2013年6月23日日曜日

めがねOTのレポート指導法 (初期評価編)

おはようございます。

今日は就職説明会なので、日曜出勤行きの電車の中で書いています。
学生さんは今日は数少ないだろうなというのと、最近実習生の人が多いなあと今、OTだけで4人位きてるんでは?と、受けるだけ受けて自分で担当しないのでタチの悪い上司です。ごめんなさい。スタッフの皆さん。

そんなこんなで私の実習レポートの指導法(初期評価編)を書きます。
従来型の、基本情報、他部門情報、書いて、検査書いてって感じじゃないです。


今はだいたいこんな指導法ですね。

その1
まずは学生さんにレポートなんて実はどうでもいい。クライエントの事を考えてくれ。
という

レポートに追われてクライエントの事を考えないなんて本末転倒。そもそも、学生とSVの間にははじめから立場が違う訳なので、本質を言って安心してもらいます。

その2
過去の学生のレポートを自由に見せます。んで、こうやって書いてねって言います。
コピーを渡したりもします。

そもそも、そういう書き方に慣れていないので、お手本があった方がいいですよね。レポートの書き方で行き先もわからず、自分で探せという事に時間を費やす事ははっきり言って不毛だと思っています。

その3
こっから実際の書き方です。
はじめは、文脈です。
1。クライエントの文脈 ということで
どのような人か?どうなったか、ということをつらつらとかいてもらいます。これは実習全般の期間にわたって、その人がどんな人かもっと知りなくなった場合に、その都度クライエントのところへ言って話をしてもらいます。はじめは面接がとっかかりですが、その後は勝手に行ってもらいます。

その4
2.作業の選択
ですね。作業選択です。COPM,ADOCなんでもありです。やりたい事をやってもらいます。その背景も忘れずに書いてもらいます。可能であれば、満足度などの数値データももちろん載せます。
この時、僕は学生さんと一緒に面接します。悪いくせが、自分が楽しくなっちゃってついつい自分で面接しちゃう事(苦笑)。

その5
3.作業遂行分析
実際のその作業を観察可能であれば、観察します。AMPS的に行為について見たままを記載してもらいます。
そしてその後、考察も入れた3つの視点で表にまとめます。
それは次のようです

・観察された事項 
・考えられる要因
・必要な評価

例は

・観察された事項 靴に手を伸ばそうとするが届かない 
・考えられる要因 右股関節のROM制限 腰背部の筋緊張の増加
・必要な評価   右股関節のROM測定 腰背部の筋緊張

これは機能的な例ですが、この二つを計測してみて、緊張は高くなく、ROMのみ制限があれば、この作業遂行障害の原因は右股関節のROM制限となるので、解釈が簡単です。トップダウンでは統合と解釈で悩みません。

その他の例では
・観察された事項 キュウリを洗い桶の水で洗う(非衛生的か?)
・考えられる要因 前頭葉症状 もともとそういう方法
・必要な評価   FAB 家族からの情報収集

というようです。評価は学生さんが選択したものを優先します。明らかに違う場合はアドバイスはもちろんします。ここで注目は、他者からの情報収集もここで出てきます。よく言うのが、多職種からの情報収集をはじめのほうにさせたりする実習がほとんどでしょうが(医師はありだと思いますが)、させられ体験がほとんどじゃないですかね?Social Skillの高い子は質問を適当にできるでしょうが。
だから、他部門が目指す目標、やっている事だけ聞いて終わる。
そうじゃなくて、OTとしてこういうところが観察されたから、PT的にはどう思いますか?とか(例えば、料理がしたいっていっているんですけど、キッチンでお皿を持って歩く時ふらつきが激しいんです。PTの方では、歩行は如何ですか?とか)。臨床では自分が得た知見から、多職種と一緒に話を進めていくと思いますが、実習ではそうではない。それもおかしな話だと個人的には思います。

その6
5に基づいて、必要な評価のみ行います

その7
評価結果から統合と解釈します。楽です。
最終的に図示するとわかり易い(学生さんの頭を整理するのに)です。

その8

レポート表紙。タイトルを付けてもらいます(最後だけど)。その人にあったタイトルです。「大切な畑を耕すための作業療法の経験」とか、完全に学生さん任せですが、気持ちの伝わるものにしてねと言います。

ざっと通勤中になぐり書きしました。こんな感じで私はすすめています。細かいところは他にもありますが。近々、自分でお手本レポートでも書いてみようかなあということ、SVやるスタッフにも書かせてみようかなあって思ったりもしています。ウチのスタッフもこれを自分なりに解釈してやっているんじゃないでしょうか?

それでは!

2013年6月9日日曜日

訪問リハ学会に行って参りました。

今後の医療介護報酬の話を書こう書こうと思って書けずに、訪問リハ学会になっちゃいました。

昨日、今日と第2回訪問リハ学会に行かせて頂きました!インまつも〜とです。
7:00ちょうどのスーパーあずさ1号 で旅立つという狩人の歌とニアミス(古い)な感じで、色々溜まったタスクをトランス状態で次々こなし2時間半。

何が凄いって、松本城の階段のバリアアリ〜度合いが半端じゃない。ってそんなんじゃなく。(でもホントにすごかった。是非行ったらお試し下さい)

実は、去年の第1回訪問リハ学会はケアマネ学会発表を選択したので、スルーしちゃいました。
よって今年はじめて!どんな感じかなあと、凄い楽しみにしておりました。

私の独断と偏見で、訪問リハ学会の特徴3つをまとめると
1.年齢層が高い
 恐らく、訪問は他で経験を積んで来たキャリアがやっている傾向が伺えます。
2.事例報告が多い
 フィールド的に調査研究とか介入研究のデザインがしにくいか?
3.ICFの活動や参加に着目している人が多い
 ぶっちゃけ、OT学会より作業を大切にしている感じがしました

なので、おもろかったです!

さてウチは訪問関連職員新旧合わせて5人全員で行き(やるじゃん)、PT副主任は発表デビュー戦でした!しか〜し、自分の発表とかぶり聞けんかった。。。

前にもどこかで書いたか、話たか?していますが、当院の訪問の面接は全てADOCです。したがって、発表はADOCになります。PTもADOCで発表しています。
その他、ADOCの発表が、2件位ありましたね。なので計4件。2件がOTの発表、2件がPTの発表でした。それに驚き。

私の発表では2名から質問、そして翌日も数名の方に声を掛けて頂き、ディスカッションさせて頂きました。質問があんまりでない感じでしたので、自分のところにはちょい食い気味(笑)で質問があったのは嬉しかったです。自分はいつも質問があるということはそれだけ興味深い内容だったとポジティブに解釈します。

一つ目の質問は、簡単に言うと
「そのニードADOCじゃなくても聞けたんじゃね?」とご指摘頂きました。
厳密に言うと、他にも突っ込んだ質問も頂いたのですが、発表内容がただうまく伝わっていなかっただけでした。

このクライエントに関しては、個人的にはADOCが有効だと感じましたが、面接のうまい方や、状況によっては他のツールもしくはツールを使わなくとも可能であったのかもしれません。ですが、結果として、ADOCで聞けたということはADOCが有用ではないということにはならないと解釈しています。

二つ目の質問は、
「ADOCは可能性を縮めるのでは?」とご指摘頂きました。

このご質問を頂いた方とは翌日ゆっくり話す機会がありましたので、ちょっとディスカッションしました。ADOCが可能性を縮めるというのはたまにご指摘があります。個人的な見解からすると、作業の勉強を多くされている方達に多いのかもしれません。まあ、95+1があるので、95項目に限定されるということはないのですが。他には、イラストが先入観になるとおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、結局それが弱点と捉えるのか利点と捉えるのか?ということですね。そもそもわかり辛い「作業療法」の扱う「作業的ニード」を聞き易くするためのツールであるので、それをイメージし易くすることが狭めるのか、導入し易くするのか?その感じ方は使い手次第じゃないですかね?と私は思います。

好きに使えばいい。使い辛かったら他のを使えばいい。
これはADOC開発者全員の思いじゃないかな?自を否定する彼らを私は本当に尊敬しますし、それが真だと思っています。
だから、自分は入院のクライエントにはCOPM使う方が多い。でも訪問はADOC。それには利点があると思っているから。

ご質問本当にありがとうございました。質問により自分もより考えるようになります。

翌日のフロアではPTの方がADOCの発表をされていました!!
ウチ以外でもPT使ってんだ!げげ〜〜と一種の感動を覚え、思わず質問してしまいました!
「OTの面接用アプリですけど、使っていて使いにくいとか使い安いとかありますか?」
とっそうしたら、
「実はOTにお願いしてやってもらいました!!」

だっは〜〜

意外なカミングアウト!しかし、これってある意味理想の形かもしれない!
OTが色々聞いて、マネジメントもしくはコーディネートするってのは非常にいいなあと感心しました。お互い信じ合い恊働していないとできないことですね。

ちなみにこの方、自分でADOCを探して、OTに伝えたらしい。
そんなPTがもう1名質問にいらっしゃって、ヤバいよ訪問PT恐るべし!と思いました。
その他にも面白い事例発表が沢山あり、有意義な松本の旅でした。
あと、認定訪問療法士なるものを新設するらしいです。どうしたもんか。管理者コースの件を整理してからにしてほしかったなあ。


※2日目にウチのスタッフがやけに写真とっているなと思ったら、シャツの中に着る無地の黒Tシャツを持って来たつもりが、間違ったのをもって来てスケスケ。超恥ずかしかった。


ゴルゴ13のごとく、背中を気にしながら帰京しました。

中身の正体はコレ↓




これ教員時代、学生に頂いたTシャツなのね〜



2013年6月8日土曜日

改正道路交通法について

松本行きの電車に揺られています。

今朝、道路交通法が改正されたニュースを見ました。

ようやくだな〜という実感です。
自分が10年ほど前から自動車運転支援をしだして、最初にぶちあたったのは法律。

病気になった後に安全運転できる能力があっても、事故を起こすと不利になったり。
そんなようなことがないように、適正相談を受けて下さいね。と伝える。
ほとんどのクライエントが適正相談のことなんて知らないし、急性期からも、どの職種からも、もちろん一般の人からも教えてもらえない。

しかし、適正相談の話をすると、
「そんなん必要ないやろ?」「聞いたこと無いわ」「大丈夫大丈夫」といった感じ。
で最終的に出てくるのは
「何か罰金あるの?」といったこと。

自分で公安までいって問い合わせると、
「厳密に言うと道路交通法違反だけど罰するものは無い」と。

最終的に生み出したのが、当院のシステムで、それにより適正相談を受ける件数はほぼ100%になった。

これからは、「罰せられますよ」と僕らも言えるようになる。
当院のシステムも見直しが必要ですね。

クライエントの幸せのために作業の可能化は大切だけど、他者を不幸にし、自分も不幸になる可能性のある作業を支援するわけにはいかない。

車の運転に関して、スルーしているOTもいると思いますが、これも作業療法士の責務だと思っています。

僕はもう今やっていないですけど。代わりに部下達がその支援をやってくれていますのでお役目ごめんです。