ることで、作業療法の事例報告のレジュメはできます。しかし、作業療法はそんなに単純ではないのです。それはまた次の話なのでしょう。

今回の本に関しては皆さんの輝かしい未来を祈ることと感謝の気持ちでいっぱいです


事例あっての事例本ですからね