2014年12月28日日曜日

今年1年振り返り

今年も終わりです。昨日、今年最後の講演(臨床実習指導)が終わりました。宮古に帰る前の友利さんのストッパーが外れていておもしろかったです(笑)。ちなみに昨日の講習会の内容をちらっと。
完全私見ですが、私は実習指導者としてこんな気持ちでやっています。




さて、30代最後の年は色々頑張れたかな。と思う年でもありました。学会立ち上げあり、臨床OTの理事と結束を深め、仲間との出会いあり、様々なことがありましたが、人生の中で記憶に残る1年です。皆様に感謝です。
初めてですが、1年の振り返りをしてみます。

1.講演

全国津々浦々、様々なところで、様々な講演や学校で授業をさせていただきました。振り返ると、15の講演、公式、非公式合わせて(笑)4大学8コマ(OSCE除く)の授業をさせて頂きました。
これまでは作業療法の実践の話でしたが、今年は管理運営、OT業界の行く末、研究、自動車運転、実習指導とかなり範囲が増えてきており、私自身も勉強になりました。たくさんのOTと出会え、素晴らしい時間を過ごすことができました。
お世話になりました皆様ありがとうございました。

                                                            撮影TKB

来年は、新しい重要なタスクがありますので、講演や学会のペースを抑え、多くとも1月に2回までとしようと考えています。ありがたいことに、1月は関東の病院で2回、2月は沖縄学会と車の運転について多摩で話をすることになっています。3月は京都の研究会の立ち上げに呼ばれています。新しくお話をいただいたら4月以降にお願いしようかなあと勝手に考えています。

2.学会

 まずは、第1回日本臨床作業療法学会が開催されました。皆様のおかげで、大盛況の船出を迎えることができました!2月には上江洲大会長の元に第2回が開催されます!楽しみにしてください。

                                               撮影 ryukyuOT

 個人的には3つの学会発表をさせていただきましたが、全て6月でした(笑)
 そして、英語の発表を2つさせていただきました。思い出深いWFOTを含め、非常に楽しい経験でした。常に発信する力を大事にしていきたいとともに、今後はどんどん海外で発信していきたいと思います。来年はとりあえず、NZを目指します!
 
 共同演者としては32演題でした。これは少々キャパ的に大変だったので、早急にスタッフの育成をしなければと思いました。

3.書籍

 その1
 OTIPMの訳に携わらせていただきました。OTIPMを理解するには最良だと思います。ご興味のある方はOTsolution?日本語のサイトで購入できるんじゃないかな?ちなみに元の英文も読まれることをお勧めします。

A.G FisherOccupational Therapy Intervention Process Model. Three Star Press. 齋藤さわ子,吉川ひろみ 監訳:作業療法介入プロセスモデル.2014


その2

Pedrettiの訳に携わらせていただきました。正直5年以上前に訳したのであまり覚えていませんが、光栄です。記録の書き方のところを訳していると思います。
 L.W PedrettiOccupational Therapy practice skill for physical dysfunction.宮前珠子,清水一,山口昇 監訳:身体障害の作業療法第6版.2014.協同医書

その3
上二つは、訳ですので、訳すだけです。大変ですけど(笑)
真打ちは、やはり事例本です。
この本を世に出すことに関われたことは、私自身もとても嬉しく思っております。常識破りの表紙などは、僕らの思いと会社側との折り合いについて、担当の方にかなり交渉していただきました。内容はひとえに、少しでも世のOTの一助となればと思い、書き上げた本です。学生指導に関しても、私はこの本のように書けば良い、と伝えます。もし、お持ちでない方は是非手に取ってみてください。



齋藤佑樹 編:上江洲聖,友利幸之介,澤田辰徳 編集協力:作業で語る事例報告.2014.医学書院 



4.研究論文


様々な論文を発表できました。僕は研究者には向いていませんが、趣味的に研究をやることと普通の研究者とは違ったモチベーションがあります。今年は過去最高に発表できた年でもあります。そういう意味では頑張れました。ちょっと振り返り、紹介したいと思います。


その1

365日リハについて書かせていただきました。研究ではなく総説的ですが、まあ研究ということになっています。休日リハにはエビデンスがまだまだ不足している状況です。興味のある方はご一読ください。

澤田辰徳,小川真寛:休日リハビリテーションの有効性に関する研究の分析.作業療法3311-232014


その2

依頼原稿という形で、作業行動学会での講演内容を書かせていただきました。これに関しては、米子の皆さん、沖縄の皆さんにはもう少し踏み込んだ話もさせていただきました。組織づくりのお話ですので、管理的に興味がありましたらご一読ください。僕の唯一の単著です(笑)。

澤田辰徳:Occupation Based Practiceが可能な組織作りのために.作業行動研究17(4)199-2012014



その3

作業療法の研究の興味の推移について書かせていただきました。テキストマイニングという手法について尋ねられる機会も増えました。この臨床OT学会はオープンジャーナルですので、誰でも手に入れることができます。興味のある方はちらっと覗いてみてください。

澤田辰徳,小川真寛,友利幸之介,齋藤佑樹,石橋裕:20世紀から21世紀にわたる日本の作業療法研究の推移-学術誌「作業療法」の論文タイトルにおけるテキストマイニング分析-日本臨床作業療法研究1(1)14-202014



その4

この前の作業療法に載せていただきました研究です。作業療法士が公共交通手段の評価や練習のどのような点に成果があるかなどについて書かれています。これについてもマイニングを利用しています。興味のある方はご一読を。

澤田辰徳,小川真寛,三木有香里,渡邉祥平,石橋裕:公共交通機関の利用練習の効果とその判定方法に関する作業療法士の認識‐自由記載式アンケートの分析‐.作業療法33(6)508-5162014






仲間と一緒に取り組んだ研究もあります

その1
筆者は今、子育てに勤しんでいますが、元教え子、今部下のできるOTです。協働できた事例について初めの説明が如何に肝心か?を詳しく述べてある論文です。作業療法の導入部分について詳しく書いてある研究はあまりありません。これもオープンジャーナルですので気軽に手に入ります。

江本知子,澤田辰徳:作業療法の説明と面接,作業療法士の姿勢に留意し,主体性と協働が促進された事例.日本臨床作業療法研究1(1)1-52014



その2

協会の研究助成をいただいて行った当院の元係長の研究です。クライエントからのニーズがあるのに練習や評価ができていない施設が3割程度あったことを示しています。業界として非常に切実な問題を提起した研究だと思います。

小川真寛,澤田辰徳,三木有香里,林依子,豊冨静香:公共交通手段利用に関するアンケート調査.作業療法33(3)292-3032014



その3

我らが友利さんの研究です。そして、僕とADOCprojectをつなげた研究です。これに携わるまで斎藤さんや上江洲さんと話をしたこともなかったですw。彼らと出会えたことは、人生を豊かにしてくれました。Top-downとBottom upを比較した回復期OBPのRCTです!思い入れの深い研究です。

Kounosuke Tomori, Hirofumi Nagayama, Kanta Ohno, Ryutaro Nagatani, Yuki Saito, Kayoko, Takahashi-Narita, Tatsunori Sawada, Toshio HigashiComparison of occupation-based and impairment-based occupational therapy for subacute stroke: a randomized controlled feasibility studyClinical Rehabilitation.



                                                                                              撮影 ryukyuOT

その4
彗星の如く現れた、当院の肉食系女子(笑)の論文です。COPMやAMPS評価のうえに、CIMTで使われる評価をcombineさせ、作業につながる機能回復練習を行った成果や課題について書かれています。共著の名前が豪華です。


唐松友,澤田辰徳,竹林崇,友利幸之介:課題志向型訓練とTransfer packageにおける上肢機能評価と作業遂行評価の特徴.日本臨床作業療法研究1(1):21-252014


その5
当院のロボティクス研究です。失調の定量的評価としてロボットの座標を参考に軌跡の変化を調べました。本症例研究では過去のstroke研究でも示されているような軌跡のばらつきの収束がみられました。複数症例でも今後様々な形での検討を目指したいと思っています。

青山敏之,金子文成,澤田辰徳,速水達也,青木信裕:ロボティックデバイスによる脳梗塞症例の上肢運動失調評価とその回復過程.理学療法学41(7):447-454,2014.




たくさんの研究発表を世の中に出せて、非常に有意義な一年でした。今まだ3本が査読中なので早く帰ってきてほしいなあと思います。来年も頑張りたいと思います。

5.さいごに

今年一年ありがとうございました。
皆様にとって来年が素晴らしい年になるよう祈念いたします!
そして来年もよろしくお願い致します。
来年も面白い出来事が起こる事(すでにいくつか予定がw。。。)になるはずです。

ちなみに私は31日までずっと仕事ですw。

2014年12月7日日曜日

11月〜12月

ご無沙汰しています。

長い旅路が終わりました。日記にしてみます。

11月
その1
吉備国際大学の大学院生の方にお話しさせていただきました。恐れ多かったです。あんなので本当に大丈夫か?と思いましたが、リクエストがあったので私の研究と作業モデルへの路線変更についてお話しさせていただきました。
籔脇先生と京極先生の強力なタッグを組まれている吉備国のActivityは本当に高いなあと感心しました。友人であり理事でもある籔脇先生が臨床OT学会の会員限定企画を立ててくださっているので本当にそれも楽しみです。

しかし、備中高梁、字が読めんかったw(たかはし)。勉強になりました。ありがとうございます。

その2
人生初の沖縄!
沖縄臨床作業療法実践研究会でお呼ばれしました。友人の東京出身の生粋の沖縄人、田村さんとその奥様のご依頼で伺わせていただきました。もちろん私のマブ、上江洲さんともご一緒させていただきました!飛行機が遅れ、本当にご迷惑をおかけしました!
内容はマネジメントの話で、かなり赤裸々に話しをさせて頂きました。これもあれでよかったか?とも思いましたが、少しでもお力になれたようでしたのでよかったです。
懇親会でも、子供同伴w。吉岡先生とその学生さん、仲間さん、そして、キングコングの仲地さんみなさん本当に楽しいところありがとうございます!

高校時代から行きたいと憧れた沖縄は本当にめちゃくちゃいいところでした!まじで。
言い出したらきりがない。絶対また行く、って2月に行くけど。
比嘉さんがかみさんに教えていただいたハートロックよかったっす!しかし、ふりっぱー苦労して見つけたのにキッチン改修中で休み〜〜。また来ます!



その3
ADOC福岡
これはもう祭りですねw。いつもの仲間でワイワイと。ってか、打ち合わせもしていないのに、だいたい流れができているというのは友利さんのコーディネートとうちらのツーカーって感じだからだろうなって思いました。みなさんのプレゼン力は本当にすごいなぁ。といつも勉強させていただいています。
個人的には、TKBさんがキャッチーなのが嬉しかった。彼が少しでもあの場を戦いの場から帰ってきたHOMEって感じになれば嬉しいなって勝手に妄想しながら聞いていました。

なっちゃん、西尾さん幹事ありがとうございました!明太子とクロワッサン、間違いなく家族ホクホクでした!ちなみに俺は枝豆を食っていただけです。

その4
茨城県大での授業。
年1で授業しています。僕の役割は臨床でのOTの専門性を伝え、学生さんにOTっていいなって思ってもらうことです。ノートは取らなくてもいい。記録より記憶に残る授業。それを心がけています。今年は最高に泣いていましたw。まあ河本さんの動画だけどw。
ところで、リアクションペーパーで毎年実習の内容を聞くのですが、少しずつOBPが増えていっていますね。作業の言葉が全くないっていうことが減ってきました。これも時代の変化です。嬉しいです。なぜか「友利」という単語も入っていたw。彼有名人ねw。

その5
運転の講演してまいりました。岡山のS先生、中伊豆のK先生方といった名だたる方々一緒です。運転の講師は初めてだったので不安でしたが、まあなんとか終わったという感じです。他先生方のお話を聞いてまだまだブラッシュアップできるなあと思いました。 しかし、質問の多いこと多いこと。皆様のモチベーションに感謝です。

さて、今年も残すところあとわずかです。
あとは、研究と年末に神奈川県士会のご依頼で実習指導について話をさせていただきます。私の実習指導方法についてお話しさせていただきます。僕が最近学生さんを担当すると、大概就職しますって有頂天になっていますw。ちなみに友利さんも一緒です(ってことは12月4回会うな。。。笑)
申し込み方法はこちらに書いてあります。


そして、来年、ご存知臨床OT学会!沖縄です!
ぜひみなさんご参加ください。内容もそうですが、沖縄はいいところだ!!!!
申し込みはこちら


さらに私の出身県岐阜の山口先生が発達で画期的な取り組みをされています。下記に紹介されていますね。興味のある方はぜひご参加を!

実はその日曜?か何かに私も今日と作業療法臨床実践研究会?の立ち上げでお話しさせていただく予定です。こちらもご興味のある方は。。といいつつ申込先がわかりません(爆笑)

長文失礼をいたしました。


新しいリハビリテーションの扉をひらく
『もっともっともっと未来につながる療育を子どもたちに今すぐ届けたい!!!!!』 ~子どもの学校や家庭生活に効果を届ける『臨床』パワーアップ講座~

OTMAGは平成23年より療育関係者の実践力向上を目的とした研修会を重ねてきました。今回は、こどもたちやこどもと関わる人たちの生活や環境をRICHにする実践や取り組みで有名な超実力派講師をお招きし、講演およびシンポジウムを行います。講師にはこどもや家族の地域生活に効果をつなげるための実践やその背景等をお話して頂きます。受講する皆様の「実践力」を最大限に引き出し、こどもたちの自己実現や社会参加をパワーアップできる内容です。是非ご参加ください。

<講師>  
仲間 知穂 氏(琉球リハビリテーション学院・作業療法士)
「みんなで決める子どもたちの目標 ~ADOC-S~」
高塩 純一 氏(びわこ学園医療福祉センター・理学療法士)
「子どもが子どもらしく生きていくための支援 ~デバイス等~」
村上 潤 氏(NPO法人ポップンクラブ 代表理事)
「限りなく日常に溶け込んだ環境支援と姿勢保持技術 ~キャスパー・アプローチ~」
竹林 崇 氏(兵庫医科大学附属病院・作業療法士)
「エビデンスに基づく課題志向型運動療法 ~CI療法とトランスファー・パッケージ~」

日時:平成27年3月7日(土)・8日(日) 
定員:300名(先着順) 
場所:県立岐阜看護大学講堂
(新幹線で東京駅より130分・新大阪駅から70分 岐阜羽島駅より徒歩15分 岐阜羽島ICより車で1分)
対象:保育・教育・療育関係者、作業・理学療法士・言語聴覚士(学生を含む) 
参加費:  全日:4000円(学生3000円)  
1日のみ:2000円(学生1500円)
当日:4500円(1日のみ2500円)

申込み:メールか「こくちーず」より受け付けます。http://kokucheese.com/event/index/198721/ 
(「こくちーず」「OTMAG」で検索)

メール:otmag2015@yahoo.co.jp
タイトルに「研修会申込み」とし、①氏名(ふりがな)②職種 ③所属 ④連絡先(PCメール・電話番号)⑤参加日(全日・7日のみ・8日のみ)を記載の上ご応募下さい。メールを受け付け次第、受講決定通知をメールにてお送りします。

締切:平成27年2月28日(日)
 主催:OTMAG SEKIGAHARA project
    (Facebookページ「OTMAG」に動画を掲載しています)



2014年9月15日月曜日

アツい鳥取、アツいこれからの日本

昨日は第4回YMCA米子学術集会にお呼ばれしてまいりました。特別講師がもう一人いらっしゃり、それは沖縄の田村さんだったので、僕はいわゆる普通の回復期ということで、オーソドックスから変える作業療法というタイトルで話をさせて頂きました。組織をどう作って来たかっていう内容ですが、この内容はそうそうどこでも話せないので、沖縄を最後にお蔵入りの予定です。

私の内容はどうでもいいのですが、田村さんの「まちづくり」の概念は非常に勉強になりました。地域に作業療法を行い、地域をマネジメントすると言う、そして、めちゃくちゃポジティブ。その思いは原田さんも一緒でした。シャッター通りへの作業療法、皆さんはどうしますかね?
彼らは僕より若い方ですが、ホントにキャリアに関係なく世の中には凄いOTがいたもんだな。と思います。まだまだ日本も広いな。世界はもっと広いんだろうな。

私は、臆病者ですので絶対出来ませんが、お二人のような起業家の大変な責任と信念にただただ感服するばかりでした。しかし、YMCAの卒業生や鳥取の方はこういう方が多いようですね。凄いです。これにもびっくり。鳥取はアツいなあって思いました。

T先生のコーディネートも素晴らしく、勉強会もこれからも継続して頂きたいと心から思いました。是非、鳥取臨床作業療法研究会みたいなものを立ち上げてもらいたいですね(笑)



頂いたお土産ありがとうございました!
(トリピーは鳥取県のマスコットキャラクターです)

さてさて、今年もラストスパートです。鳥取の最中にお話も進行しました。今年は色々回らせて頂きます。気を引き締めて頑張ります。

10月18日 東京都士会の研修で脳卒中について話をさせて頂きます。普段慣れない疾患モノだ〜。TKBさん助けてくれw。
11月1〜2日 Center for Innovation OT Solution Koreaの10周年記念および大学の学園祭でなんと。。お話の依頼が来ました!緊張しますが頑張ります!その際に臨床見学もさせて頂くことに、これめっちゃくちゃ楽しみです!!!
11月22日 沖縄作業療法臨床実践研究会で組織作りのお話をさせて頂きます!初の沖縄!これもめっちゃくちゃ楽しみです!
11月29、30日 ADOCproject福岡でお話しさせて頂きます!ここでは、うまく行けば現在開発中の評価表を初公開しようかな!?なんて考えています。
12月13、14日にAMPSブラッシュアップセミナーを研究でさらに当院で行います。興味のある方がいらっしゃいましたら、コメントなり連絡なり下さい。まだ若干空きがあります。
予定ではありますが、12月27日の年末真っ只中の時に、神奈川県士会のお誘いで臨床実習指導についてお話しするかもしれません。これはtomoriさんもご一緒する予定です。

これからもよろしくお願い致します。

2014年9月11日木曜日

自動車運転はお好きですか?


最近車の運転の支援について、盛り上がって来ていますね。
日本のスタイルは独特ですが、その中で統一したものが出来上がることを望んでいます。
車の運転はクライエントの社会参加を促す重要な要素の一つですし、
逆に一般の方の社会を守る為のものでもありますので、作業療法士が関わる大事な領域だと思っています。

さて、研修会の案内です。
日本の運転支援を頑張っているトップランナー達が講師を務める、
作業療法士による研修会が開催されます。興味のある方は是非ご参加下さい。
会場も新大阪駅真ん前です。

自動車運転支援研修会(基本編)

日 時:20141025日(土)~26日(日)2日間(1日目10時開始) 
会 場:大阪医療福祉専門学校(大阪市淀川区宮原1-2-14)
参加費:
8,000
定 員:
100
講 師:藤田佳男先生(目白大学)
    加藤貴志先生(井野辺病院 総合リハビリテーションセンター)
    末綱隆史先生(井野辺病院 総合リハビリテーションセンター)
    酒井英顕先生(岡山リハビリテーション病院)
    小倉由紀先生(千葉県千葉リハビリテーションセンター)

主 催:作業としての運転~自動車運転支援研究会~ 
申込方法:以下の内容を記載のうえ,E-mail にて.

1氏名,2所属,ご連絡先として3E-mail 4電話番号 

申込・問合せ:松原麻子(広島市立リハビリテーション病院)

電話 082-849-2866
Email:aoneasacom@yahoo.co.jp 

2014年9月6日土曜日

思いつき

ふと思いついたことをつらっと書きます。

先日えらい人からアイデア豊富だと言われました。

うん、確かにアイデアは良く出ますが、それ自体は特に難しくないですね。
人がやっていないことで、多くの人が幸せになることを考えればいいだけなので、
特に難しくはない。

難しいのは2点あります。

1点目はそれを実現可能にするプランを立てること。
実現不可能なことは夢物語で、そこで終わるのは僕は好きではありません。

話はそれますが、
臨床でも、クライエントの思いを聞く、セラピストが勝手に判断するなとありますが、
もちろん大前提はそうであるんですけど、いくら聞いたところで実現できなけりゃ。と思います。僕は超現実主義なので(でもオバケは嫌いです)

2点目は実現する為の自分の思いのバランス
良く言いますが、社会はそんな正論ばかり通るものでもないので、
自分の思いをどこまでしなやかにってことですかね。
曲げられないものは絶対に曲げませんので。

マネジャーや管理を少しでも担う人達は、できないと言われていること、どうやったら自分の思いを曲げずにうまくできるようにするのか?という成果が問われると思います。



2014年8月23日土曜日

PTによる地域の活性化

本日は、町田健康サポートさん主催の講演におよばれして参りました。
町田健康サポートとは、下記写真の「からだ康房」さんの理学療法士、K夫妻が代表を務める地域のための健康サークルみたいなものだそうです。
Kさん(旦那さん)は私の大学時代の後輩で、今は起業して介護予防に力を入れていらっしゃる方です。とんでもないバイタリティです。僕はこのように医療保険に頼らないサービスを展開している人達を心から尊敬しています。本日はお子さん達を保育園に預けての開催だそうです。本当に脱帽です。

本日は記念すべき100回記念だそうで、彼らのクライエントなど40名以上の方に来て頂けました。



本日のテーマは作業療法の視点から生活を見直すという話でした。K夫妻共々、作業療法をうまく説明できない、昔の職場はPTとOTの境が無かったという話だったので、私なりにわかりやすく作業療法、作業の概念を説明させて頂きました。参加者の方々はおおよそ作業療法が伝わったようで、講義中の笑い、うなずき、質問等とんでもなく、楽しく活発に話ができ、皆さんにも助けられて久しぶりに会心の話ができたなあと思いました。




一番感心したのは、終わった後に参加者の方が何名も残って何かをしていらっしゃいました。見ると、K夫妻も関わりながら、ダンスのポンポンを作っていらっしゃるとのこと。地域の方達が集まってグループを作るお手伝いをしているそうです。今回は市がやる催し物でダンスを発表するとのこと。他のグループは、太極拳とかをしているけど、このグループではキレッキレのダンスを疲労する予定だそうです!高齢化を感じさせない、これこそ介護予防っていうことらしいです。凄いです。

地域を変えて行く。こういう力を持ったPTがいることに本当に感動しました。Kさんはこうも語りました。「健康サポートも、参加者の方々が自分たちで講師を呼んでくるようにしたい」。まさに主体参加と介護予防、地域の活性化。全てが素晴らしい。私も勇気をもらって頑張りたいなと思います。

町田には地域を大切にする素晴らしいPTが存在します。

2014年8月20日水曜日

ボトムアップが悪い訳じゃない

アツさが厳しいです。

私はトップダウンを推奨しています。
OTはトップダウンの方がうまく行くとも思ってはいます。

しかし、ボトムアップが悪い訳じゃないんですよね。
どっちが良いとか悪いとか、そういう問題でもないと思う。

時にはボトムアップの方が解決が早かったりするかもしれないし、
それを得意とする人だっていると思う。
動かない手が動くようになって、ニードの10個が一気に解決したら話は早い。

仮に機能訓練が作業療法の仕事ではないとして、それを放棄したとすると、
それはOTにもCLにも良いことは無い。
最終的に作業が達成されたか?といった作業との関わりがあるかどうか?
それが重要だと思います。

CLを含めた他者に作業療法がこういうものだといって説明することも非常に大切です。
しかし、時にはそれが伝わらないこともある人もいるでしょう。
それが、評価結果だと思います。

うまく作業に対して考えることができない状況かも知れません。

尊敬すべきOTにいわれた言葉がなるほどと思いました。

「作業療法は見て判るものではなく、体験してその重要性が判る」

人は千差万別。

ボトムアップで、機能訓練で機能があがった際に作業とのつながりを経験して、
初めて作業療法の本質が判る。そんな作業療法は全然アリだと思います。


2014年8月11日月曜日

理想と現実

ご無沙汰しています。アツいですねえ。

最近色々な読み物などを見て思ったので書きます。自戒も込めて。

理想論は大切ですよね。個人でも組織でも。
現実をどれくらい理想に近づけるかに、皆悪戦苦闘していると思います。
OBP目指している人なんて言われ無くったって頑張ってるよ。

色々な悩みはあるだろうけど、多くの人が組織の構成員ですね。そして上司がいる。
作業療法士の多くが病院などで常勤で働いている。権力なんてほとんどないところでどうやって理想をやれって言うんだよ。って多くが悩んでいると思うよ。
自分もそう。だから好き勝手に色々言うのはやめてくれよ。
今この環境で悩んでるのは自分なんだよ。だから悩んでいる人の状況はonly one
一般論の理想論がすぐに適応できるはずも無いさ。

私が思うのは、いつも言うだけは簡単。
実現はその何億倍も難しい。

自分ができたから他もできるだろう?って言う人がいる。(これ自分w)
自分はこうやってやった。って言う人もいる。(これ自分w)
でもこうやったらこうできるんじゃない?って教えてくれる人はそうはいない。

一つ言えるのは理想の押しつけは良くはないよね。一期一会で。

っと思っていたらそういうテーマでやるんだった。がんばろ。
この勉強会も次の書籍も。



2014年6月14日土曜日

臨床と教育とのコラボ

おはようございます。本日は2nd OTIPMシンポジウムで発表です。WFOTの準備も終わったし、来月の講演準備と研究をしようかなと思いつつ、ブログ書きます。しかし、午前中お父さん参観日でおんぶしながらリレーをせねばならんらしいですw。いや何とかならんのか?ならんな。

さて、先週訪問リハ学会(熊本)で発表してきましたが、更新する暇がありませんでしたw

ヒトコト言うなれば、僕は急性期では訪問リハを併設すべきだと思っています。



さて、今日は今週もお会いする私のマブダチ友利さんのBlog 屋根瓦方式OBPにリレーしたくなったので乗っかります。

最近、いろいろ学校で授業をさせていただくことがあり、本当にありがたいです。学生さんとお話することは正直向いているなあと思います。病院とは違って、いい人でいられるので(笑)。友利さんはお褒めいただいたのですが、今回の授業の構成は自分自身、気に入っていないところがあり、ぜひまたリベンジさせていただきたいです。

私は授業では、あんまり引用とかしません(あっ講演もか?w)。そこは学校の先生がしてくださっているので、それをどう実践するかが私の役割だと思うからです。そして、失敗例を話します。皆さんそれで気付きが生まれると思っています。「ああこういうOTがやりたい」っと思ってくださる学生さんが少なくなく、つまり、教育が生きているということです。しかし、申し訳ないのですが、教育より臨床のほうが説得力が有る場合が多い。臨床を目指す職業なのである意味しょうがない。だから、教育で作業を大切にと教えても、臨床でやってなければ逆転現象が起きてしまう。

自分は教員をやっていた時、教育しても学生が臨床実習でOBPができないって悩むという壁にぶつかって、教員に戻りました(過去の記事参照)。

当院はまだできて5年の若い病院です。しかし、50数名に膨れ上がった作業療法部門ほぼすべてのOTのが作業を大切にすること、トップダウンを目指す形になりました。はじめは60名近くいるPT、OTの、ST職員のほぼ全員が新人で、バリバリの医学モデルでしたから、まあそりゃ苦労なんてもんじゃないです。上層部の仲間と眠れない夜を過ごしたのは本当に数日とかという話でなく、1年とかでは済まされないほどです。

そして、実習でもボトムアップ教育で全くトップダウンを知らない養成校からも実習を引き受けていましたが、学生さんも大変ですし、私達も大変ですし、やめにしました。私はめちゃくちゃ苦労して仲間と一緒に苦労したということ、そして原点に帰れば、悩んでいる学生と教員のために臨床に戻ったことから、単なる実習地の一つとして当院を考えるにはOT業界にとって良くないなと思ったからです。

他の学校さんでもコラボしていましたが、友利さんとの学校とは初めてでしたし、彼とでしたら確実に良いコラボができると思っていました。そして、去年うちのスタッフに「いつも勝手に実習いっぱいOKしてきて、見るのは私達ですから」って怒られて(笑)、まあ確かにその通りだったので、じゃあ今年は見るよ。といって久しぶりに学生さんを担当したわけです。担当クライエントはゼロでしたけど(笑)。

学生さんはほぼ放置でしたのでダメですねw、しかし一緒に悩みますね。アドバイスもします。そして、私が失敗したこともひけらかして共有する。僕も昔若かりし頃何もわからず、学生さんによく見せようとしたことがありますが、あれは間違いだったと思います。自分ができると思わせようとせず、ありのままをみせればいいと思います。
 実習で作業療法は作業を大切にするのだ。面接をするのだ。とか、基礎は学校で教えてくれているので、僕らはそんなところを教える必要は全くない。そして、作業を大切にする学生さんであれば、日々が楽しくなるようです。ぶっちゃけデイリーレポートなんてどうでもよい。自分が分かる形でノートをとったり、さらなる自己学習をすれば良い(ポートフォリオっていうやつですね)。いつものように、レポートは過去の実習生たちのレポートは最初から提示、レジュメは今までは過去の実習生の見て!だったんですけど、今度からは「事例本真似して」って言うだけでした。学生さんに「そう言われると思いました」と言われたw。
結果、主体的に下の学生さんに伝えるモチベーションが湧いたことは嬉しい限りです。しかし、それは彼女の力であり、私の力じゃない。自分でそうなっただけですからね。

臨床OT学会で、本当にたくさんのセラピストが大切な作業療法を支援する臨床をされていることがわかりました。このようなLinkを広げていきたいですね。

長くなってすみません。最後まで読んでいただきありがとうございました(最後まで乗っかる)。



2014年5月30日金曜日

大切な作業を実現するための手の練習は遅くても良いのではないか?

入院から手を引き、訪問からも手を引き、結局残ったところは外来ということで、最近は外来をやらせて頂いております。当院では短期集中型の商品を作りました。生活機能再建型上肢機能外来という一応ネーミングがありますが、多分自分以外知りません(笑)
新人スタッフは僕を手の人だと思ってるかもしれませんが、私は手のPTはやっていません。手のOTをやっています。それが必要な状況であるからやっているだけで、他の状況ではOBPonlyということもよくあります。

ところで、第1回臨床OT学会の学会長講演でも大切な作業を実現するための手の練習はアリ。という話をしました。
最近当院の状況を見つつ、上席の人達と話をするのですが、大切な作業を実現するための手の練習は入院中じゃなくてもいいのではないか?と思っています。もちろん、入院中に結果が出れば良いのですが、結果が出ない場合もたくさんあります。それはみなさんも経験しているのではないでしょうか?入院中にやるなということではなく、大切なことを支援してからでも遅くはないのでは?ということです。

私は、クライエントが望む作業の実現のために、入院中はもっとやらなくてはいけない優先順位が高いものがある場合が多い気がします。例えば、パーソナルなADLであったり、家族のための家事であったり、仕事であったり。。

それらは退院までに必要とされることであるかもしれないし、退院までに絶対やっておかなくてはならないこともあると思います。文脈をたどれば、その作業は絶対可能にならないといけない。ということはあると思います。そして、それは手を使わないとできないこともあるでしょうが、手を使わなくてもできることもあるでしょう。

手が良くならないと前に進めないということもあるでしょうが、僕らは専門職として手が良くなることを否定するのではなく、大切な作業の実現のためにどのようなステップを取ることが最も効果的なのかをクライエントに示してみる必要があると思います。

大切で可及的に介入しなくてはいけないものが何なのか、パートナーとして、時に灯台としてクライエントを明るく照らしてあげる必要があると思います。あくまで進むのはクライエントであり、私達は伴走者ですが。

OTは自分に技術がないから、もっと頑張らなくてはという気持ちがあるかもしれません。だからといって、大切な作業を支援しないままに終わってしまうと、OTには心にわだかまりが残りますが、クライエントの生活にはとんでもない支障が出ることもよくあります。自分のbestで何ができるのか?作業を支援すべきではないでしょうか?

大切な作業を実現するための手の練習は焦らなくても良い気がします。


2014年5月23日金曜日

normalとabnormalの架け橋

今週頭に浜名湖へ釣りに出かけたついでに、元職場におじゃましてきました。その際に、日頃より実践研究会や臨床OT学会でも大変お世話になっているお仲間の方々が運営に関わっているNPO法人えんしゅう生活支援netさんが運営するLa la Cafeさんへおじゃましてまいりました。このNPO法人さんは高次脳機能障害の方の就労などを支援されており、OTが中心となってされています。かねてからこの法人さんのことはよく存じ上げていましたが、実際の運営を一度も見学してなかったので、一度は来てみたいなあと思っていました。


中に入ってみると、普通におしゃれなんですね。理事の方々のセンスは存じ上げていましたので、さすがだなあと思いました。何が言いたいかというと、普通の店なんですよ。それで、特に高次脳機能障害を支援しているなんて文言が店に全くない。この後理事長さんと話をさせていただきましたが、昔は書いていたけど、なくしたそうです。そうする意味が無いということで。

店員さんの1人が私の教え子でもあるOTRでしたので、まあ彼女の言われるがまま、じゃあそれでって感じでカレーを頼みました。これがまた普通にうまい(笑)。野菜はシャキシャキ、エビはプリプリ。そしてスプーンもおしゃれ。


食べ終わって、店内を見回していると、いろんな店員さんが。よーく見ると、体がちょっと不自由な人や一生懸命掃除をされている方、一つ一つ報告をされている方、外で接客をされている方。皆さんが、自身の得意な分野などをされているんだろうなと思いつつ、一般の人達には多分気にしないだろうな。と思いました。これがまた良いと思います。



そうのこうのしていたら、すぐにケーキが。抹茶と小豆のケーキ。これ自家製かな?これがまたうまいのさー。私の好みです。このミントって自家栽培かね?


最後に、何かあやしい機械を見つけたので、聞いてみたら、理事の方の趣味で栽培して、今後店に出すようですよ。まあその理事の先生も存じ上げているので、あーやりそうやりそうって思いながら見てました(笑)。非常に環境と立場の使い方が上手いなあと思いました。しかし、利用者さんにはまだ秋があるようだということに驚愕しました。うちの近くにあれば頻繁に送るだろうに。。。

さて、総じて思ったことがabnormalとnormalの架け橋だな。と思いました。普通の世界(社会)に参加していく。ここにはもちろん機能訓練は存在しない。理事長が臨床OT学会の控室で、OBPonlyは福祉の世界ならできると言っていた理由がよくわかりました。
私は病院で働いています。病院の環境はあらゆる意味で社会の中でabnormalです。しかし、退院後に自宅に戻ってからはnormalの社会に適応することを求められます。私は、OBPができそうな病院として知られるところでずっとやってきていますが、結局abnormalの環境(病院)である限り、限界は必ずあります。そして、僕らの考え方自体もnormalではなく、abnormalになっていると思います。表現は悪いですけど、いつも当院のスタッフに話しているのはたかだか入院期間の残り1〜2ヶ月で就労支援が完結できるほど甘くはない。一般企業でも、病院でも五体満足の人が就職試験に落ちることは普通にあります。そのような時代に手足が動きづらい、高次脳機能障害を負ってしまった方を雇おうとする企業は当たり前に多くないのは自明の理です。だから、僕らはその困難さ、社会の壁の厚さを十二分に理解して、社会参加の支援をしなくてはならないと思います。

そのためには、こういうabnormalとnormalの架け橋となるような素晴らしい取り組みをしている機関を有効利用をすべきだと思います。就労支援をはじめとしたこのような支援が進まない理由は、医療職が社会資源を知らなさすぎるのが一番の功罪だと思います。特に私達OTは近隣の社会資源を熟知し、支援のバトンをつなぎ合わせることがクライエントを苦しめないための責務だと強く感じました。

2014年4月29日火曜日

プラトーはセラピストのプラトー

ひょんなことから、主夫をしております。あっもちろん仕事も。

この前実家に帰った時に、数十年ぶりに裏山に登りました。センチな気分です。

さて、ひょんなことでスタッフから相談がありました。プラトーはセラピストのプラトーとも言えるから機能訓練を推奨する教育したっていいじゃない?
の議論を一部のスタッフと私も入れて明日行うそうです(笑)。

めがね論としてはあんまりこの議論はしたくないんですけど。。このことは15年以上前から言われていた。

まあ、全ての人が完全に良くなる訳ではないというのが一般論ではあるが、機能回復は絶対しないと言い切れる訳でもなく、機能回復は絶対すると言い切れる訳でもなく。医療職である限り機能回復のために全力を尽くすのは責務でもある。

ただ、自分の経験だと、機能回復のみに全力を尽くした結果、たいして機能回復もせず、その後にクライエントが不幸になった経験も沢山しちゃいました。うん。私の機能訓練の実力ってこんなもん。だからこれは自分のプラトーだ。すいませんと素直に認めてしまう。だから、プラトーはセラピストのプラトーに何の反論の余地もない。

一方、僕らのほとんどは限りある時間の中で作業療法を展開しなくちゃいけない。急性期、回復期、維持期だってそう。保健診療で働く限り、時間と資源は有限。自分は回復期で働いているけど、最長でも6ヶ月。その間に在宅で意味のある作業に従事できるよう支援する。機能回復に6ヶ月全力でやってしまって、仕事に戻れない、家事ができない。車の運転ができない。etc…..

だから自分はクライエントに作業療法を通して幸せになって欲しいから、機能回復の技術も学ぶけど、それ以外にも作業系はもちろんのこと、クラフトの使用方法を学んだり、ATを学んでハンダゴテでこちょこちょやったり、運転の知識を身につけたり、保険の知識を得たり、就労支援の知識を得たりなどなど。色んな角度から支援したいから、色んな勉強をこれからもしていくんだと思う。

機能回復と言えば、自分の尊敬すべき友人TKBさん(AKBみたい 笑)なら、自分より遥かに機能を回復する戦略を持っている。でも僕はクライエントの限りある時間でTKBさんにはなれない。逆に彼も僕にはなれない(まあなりたくもないだろうけど 笑)。自分より優れた人を目指してやるが、その人になれるわけじゃないんだなあ。でも作業に関するアウトカムなら同じ結果が出せるかもしれない。
結局すべては結果次第。だから、機能訓練推奨したって結果が残ればいいんじゃねえ?作業ができれば。プラトーだのプラトーでないだのという視点でもう物事を見なくなったのでこの議論には個人的にはあまり興味が無い。しかし、参加しろというならするしか無いね。プラトーの視点を伝えるのも良いが、他の視点も伝えてあげて欲しい。

そして、一つ言えるのは患者さんはセラピストの実験台ではないということかな。やるに関しても時間配分は非常に重要。そして必ず結果を残してのプロフェッショナルだと思う。それは指や手がちょっと動いたというレベルではなく、大切な作業ができるようになったということが作業療法士としてのプロフェッショナルだと思う。これもまた持論であるが結果がでなくとも、クライエントと限界を目指し続けるサービスがあるべきと思うが、それは作業療法なのかどうかということ(まあそれはこの問題と別の問題ではあるが)と、保健外診療なら許されると思う。保健内診療でやっているのであれば、そうして報酬が削られて行っている現状を考えるべきだと思う。

2014年4月12日土曜日

ご紹介

久しぶりに学生さんを担当しています。面接が面白くてしようがないです。信頼ということばは、「信」じられるということと、「頼」りにされるということです。その上で恊働関係を気付くということは、それ相応の知識と技術が必要になりますし、そのクライエントと共に歩む姿勢が重要ですね。

ところで


この方をご存知でしょうか?

Eleanor Clarke Slagle

初期のAOTAを牽引した方です。AOTAにはこの方の名前を冠する賞が存在します。過去には錚々たるメンバーが名を連ねています。(受賞者一覧はこちら

昨年度はGlenさんと言う方が受賞されました。彼が書かれた本(その時は上肢機能訓練についてですが)を読む機会が何度かあり、本当に素晴らしくOTのことを書かれる方だなと思っていました。

私の最も好きな文章が

From an occupational therapy perspective, function refers to using the upper extremity to support engagement in meaningful occupations.
Glen Gillen) 

私の古くからの素敵な友人の松原さんが、今週携帯にメールをくれました。とはいっても私は携帯をほとんど見ないので、数日後に気付くのですが(病院のPHSもしょっちゅう気付かないです 笑)。。
「今羽田だからあおうや」
ってこっちは仕事中やっ!

って感じでそんなメールがもう長いこと続いてます。どうやら、この度、彼女はアメリカのOT学会でA-ONEについて発表したようです。彼女はいつも海外です。そして、その内容をFacebookでGlenさんが紹介したようです。びっくりですね。

5月の作業療法臨床実践研究会で、彼女が話をしてくれます。楽しみです。勿論、急性期の河本さんの話は、全ての時期の方にOBPの可能性を示してくれます。

申し込みはあと数名。会場が100名しかホント入れないので、あとはキャンセル待ちになると思います〜。申し込みはこちら

2014年4月7日月曜日

事例あってこその事例本4(トリ)

昨年度末からずっと全力疾走して来たのでさすがにバテたのと、毎週末いない父親の償いとして子ども達そしてかみさんと週末からゆっくりしていました。傾斜角度がとんでもなくある砂山に昇ったり、バーベキューしたり。



ソフトバンクのガラケーはつながらないし、Pocket Wi-Fiもつながりが悪い地域なので、こういうネット環境が悪いところにいることも本当にいいですね。しかし、その間にとんでもないことが起きていたんですね。

「作業で語る事例報告」とんでもない早さで増刷決定!

ありがとうございます。これも皆様のお陰です。自分が本を書くようになるとは思っても見なかったのですが、自分は結果を重視するので、侍さんと編者3人で苦労した甲斐がありました。tomoriさん、琉球OTさん、侍OTさんでskype宴をしていたらしいのですが、生憎私はgmailがつながりにくくメールも見ていなかったので(笑)。しかし、外食中ブログをみていて、「あっこれ最後俺だな」と思っていたらメールやFBで催促されてました(笑)しかし、この本、ダフ屋みたいに高額で売っているのもあってドラクエか!って(笑)。高いお金を払わなくても事例本は逃げませんので大丈夫ですよ。

この本には、2ページでOTの様々な興味を引きつける仕組みがされています。ある意味ターミナル駅みたいなもので、興味にあわせてそこから自分の行きたい場所(やりたい学習)を深めることができる。その場合にはその成書を参考にすれば良いという、他の本ではあまりやらない他の宣伝みたいなことをしています(笑)。しかし、それが本質なのでしょう。

事例に関して真面目な話とキャッチーな話をします。

真面目な話
自分は一時期教員をやっていた時代があります。その時の学生の実習報告書等も見ていましたが、胸のもやもやがスッキリすることはありませんでした。これは、OBPの教育を目指す教員の先生方の多くがそう思っていらっしゃるのではないでしょうか?その後、臨床に戻り、さてどうしたものか。院内の事例検討や、学生さんが事例検討、そして、協会の新人教育プログラムの発表レジュメを作るする際に、スタッフもまとめることができない。言葉で説明してもダメだ。ですので、10年目位の年にお手本を作ってみました。CCSと似ていますね。すると、できなかったことができるんです。10年かかったのが1年位でできちゃう。真似すれば良いのですからね。学生さんも同様で、学校に帰った際のレジュメがこの形なので多くの先生に気に入って頂いています。ですので、当院のスタッフがこの形で書くことは全く新しくない。今後、この形が日本では全く新しくないと言えたら素晴らしいですね。

キャッチーな話
上述の話に続いて、要するにYDKなんです。


やればできるのにできないのは〜やればできるのにやらないのは、事例の書き方を知らない〜だけ〜♪

そういうことですね。この本は。

さて、もう読んで頂いた方、そしてまだ読んでいないけどこれから読むのを楽しみにしている方(届かなくてホントすいません お待ち下さい)、もう読んだけどこれからもっと読み込む方、本当にありがとうございます。最後に他の3人とは違ったことを言いましょう。
この事例本はクライエントと作業療法士はじまりと通過点でしかありません。真似て形作ることで、作業療法の事例報告のレジュメはできます。しかし、作業療法はそんなに単純ではないのです。それはまた次の話なのでしょう。

今回の本に関しては皆さんの輝かしい未来を祈ることと感謝の気持ちでいっぱいです


事例あっての事例本ですからね

2014年3月29日土曜日

Startしましたか? 第1回日本臨床作業療法学会回顧

第1回日本臨床作業療法学会が終了しました。
発表された皆さん
参加された皆さん
ありがとうございました!

参加したかったけど満員で参加できなかった皆さん
すいませんでした



会場の演題は作業ばかりで、本当に目を疑いました。
自分が初めて作業について実践しようとした時、そして、それを学ぼうとした時、教えてくれる人もいないし、理論背景を元に実践している人はいなかった。COPMって学会発表しても、見る人もほぼ無く素通りされる。そんな時代だった。

それが、今、このような形になるなんて、全く想像していませんでした。参加したみなさん。応援して下さった方々のおかげです。本当にありがとうございました。




この学会を立ち上げる時、日本全国で頑張っている中堅?OT達が、それぞれ、バラバラでやっている。その力を一つにすれば、何か面白いことが起きるのではないか?と思った。


(写真提供 ryukyuOT)


そして、色んな人が気楽に発表できる、敷居の低い学会、しかし、レベルの高い発表も受け入れられるSD(標準偏差)の広い学会、つまり幅の広い学会ができれば良いなっと思った。
終了時のアンケートに、学会としてもう少しレベルが高い方が良いのでは?といった趣旨のご意見を頂きました。おっしゃる通りです。学会長講演で話をさせて頂いたように、作業療法には科学性がまだまだ足りません。しかし、私は今回はこれで大成功だったと思います。まずは、発表にチャレンジできる場を創ることが今回の目的です。結果として参加者の1/3の方が発表して下さいました。そして、これから徐々に参加者の皆さんの発表のレベルが上がって行くような支援を私達学会がバックアップすべきだと思います。本学会ではそれを達成すべき作業療法士が得意なGradingをして行きたいと思っています。


私の学会長講演では、恐れ多くも日本型作業療法の発信と称して話をさせて頂きました。臨床の話をしてもらいたかったということがありましたが、日本の臨床のために話す内容が多くて、私個人の臨床の話ができませんでした。すいません。そういう話は、そういう場でたっぷりとしたいと思います。
私は、これまでの歴史と海外の理論を踏まえ、核とは既に難解ではなく、日本独自の融合型を目指すべきだという話をしました。歴史の流れはどうしても外せなかったのですが、冗長で会場を退屈させてしまったようなので、もっと素晴らしいプレゼンができるようにならねばと思いました。皆さん温かい目で聞いて下さったので感謝しております。

アンケートの中ではシンポジウムの時間が短すぎたとのお話を頂きました。おっしゃる通りで次回から検討して行きたいと思います。私の講演に対するご意見として、PTのテクニックをOKとすると、境目が曖昧になるままだといったニュアンスのご意見を頂きました。それについて補足したいと思います。

大きく医療の世界で、しかも身体障害や高齢期の作業療法士において、理学療法士や多職種とかぶる部分がゼロになることはあり得ないと私は思っています。ベースには医療や医学があり、勿論作業療法士なので作業学や作業科学も必要でしょう。しかし、医学という根底が一緒であります。これを完全に捨てるのであれば、医学部や医療学部から去って行くということを意味します。
下の図をご覧下さい。PTとOTが全く離れてしまうということは医療の世界ではあり得ないと思います(社会福祉の世界ではあり得る可能性はあると思います)。つまり、この線が離れることはないということです。私は、PTとOTの重なりが少なくともOT部分の方が多くなる方が良いと考えております。それは、単にPTのテクニックを使わないということではなく、時には作業的存在のためにそれを使っても良いのではないか?と思う訳です。勿論作業療法の根本的な本質を表しているのは、OTとPTの重なりが究極に少ない状態だとは思いますが、だからといって、利用することを捨てろというのはどうでしょうか?リスク管理等も含めて必ず必要になって来ます。心疾患を持っている方への作業療法なんて、現在PTしか算定できない訳ですから、心原性脳梗塞のクライエントは作業療法の範疇で無くなる?という極論も出てくるのです。医療の世界ではそういった方のセルフケアも見なくてはならないですよね。



今までの過去を否定するのではなく、過去から学び新しく融合しましょうということです。一種の温故知新です。しかし、これはあくまで私の考えです。私はOBPの人間ですから、OBPを推奨しますが、勿論機能訓練も行います。しかし、大切な作業に必ず結びつける責務があると思っています。そうでなければ(成果を出さなければ)、作業療法士以前にどうなのかと自問自答してしまいます。



私は学会終了後、ずっと勤務で余韻に浸っている暇もなく、今更少し考えているのですが、他の理事はというと、バックグラウンドでもう次の計画の論議をしています(笑)。少し待ってくれよ(笑)





ところで皆さんはもうStartしましたでしょうか?

来年、青い海でお会いしましょう!