2013年8月26日月曜日

第1回 日本臨床作業療法学会 学術集会

今年度は、OT学会、訪問リハ学会の発表をはじめ、本の執筆、去年と同様に、今年も色々御呼び頂き、有り難い限りです。

今年、生まれてはじめて学会長をさせて頂くことになったのですが、タイミングが重なり、2つの学会の学会長をさせて頂くことになりました。
まず第1陣が
「第10回東京都作業療法学会」
これは、すでに色々なところで宣伝されています。是非皆さんご参加を!

今日は第1回日本臨床作業療法学会の学術集会の募集がはじまりました!!ということのご案内です。


僭越ながら私が会長をさせて頂いています。
実行委員長はmiyakosobaさん。
恐らく休暇中なのにすでにご案内がブログでされております。こちら

この学会は、気軽に色んな人が建設的に学会発表して、作業ってすげーなぁと皆で共有できる。そして、日本の臨床力を学術的にも証明していくという気持ちを大事に、有志達で結成した学会です。
理事は若造?ばかりですが、僕らにもできることがあるだろう。と思っています。そして、上下関係無しに皆で盛り上がるということ。この学会は皆で作り上げるというのがコンセプトの一つです。学会も通常の学会とは違う感じに仕上がると思います!

既にかなりの人達が発表を決めて下さっているようです。そうです。それなんです。みんな気軽に発表して下さい。マジで。

そして、必ず皆で作ろうと思っているのが、学会賞!!
OT系学会には少ない、賞をルーティンに設けます!
予算が無くても設けます(笑)発表しないと絶対もらえないよ(笑)

また、僕はこの学会で学会長講演をさせて頂くことになっていますが、おおよその内容は既に決まっています。皆さんにお伝えしたいくらいですが、もったいぶって内緒にしておきます。今からこのスライドを作るのが楽しみでしょうがないのです。いやマジで。その前にmustで一論文書かなくてはいけないので、それも急がないと。

みなさんも発表するなら、今でしょ!?的にお願いします。

しかし、記念すべき第1回は何しろ定員が少ない!お早めに!

でも先ずは、作業行動学会都学会なのですが(笑)。こちらもよろしくお願い致します。


2013年8月11日日曜日

みなもと(義経じゃないよ)

かなりおひさの更新でございます。僕は更新がおろそかになるので、1度の内容が長くなりますね。

侍さん率いる、事例本の執筆も終わり、休暇も少々頂き、論文にかかろうと思いきや、出張やら家族サービスやらでいまいちペースに乗り切れていません。。。

昨日、池袋でプリキュアなんとかというものに連れて行かれました。娘につれられた疲労のお父さんとともに近寄りがたいオーラを発信しているオタクさん達のオンパレードです。とんでもない人もそうなのですが、プリキュアショーというなんともいいがたい巨大人形が集まるショーで20キロオーバーの娘を肩車しながら、片手でビデオ撮影を20分。肩を受傷しました。。

そんなときに隣りからトントン「めがねさん(本名で呼ばれましたが)」と。
誰かと思ったら訪問リハの権威、PTのA先生。
「お互い大変ですね〜」といいつつ、二人とも肩車をしながら簡単に仕事の話等も(笑)
立ち肩車ばなしです(笑)。

そういえば私がお世話になっている桑山先生が担当されています、訪問リハ未来サミットが東京で開催されるそうです。興味のある方は是非ご参加を。



さて、ここからが本番です。
作業療法、特に作業を大切にしている人達が大事にしている文脈や個人因子。そして、作業の動機の根底となるスピリチュアリティなど。皆さんはどう考えているのでしょうか?学会や講演会、講習会、当院の事例発表等さまざまなところで事例の文脈を聞きますが、基本的に僕の心がスッキリすることはまずありません。僕自身もクライエントとスッキリするに全て至る訳でもありません。
自分で自分がこうしたいと自己主張や提案をしてくれるクライエントの場合はそんなに考えなくとも、恊働が可能になるかもしれませんが、おおよその作業療法士が悩んでいる、面接がうまく行かない、この作業で本当にいいのか?と思う場合は、大体の場合この文脈のリーズニングができていないんだと思います。

侍OTさんの大好きな作業科学の共通の理解地平の地、
Tomoriさんの推奨するShare decision Making(SDM)、

これらは全てクライエントとの恊働も指しています。
僕は恊働とは二人三脚やマラソンの伴走だと思っています。お互いに走ること。
一緒に目標に向かって走ることです。

クライエント「おい、俺客だぞ、おんぶして目標地点まで連れて行け」
OT「はい。わかりました」

って言う構図のことが結構あります。
マラソンの伴走者が代わりに走るのは失格です。

当院で僕がフィードバックするときにはここを徹底的に突っ込むので、恐らくウチのスタッフは参ってしまうかもしれません。しかし、いいと思うときには、全国、全世界にわたっても、素晴らしいと言える事例の文脈だと思っていますので、ウチのスタッフには自信を持ってもらいたいですね〜。ってお前がなんとかしろっということですが。

そこで当院で良く聞く文脈の捉え方の不十分な例を家のプリキュアのジグソーパズルを見ていて、思いました。リーズニングの一助となればと思います。
作業の面接では作業の問題について話し合います。その作業遂行障害に陥っている作業をやりたいと思う、動機やみなもと、価値が形成された過去のエピソードは何なのか?を探ります。

1、関係のない情報が沢山ある。プリキュアのパズルにこびとづかんのパズルが。。


こういう事例の場合は、
例えば
 「家族のために夕ご飯が作りたい!」というクライエントの文脈のところに、昔は友達との山をかけずり回った。とか、映画を見るのが趣味だった。とかそういことを書いていたりします。これらの情報が全く無意味とは言いませんが、クライエントの料理の作業の文脈のピースではない、上記の例で言えば「こびとづかん」のピースです。
 プリキュアのピースとなるのは、「幼少期、両親が共働きで、一緒に夕ご飯を食べることが少なく、寂しい思いをしたので、自分が大人になったときには皆で手を合わせていただきますができるような温かい家庭を作りたいと思っていた」といったとこでしょうか。

2、肝心なピースが足りない


 顔が〜ない(笑)。聞いていて、その先は?と思うことが良くあります。
 例えば、上記の料理の例だと、「家族のために作ってあげたいから、いつも作っていたから」で終わってしまっている。でも、気づきませんか?こういうことを言うクライエントは沢山いること。その文脈では個がなくなります。そのひとをその人足らしめるみなもとの文脈が足りません。その人が見えてくる文脈でないといけません。だって僕らのやる作業療法は「Only one」でオーダーメイドなのですから。

共通の理解地平および本当の意味でShareするにはその人がどんな人なのか、何に価値をおいているのか、心の底から理解しようとしなくてはいけません。ただ闇雲に過去の話を聴くだけでは不十分なのです。もちろん分からないことも多いかもしれませんが、知る努力が必要だと思います。

当院では、有志に対して、めがね作成のリーズニングシートを試験的に用いて練習しています。(ADOCのマトリクス画面も勿論有用ですよ 笑)作業を心から愛している人達にこういうリーズニングシートの話をした際に「可能性が狭まる」といったことで否定されたこともありましたが、あまり気にしていません。
なぜなら、作業の文脈をしっかり捉えるようになるということを共有しているのは自分の病院の職員ですので、彼らができるようになるためにあらゆる手段を使いたいと思うからです。自分ができるから他の人もこうやれっていうのはある意味パターナリズムで、自分がやって来たことを如何に楽に達成できるかに主眼をおきたい。

全く水に顔もつけられない「海女」志望の女性に、
①はじめから漁場に行って潜る練習から始めるのか?
②まずは家の洗面器から始めるのか?

僕は②派であることが多いです。だって作業療法には素晴らしい考え方Gradingという技術があるから。

長文失礼しました。