2013年7月13日土曜日

今後の業界の行く末は。。。めがね的未来予想図

おはようございます。ちょっとやってしまい、体の節々が痛いです。息子には風邪をうつし、39度の高熱と罪悪感いっぱいの土曜の朝でございます。

さて、この案件についてはすっご〜〜〜く昔から書きたいと思っていたんです。昔教員時代にPBL教育というのをやっていました。簡単に説明すると学生にシナリオの紙切れだけ渡して、グループでディスカッションし集団で自己学習してもらうという魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える学習方法なのですが、そのシナリオに「給与が〇〇のスタッフが〇〇名います。リハ科内で採算にあう老健を作って下さい。」なんて課題を出したほど、昔から経営に敏感です。ちなみに、こうすると介護保険の細かいところ(実は臨床の管理上とても重要なところ)も自ら学びますし、数グループはデイケアを併設しないと割に合わんというちゃんとした回答も導きだせました!パチパチパチ〜!!

と言いたいのはそんなことじゃなく(笑)。介護保険の話だけではなくて、医療保険も踏まえた今後の話です。

僕らの業界はこのまま、人数を増やして、今の感じで進むんですかねえ。
僕らのような40代前の人間からこれからPT、OTになろうとしている人達まで。
どう考えているだろう。

今日はめがね的未来予想図を描きたいと思います。ドリカムの歌のように良いもんじゃないけどね。

まず。皆さんは「B3シナリオ」をご存知でしょうか?
特に私立の病院、施設、事業所で医療職の管理されている方にはご存知!のものだと思います。
高齢者が最高にふくれあがると言われる、通称2025年問題に対して、厚生労働省が対策と方針を大まかに決めているものそれがB1、B2、B3シナリオです。今の現状の医療制度を継続するのがAシナリオですが、そのままでは確実に破綻する事がわかっています。そして、それを解決するためには抜本的に医療・介護制度を見直さなくてはならない。その中で最も大胆で推奨されたい(とは言ってないが、感じられる)シナリオがB3シナリオです。

B3シナリオには様々なものがありますが、我々に直接的に関係する事は医療機関での入院期間。一般的な平均入院期間を急性期で7日、回復期で60日にするというものです。急性期で現在の半分、回復期で現在の2/3以下の入院期間という事です。要するに早く退院させて在宅に帰す。それで医療費を削減するという事です。
 ここから読み解けることは、回復期は亜急性期の様相を確実に呈するという事です。現在も重症の人を受け入れる仕組みができています。新基準の回復期Ⅰは看護必要度のA項目で重症判定されないといけません。(あっちなみに次の改正で不正の温床である「血圧5回以上測定」はなくなると思います。)回復期でも常にモニター管理とか、酸素吸入、そして頸部骨折術後の抜糸は回復期でとかは当たり前になってくる時代がくるかもしれません。急性期はさらにめまぐるしく、1人のクライエントに接する時間が少なくなるでしょう。しかし、かなり早期からの介入が多くなると思います。そして、確実に人が足りない状況ですから、医療保険の加算(例えば回復期の充実加算や休日加算)による誘導がなされると思います。OT協会は地域へ目を向けていますが、確実に急性期に手厚い医療点数が付与されると思います。OTのシェアとして急性期から離れてはならないと思います。
 僕らは医療保険制度に守られて暮らしている人のシェアがNo1なのですから。現状のままでは所詮保険から離れては生きていけないのよ。シータも言っとります。
「人は土から離れては生きていけないのよ」

でも地域に早期にお帰しする仕組みなので、地域を充実させるという事も間違いなく必要になってくる事だと思います。

しかし、早く在宅に帰そうとも、消費税を上げようとも、高齢者の増加率は半端じゃないので、医療・介護費はカツカツです。そして、これらの報酬はどうやって決まっているか?というと、そうです。国会で決まっているんですねえ。この背景には職能団体のやり取りがかなりあります。簡単に言うとそれぞれの団体が決まったお金の中で駆け引きしている。いわゆるお金の取り合いです。お母さんの財布に1000円はいっていて、兄弟5人で均等に分けるという事はありません。強いものが生き残るという弱肉強食の世界ですよ。
医療業界で言うと、
1。やっぱり強い日本医師会
2。ここも強い看護協会
3。結構強いです薬剤師協会
PT、OT、STは政治力としては強い方じゃないんですね。初期の頃は医師の方々のご尽力に助けられてきました。でもいつもOT協会は他協会と連携して頑張ってくれています。だから国会議員の選出と、組織率の向上が必要なんですね。協会は職能団体なのです。ある視点から見ると僕らの食い扶持を守るものなんですねえ。だから加入しましょう。そして国会議員は今1人もいないので、(山口かずゆきさんが再立候補するようです)、僕らの先は決して明るくない。

さらに追い打ちをかけるように言えば、毎年毎年とんでもない数の後輩が排出される。コレ自体はいいことでもある。しかし、それと同様に、リハビリテーションに係る医療・介護保険費が年年莫大にふくれあがっているんですね。単価は変わらなくても、算定するセラピスト数が増えればそりゃ医療費・介護費も嵩みます。そしてこれからも増え続けます。そうしたら国はどうするでしょう。

ここで中まとめします。
・高齢者は2025年にむけて増える
・厚労省は医療・介護保険料を抑制したい
・セラピストの数は増え、リハ算定量は増加の一方
・政治力が弱い

結論から言えば、リハビリテーション施行単価を下げられてもおかしくない状況にあり、それに伴い僕らの平均年収は下がる可能性がある。ということです。リハ単価が下がれば、僕らの商品価値は下がります。あげるためには歩合制の所はよりいっそう単位を取れという話になるでしょうし、その為には無理なことやグレーな事も積極的にやりなさいと指示される施設・病院が増えてしまう事は容易に考えられます。

一方、就職先がなくなるかというと?今のところ2025年まではあるかもしれません。競争は激化するでしょうが。でも地域によってはまずなくなるでしょう。

今でもそうですが、2025年を越えると、人口減少に拍車がかかると思います。そうすると医療業界で増やしたシェアが狭くなるという事になります。病院で患者算数が減り(要するに顧客が減り)、潰れる医療機関や介護施設が増えるかもしれません。もちろん養成校も閉校するところが増えるかもしれません。

明るい材料としては、
バイタリティのあるパイオニアにより医療・介護制度に頼らない企業というものが増えてくると思います。そして、いわゆる罹患者だけではなく健常者に対しても、保険診療外でなんらかのリハビリテーションサービスを展開する人達が出てくるんじゃないかなあ。でもこれは簡単な事じゃないんだけど。でも、職種イメージが今あるように安心・安泰(実際、他業種から転職のために専門学校を入って、安泰を求めにくる人達は結構いらっしゃいますよね)ではなく、世の中の荒波で勝ち残るというものに変わるかもしれません。


とここ数年は踏んでおります。今後どのように法改正され、僕たちの未来が決まるのか?常に考え続けないといけないですね。そしてどの時代でも求め続けられるように自分の知識・技術を磨き続けなくてはならないですね。

僕らの未来はどこへ向かうのか


長文で申し訳ありませんでした。

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