2013年12月31日火曜日

良いお年を!

今年もあと数時間になりました。色々ありましたね。本当に。教員を辞めてから、正月はいつも出勤していましたので、年末に振り返るという癖がついていません。年度末に振り返ることは良くあるのですが。ですが、ちょっと振り返ってみます。

・日本臨床作業療法学会を立ち上げました。
本当に僕たちの同世代の、同じ意志を持つ人達で臨床を盛り上げたい。それが形になりました。理事の皆さんは昔、作業療法に悩んだ人達ばかりです。今は、作業療法の可能性に心躍らせているはずでしょう。本当に嬉しく思います。3月の学会では空前の発表数ということもあり、日本の今後が明るく輝いている気がしてなりません。是非皆さんで成功させましょうという気概でいっぱいです。

・職場が大人数になりました。
とうとう当院も100人越えになりました。合宿等、色々職場でチャレンジもしてみました。諸事情もあり、立ち上げた訪問も一段落したので、訪問の責任者をそろそろ降りようと思っています。沢山のスタッフの責任者をどうすれば良いのか?と悩みは絶えませんが、スタッフの頑張りに助けられて、更なるステップアップを確信しています。職場では厳しいですがね、来年も厳しいでしょう(笑)。私自身、同じ職場に5年以上居たことが無いので、来年は未知の年になります。ただより良くなるようにやるだけですね。

・都学会の学会長をさせて頂きました。
初めての学会長でしたが、都士会の皆さんと当院のメンバーに救われて、大成功に終わりました。PDFで講演するという貴重な経験もし(笑)、今後の糧になりました。今年は臨床作業療法学会の会長もさせて頂きますが、1年で2回も学会長やることは、もう二度と無いと思います。というか、学会長やることが恐らく無いと思いますので、本当に貴重な経験をさせて頂いた年だなあと思いました。

・ADOCのメンバーになれたかな
僕はADOCprojectに初めて呼ばれた時は、単に飲み会に行くって感じで行ったし、ADOCの開発メンバーでもなければ、いつも使っている訳でもなく、ちょっとメンバーにさせてもらっているかなっていう感じでした。今年は、本当に事例本や色々な活動を通して、または学会でいつも一緒に居させて頂いて、ようやくADOCのメンバーになれたかなって勝手に思っています。ADOCprojectというくくりにはいますが、みんな目指すところは作業療法の振興ですので、来年はより作業療法に貢献できるように頑張りたいです。

・竹林さんと仲良くなりました
今年は竹林さんと懇意にさせて頂くことが多かったです。学ぶことが多く、本当にお世話になりました。彼の臨床技術は機能回復ですが、作業とcombineされており、非常に感銘を受けました。実際に臨床を通してみさせて頂き、世の中には凄い人がいるものだなあと思いました。これからも親交が深まるとは思いますが、僕は彼には絶対なれないので、彼のおいしいエキスを頂き(笑)、私なりに自分の作業療法技術をブラッシュアップしたいなあと思います。

・実践研究会をおろそかにしていました
こりゃ反省です。実践研究会を東京で一度も開かなかったのは、はっきり言って怠慢です(苦笑)。来年は静岡にも顔を出しますし、5月に東京でも開催します。勢力的に動きたいですね。

そして、多くの方々にお会いし、議論し、楽しい時間を過ごさせて頂きました。本当にありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

尚、年末は息子の入院、頑張った英文のreject、そして、大晦日の今朝から腰痛激痛という不運に見舞われたので、年明けは良いことを願います。

尚、ウチはおせちに酢だこを入れます。タコは夏に釣ったタコです!これから栗きんとんを作る任務があります。では皆様よいお年を!


2013年12月28日土曜日

遅ればせサンタ

私達は多くの場合、「やまい」に悩まされた人々に関わり、支援をする。
起こりうるライフイベントに対し、
そこだけ切り抜いたとしても「人」を理解できない。
その背景には人生があり、取り巻く色々な事情がある。





今日は12月28日世間は帰省ラッシュや年末のニュースに騒がしい。
少し遅れたクリスマスパーティー中の男の子は楽しくてしょうがない。
一枚の写真からは表面的なものしか捉えられない。
クライエントのその時のライフイベントを捉えても本質は見えない。






突然医師から「危ない状態です」と言われることは親の精神状態を揺さぶり、
入院生活は取り巻く人々のそれまでの作業の習慣を一変させる。
彼らにも多くの文脈が存在する。
医療職でも動揺する。一般の人々は更に動揺するだろう。




両親は不安と病院への往復により家事、仕事など様々な作業遂行障害を生じ、
ひいおばあちゃんは日課の孫と遊ぶ作業ができなくなり、食事も喉を通らない。
お姉ちゃんも両親やじいちゃん、そして弟と遊ぶという作業ができなくなる。

「〇〇くんに会えなくて寂しいよ。」
と大粒の涙を声を上げずに流した娘にぐっと来るものを感じた。

感染対策の病院のルールは重要だが、一方で姉弟の大切な作業を剥奪する。



様々な状況に障害され、面会できる時間は両親のどちらか1時間半のみ。

ずーっとお母さんの背中を追い続け、少しでも離れると泣いてしまう。
好奇心旺盛で、そこら中走り回り、家の前を走るバスが大好き。
食いしん坊で、大人位ぺろっと食べてしまう。

大好きなお母さんにもなかなか会えず
大好きなお散歩もできない
大好きなお姉ちゃんとも会えない
大好きなじいちゃんの上にのって遊べない
お腹がすいてもひいおばあちゃんの部屋でつまみ食いもできない
閉ざされたベッドの上で家を思い出すとつい泣いてしまう




クリスマスにサンタは来なかった。
お姉ちゃんは
「サンタさんはいつくるかな?〇〇くんが帰って来たら来るんだろうね」
ずいぶん気の利いたサンタクロースは今日やって来た。





クライエントの背景には多くの人々が絡んでいる。
1つのライフイベントの背景には1人のみが絡むのではなく
芋づる式に作業遂行障害の連鎖を引き起こす。
理解はしていたが、再確認した出来事でした。


これからも常にクライエントの背景を共に共有し、
一番近くの伴走者を目指したい。


多くの人々に支えられて、幸せな作業を再獲得しました。
心配して頂いた皆様ありがとうございました。

Merry X'mas

2013年12月7日土曜日

学生さんは見ている

えー主任に忘れ物を届けてもらうため、駅に行くまで時間つぶしに裏道で停車して待っていたら、おまわりさん2名に職質されました(笑)。「警察24時大好きなんですよ」と訳の分からん会話をしましたが、捕まらずにすみました。

その数時間前に大学で3年生に授業をさせて頂きました。あっ私、一応元教員をしていました。臨床に戻って5年になりますが、5年前から招いて頂いています。本当にありがとうございます。年に1回ですが、唯一の教鞭で非常に楽しくやらせて頂いています。

今回は、はじめに学生さんに質問をさせて頂きました。

「身体障害(あるいは老年期)の実習で、作業療法士は何をしていましたか?」

ROMex、歩行練習、ワイピング、ペグ、モビライゼーション、マッサージ、輪入れ。。。
と多くの学生さんの答えがそうでした。たまにADL、料理とか。


本当に学生さんはよく見ているんだなあと思いました。今の臨床はそういうことなんだろうな。それが悪い訳じゃないんだけど、上だけ見たらOTなのか何なのかわからなくなっちゃう。実習を通して、その印象が強かったということなんでしょう。

私のこの授業での使命は、学生さんに作業療法の臨床と楽しさを伝えることですので、精一杯やらせて頂きました。1コマ目から4コマ目までぶっ続けで授業をした上での5コマ目なのに誰も寝ずに聞いてくれてありがとうございました。

学生さんの感想には本当に嬉しい意見が沢山会ったのですが一部抜粋すると

「体験談を聞き、感動しました。OTを専攻してよかったです」
「本当の作業の素晴らしさを感じました」
「実習で作業療法は何だろうと思いましたが、授業を聴いて作業療法は面白いなと思いました」
「講義で学んだことと実習で学んだことがうまくリンクせず、悩むことが多くありましたが、繋がった気がします!」
「作業の意味についてもう一度見直し、クライアントに寄り添うことの大切さを再確認、実感することができた」
「ただその人のやりたい作業を見つけるだけでなく、なぜそれがやりたいのかという背景が大切なんだとわかりました」
「正直、学校を辞めようかと思ったのですが、もう一度作業療法士を目指したいと思いました!頑張ります」



臨床と教育はやはりリンクすべきであり、これからも機会があれば学生さんには作業療法の素晴らしさを伝えていきたいなあと再認識しました。私もクライエントを支援し、作業療法の世界を盛り上げていきたいと思います。先生、学生さん貴重な機会と時間をありがとうございました。

2013年12月5日木曜日

OSとは。。。

先日OSセミナーに行ってきました。会員歴は長いのですが、実は日本のセミナーは初めてです。友人の侍OTさんが待ちに待った会でした。素晴らしい会でした。木田さん(素晴らしい講演内容でした)ともお近づきになれましたし、共有できたことに感謝です。会の内容自体は私とほぼ同じ思いをtomoriさんがブログに書いていますので、それをご参照下さい。ちなみに丸刈りなだけで侍さんと間違えられましたが、私は正反対の人間ですのでご注意を。私はあんなに人徳者じゃありません。


撮影 琉球OTさん 勝手に載せちゃいましたごめんなさい

このセミナーには私の病院からも15名位参加したようです(ようですって。。。いつも会場で会って参加を知るのがほとんどです 苦笑)。当院にはOSを学習するプロジェクトチームもありますが、一連の内容を聞く中で、僕は「ウチのスタッフのどれくらい、この内容をOSとして理解できているんだろう。。。」と不安になりました。

私はOS、つまり作業科学について詳しく理解している訳ではないのですが、今回は当院のスタッフに向けてOSについて書きたいと思います。

私の中では、最近、我が国では「作業科学」と「作業療法」との混在が顕著だと感じています。この2者は異なるものだというのが私の考えです。今回、Helen先生や齋藤さわ子先生の御講演の中でも区別されていました。


OS(Occupational Science)つまり作業科学のはじまりは何なのか?

このことについて私は、専門職として高度な専門学術レベルを確立するために大学院を設立しようとする動きにはじまったと認識しています。南カリフォルニア大学で初めて大学院を設置しようとした際に、大学院で教育するには「作業療法」は学問として成立していないといけない。作業療法は応用科学であるが、その基礎となる学問が存在しないと言われ、大学院設立が頓挫してしまった。従って、作業療法の核となる作業の基礎科学となる学問、「作業科学」が生まれ、念願の大学院が開設され、作業療法に関する上級学位が取得可能になったという経緯と記憶しています。(現在では応用科学でもあると言われていますが、私はこのことが作業療法との区別を困難にしている一因だと思っています)。アメリカの作業療法士の地位の高さにはこのことも影響していると思います。日本では「博士号」を持っていても、教員以外本当に何の役にも立ちませんが、海外では「博士号」があるかないかで、相手の対応がかなり変わるというのも事実です。

すいません。これまでの話では、作業科学が何なのかについては何も説明していません。これからが本題です。私の思う作業科学とは簡単に言えば「作業の性質を知る学問」だと思っています。語弊が無いように言ってしまえば、そこには、Bottom upとかTop downとか、Client-centeredとか、どうでもいいんです。


一番大事なのはOccupation。Occupation-centeredなんです。


人がどうだというより、作業がどうなのか?そこに興味を持つことが根本にあるのだと思います。勿論人と切り離すことはできませんが、作業優位なのだと思います。

一連の作業療法を展開して、良い結果が生まれたということは臨床的には非常に素晴らしい。しかし、それは作業療法の話であって、その臨床の話の中における「作業」がどういう位置づけなのか?それを科学する。それがOSなのではないでしょうか?

その為に、作業科学研究では作業を「意味」「機能」「形態」から捉えたり、世の中の作業的公正について考えたり、人の作業の歴史の意味合いを考えたりしているのではないでしょうか?(Helen先生は量的研究が少ないことをおっしゃっていらっしゃいましたが。。。)

Dr.William Rush Duntonが「人は水と同じように作業を希求する」と言いましたが、それに普遍性があるかを検証することなど、そういうものが「作業科学」なのではないでしょうか?



作業療法とは、作業科学で得られたそのような知見を利用して、臨床に応用するものなのだと思います。だから応用科学なんだと思います。従って、私は作業科学は解剖学や心理学や生理学や社会学等と同列だと捉えた方がすっきりすると思っています。そして、私達は作業療法士なので、他の基礎的な科学も重要だけども、何よりもprimaryとして作業のことを知る必要があるから作業科学が必要なのだと思います。筋肉や人の心の力動や社会の仕組みの知識があるだけでは臨床ではどうしようもありません。クライエントに作業療法を行う際には、その知識を応用する。つまり作業の特性を知り、クライエントの理解と介入に生かす。作業科学とはそうあるべきではないでしょうか?

以上、作業科学のことをあまり知らない私が自分の考えを述べました。が、詳しくはOS研究会で学んで下さい。

2013年11月16日土曜日

From Korea(고맙습니다 ゴマッスムニダ)

帰国してそのまま羽田空港で家族と再会し、夜まで遊びに付き合うという非常にハードなスケジュールを堪能?しました。

7年ぶりかな?位に海外に行かせて頂きました。行き先はKorea大韓民国です。
2013Korea Healthcare Congressという学会で、当院院長が「Client-centered and Community Based Rehabilitation」と銘打ちましてシンポジストをされることになり、私も少々お手伝いさせて頂いたご縁から、帯同させて頂くことになりました。


事務方よりホテルは当初、院長と相部屋という話で「ダブルですか?ツインですか?」なんて笑い話か?本気か?っていう会話をしていましたが(オイオイ。。。)、自分はトイレ長いし、朝早いし、「ぜってー嫌じゃあ!!!」と言ったら、なんとか別々になり、さらに、部屋が相手いないという理由でなんとexecutive roomでした!


現地では友人のスーパーOT夫妻とそのご友人のOTそして私と院長で食事会。彼女はtomoriさんのブログでも登場しましたが、大学院の同級生で、私が10年位前にAMPSを取得した時も隣り同士だったという縁の方です。私がローカルコーディネーターをさせて頂いた、OTIPM研修会でも飛び入りで通訳とかして頂いたり、英語、韓国語、日本語も堪能な素晴らしい能力の方です!事前から色々教えて頂くとともに、おいしい焼き肉andチヂミandマッコリを頂き、どれもこれもめちゃくちゃうまかった。やっぱり韓国の食べ物は最高です!

(院長熱く語っとります)

そして、韓国のOTの話を色々伺い、当院の院長はウチのOTがスタンダードだといつも思っていましたので、本当に良かったですし、院長も韓国を大好きになったようです!そこでの話は韓国ではPTとOTとの診療体系や診療報酬も違うようで、本当に苦労されている話や、精神科にOTがほとんどいないというか診療報酬が得られないと言った話も伺いました。僕らは、先人達に感謝しなければなりません。一方反省も必要ですが(都学会長講演参照)。

そんな中で、作業に焦点を当てよう!って頑張っていらっしゃる韓国のOTさん達本当に素敵でしたね。僕らより、作業に対する深い知識を持っていながら、逆風の中頑張っていらっしゃることに感動しました。その中で、日本臨床作業療法学会や作業療法臨床実践研究会の話も出ましたが、韓国でも立ち上げる予定があるそうです!!
いつか色々都合が合えば、コラボでもしたいですね〜。ほんと近い国ですし!なんて夢も抱きながら、異文化コミュニケーション(といっても全部日本語だけど 苦笑)を楽しみました。


学会では、院長の韓国語も現地の人達にちゃんとウケて、その後のレセプションでは韓国の建築家の方達や医師の方と仲良くなりました。韓国では、建築家やデザイナーが病院のデザインに関わったり、常勤でいたりすること。スタッフの仕事のしやすいデザインや癒しのデザイン、medical errorを減らすevidence-basedのデザインがあること、そして、1000床以上の病院が普通に多いこと、日本と違って診療報酬上マンパワーが少ないこと、病院によってはOTよりSTが多いこととか、本当に色々な話が新鮮でびっくりで、楽しかったです。色々お世話になった方本当にありがとうございました。

唯一の心残りは、病院見学ができなかったことです。病院を見たかったですね。私の夢の1つは世界のOTが何をやっているのか、この眼で確かめて、日本のOTとどう違うのか、私が目指す作業療法がどの程度されているのか?をみたいというものがありますので、その夢がまた膨らみました。


2013年11月8日金曜日

私は作業療法のスペシャリストになりたい

食い過ぎで吐きそうです。決して、ノロに感染していません。
疥癬には感染したことがあります(笑)

40前男性に、夜10時台に背脂多いチャーシューメンに戦いを挑むと殺されかけます。気をつけて下さい。
さて、研究をと思ったんですが、日記をかなり更新していなかったなと思い、筆をとります。この前、週刊医学会新聞で、ジェネシャリスト宣言って言うのがあって、スペシャリストとジェネラリストの二元論を越えて、ジェネシャリストを提唱するっていうのを見ました。あ〜面白いなあ〜。って読みました。

今日は珍しくクライエントの話を書きます。多分過去初めてですね。

OTになりたての頃は、ハンドセラピィのスペシャリストになりたいと思っていました。

先輩や友人はそうなっています。

自分はそうなっていません。


若手の頃、認知症のスペシャリストになりたいと思いました。

後輩はそうなりました。

自分はそうなっていません。


中堅の頃、ボバースのスペシャリストになりたいと思いました。

先輩や後輩はそうなりました。

自分はそうなっていません。


OTになってしばらくして、作業療法の面接の重要性を知り始め、やり始めた頃、30前後のあるクライエントに会いました。初回面接で、家族皆、「肩を良くして欲しい」といいました。彼は、社会人になりたての頃、脳の病気になりました。急性期の病院で記憶障害があると言われ、身体機能も特に問題が見られなかったため、リハビリをして、そのまま退院しました。8年間、時間が経過し、肩の動きが悪くなり、急性期病院から私のところへいらっしゃいました。

約8年の歴史の中で、彼は3ヶ月で会社をクビになりました。その後、彼は近くのコンビニやビラ配りのバイト等を行いました。しかし、約3ヶ月でクビになるか、いじめで辞めました。面接の中で、語った言葉は「半径5キロ以内のコンビニは全て制覇しました」。。。

運転免許が更新できず、クビになったクライエントも経験しました。大学時代の後輩のPTと飲んでいる時に後輩の電話が鳴りました。仕事の電話でした。切ったあとに、彼が言った言葉は「片麻痺の担当患者さんが車を運転して事故して頸損になった」と青ざめて語りました。

先輩OTが生きる気力を失ったクライエントに対して、ちょっとしたデバイスやAssisstive technologyで作業が可能になり、人が変わったように笑顔を見せるようになったことも目の当たりにしました。

他職種の圧力に、クライエントの思いを代弁し、家族とクライエントの外出を可能にしたOTを見ました。最高の笑顔でした。

同期のOTがクラフトを利用することで、全く言葉を発しないほど表出も笑顔も無かったクライエントが、毎日ニコニコしながら色々な人と話すようになった人を見ました。別人のようでした。

認知症の方に馬鹿にされ続けているOTがいました。しかし、認知症のご本人は1日の中で一番楽しそうにしていました。馬鹿にされているOTも楽しそうでした。

全てのスペシャリストになるには人生短すぎる。
私はちょっと前から、作業療法のスペシャリストになりたいなあって思い続けています。



2013年10月21日月曜日

次へ始動

第10回東京都作業療法学会の盛会の興奮も覚めやらず、既に次への始動を始めます。


第1回日本臨床作業療法学会です。

これは、俺らに何かできるんじゃねえか?作業を大切にする仲間を増やし、支援したいという思いだけで、日本の臨床作業療法を変えようとする、8人のアツい中年(笑)達で立ち上げた学会です。


第1回は3月22〜23日で神奈川県立保健福祉大学で開催されます。

まだプログラムも発表していないのに、演題投稿が35題も集まっています。発表する内容は全部作業のこと。他職種も加わっているし、いったい演題何題集まるんだ!
しかし、これで良いんです。参加型の学会ですし、気軽に発表できる学会にしたいので。
さらに、OT系の学会では少ないのですが、毎年、学会でを出す予定です!!他の理事がなんと言おうと賞を出したい!(笑)ってみんな賛同してくれてるけどね。
プログラムでは参加型ワークショップをやるかもしれないし、決定しているのは最後に熱い思いの豪華理事達の多くが詰め合わせシンポで壇上に上ります!近いうちにプログラムがアップされる予定です。

皆さんで日本を変えましょう!

参加がまだの方はコチラから。定員は300名です。〆切の前に是非参加を。

感謝 深謝

本日(昨日)、第10回東京都作業療法学会が終了しました。
ありがとうございました。

実はこの学会のお話は過去に数回頂いたのですが、私がOT人生の中で唯一お断りしていた仕事でした。
若造がやるには重いなあと思ったからなんです。
今回は、依頼して頂いた先生の熱意と、緊急度などから、引き受けさせて頂きました。

しかし、学会長なんて初めてで、本当に何もできない。
そのような中、当院をはじめとした実行委員の方々、それと伴い、東京都士会から選ばれた実行委員の方のご支援無くしては全く成立しませんでした。
本当に心から感謝しています。

当日の朝は、起きて出ようと思ったら生憎の雨。
「いや〜今日はテンション下がってこないかもな?」と不安を抱えつつ、しかも楽観的にのんきに半沢直樹をiPadで見ながらあっという間に会場に着きました。
そこで、まさかのトラブル発生。まず、脱いでおいておいたはずのジャケットがない!(30分後発見)。そして、Mac Book Airがプロジェクターと反応しないPower Pointに変換したらずれまくり、会場まで残り時間は10分。急遽PDFに変換して、PDFで学会長講演をやる羽目になりました。俺のアニメーション、マジックムーブがああ!!
と思いながら開会式で、何も考えてなかったから、超テキトーなこと言っちゃった。反省。都市会長や来賓の先生方は、やはり場慣れしてるなあ。と思いました。
この垂れ幕がこの後まさかの展開に。。。

そして学会長講演へ。まさかの展開で、生まれて初めてPDFで講演しました(笑)その機転の利いた自分に自画自賛。会場を見てみると、友人のmiyakosobaさんや愚痴OTさん、yabukiuさんとかが見えて、感謝感謝です!
これからのビジネスモデルについて話をしました。
ほんとーに、この先明るくない可能性があるんですね。だから国が必要としている、Neetや生保やそれ以外にも病気や障害がないけど健康じゃない方々に僕らがすべきことはあるんじゃないかなって。人を病で見なくなれば可能性は広がるな〜。いつかやりたいな〜。詳しくは友人のmiyakosobaさんが書いてくれています(こちら)っていうか、ウケてねーって言うな!(笑)事実ですが。coffeeの綴りがcoffer?になっていたらしく、宮前先生に言われた赤っ恥かいた(笑)ちゃんと確認する時間がないと。


その後は特別講演、山田先生と宮前先生。お二人の歩んで来た道がよくわかりました。特に山田先生は、機能訓練ばっかやってんじゃね〜なんて喝に近いご意見を頂いたと思ったら、上の第10回の10の字が、ペリペリペリ。。。。って落ちて来た(笑)伝説の会になりました。俺もあれ位神通力が出るようにしないと。。。精進すべきです。山田先生は数々の方の出会いから今があるお話を頂きました。本当にエネルギッシュです。
宮前先生も、考えられるOTへと提言頂きました。ご自身も還元主義から作業モデルへ変化していった経験は本当に共感致しました。しかし、宮前先生の「最近の方達は自分で考えないことが多い。私の頭を使わないで下さい」は「倍返し」より私の流行語大賞です。

最後に質疑で頂いた、別に作業モデルは機能訓練を否定していないんだと。しかし、昨日だけになるんじゃないと。超大御所のお二人から、このご意見を頂いたことだけでも本学会は意義があると思いました。

その後は、各ブースの発表。過去最高の42演題が集まりました。当院は6人とも作業の実践の話ばかりです。初めての発表の人も多かったですが、本当に私や色々な人に、ダメ出しされて苦労した甲斐があり、発表することができました。お疲れさまでした。清々しく成長した感じに親心ながらほんのりしました。

当院の精鋭達

打ち上げで、当院のボランティアメンバー二人が決意表明で日本臨床作業療法学会に発表すると。おーやれ、やっちまいなって感じで、感化されています。

このような流れが作業療法全体に広がっていけばね〜。ほんと。

ふた開けば、雨の中、過去最大から約70人以上の224名の方に参加頂きました。
大盛況の中終わったことに、参加者の方、関係者の方々に感謝、深謝の一日でした。
ありがとうございました!!!
これから、溜まったタスクに取りかかります!!

2013年10月16日水曜日

東京でお待ちしております

外は台風。電車は動くようだが、ホントに動くかどうかわからない。
風が凄いので、バイクは無理、車も行けるか?行けないか?
こんなことなら有給もいっぱい残っているから休んでしまいたい。
しかし、管理職だし、今日は予演会があるから休めない。
予演会。予演会。。。。

そうだ。今週末は第10回東京都作業療法学会だ!

とわざとらしい触れ込みから。

とうとう週末に迫りました。
本当に、東京都士会の方々、当院スタッフをはじめとした実行委員の方々に助けられてここまできました。感無量でございます。
金遣いの荒さから(って本当に荒い訳じゃないんですが 笑)、予算をオーバーしてしまいまして、本当にご迷惑をおかけしました。
でも恐らく、皆さんがいらっしゃって下さるから、大丈夫と踏んでいます(笑)。
大失敗が従来の伝統に則り、当日の受付のみで事前受付をしなかったことです〜〜〜。
今までは事前申し込みをする勉強会しか企画したことがなかったので、参加者の皆様がどれくらいかわからず、めちゃくちゃ不安です。是非ご参加下さい。
最期に見所です〜。


1.学会長講演
作業が何タラ〜〜。といういつもの流れの話はあまりしません。僕ら作業療法士の今後のために新しい作業療法というビジネスを考えたとき、どうすれば良いか??ってことを私見から話します。他職種でも十分聞ける内容だと思いますが、多分こういう話はもうしないと思います〜依頼がないだろうから(笑)。


2.東京スタイルの抄録
表紙はポスター様にちょいオシャレチックにしています。中身は普通ですが(笑)。これは東京都士会員でさえ参加しないともらえません。是非ご参加を。

3.泣く子も黙る特別講演
温故知新ということばがあります。旧きを訪ね新しきを知る。還元主義全盛期の頃から作業への転換を図って来た我が国の第1人者の心境はどのようなものか?垣間みたくないですか?しかも、トップリーダーお二人から。同時にこんなお話を聴ける機会は二度とないと思います。是非ご参加を!!

4.選べるワークショップ
3種類のワークショップがございます。
1)人間作業モデルの熟練者達が行うワークショップ
これは、目白の小林先生を中心に脳卒中の方の心理社会的援助を恐らく臨床でどうすれば良いのかという話になると思います
2)認知症のワークショップ
パーソンセンタードケアの考え方から、認知症の方の捉え方および介入方法についての示唆もあると思います。実行委員長も出てきます!
3)福祉機器関連のワークショップ
東京都士会は福祉機器にかなり力を入れています。凄い良いことです。福祉機器は一発で結果が出ますし、それらについて色々見て触れるワークショップがなされると思います。

ワークショップと同時に高い上で口述演題もございます!

5.過去最高の口述演題
過去最高の42演題が集まりました!ありがとうございます。作業好きには朗報。多くの作業についての発表があります!色んな会場で是非見て下さい!

6.スタイリッシュな会場
池袋という立地条件にきれいな帝京平成大学で行います。1Fにコンビニがあるなんて、すごくないですか?(僕の大学は1年時大学内にマックがありましたが)。ちなみに、セキュリティーも凄く、違う階に行くと警報が鳴りますのでご注意下さい。池袋なので、帰りの飲み会や観光も気軽に行けます(笑)

以上です。週末、みなさまが池袋にいらっしゃることを信じて、お待ちしております!



風が強くなって来た〜。バイクは無理だ。

2013年10月4日金曜日

病院スタッフに合宿をやってきました

先週に病院OTスタッフのために合宿をやってきました。

今回のきっかけは、私が外で話を沢山しているが、病院内でOTの話をあまりしないということからでした。まあそれには理由があるのですが。。。


まあ、いずれにせよ、いつも働いてくれるスタッフのために何かできないかな?とはずーっと思っていたので、希望者を募り合宿を開催することになりました。
このことに対して全力以上にやりたいと思っていました。
故に、今回のテーマは

「お・も・て・な・し」

でございます。

去年の作業療法臨床実践研究会の合宿では世話人で分担したので良かったのですが、今回は全て一人。約1ヶ月かけて、全4講義+エピローグの資料を作成しました。もう2度とこのレベルはできないと思う位に燃え尽きました!

1コマ目は自分が作業に目覚めた理由です。
完全還元主義であった自分が、長い葛藤の末に何故作業に目覚めたのか?当院のスタッフには知って欲しかったのです。作業を大切にする職場を仕立てた所以(ゆえん)を。

2コマ目はTop down とBottom upなどのプロセスモデルについて。
Top to bottomやBottom Stay そして、自分が考えたTop stay等について話をしました。

3コマ目はOTIPMとCMOP-E
世の中の作業療法士が勘違いし易そうな部分やOBPやOFPと重ねて話をしました。
最終的には事例をOTIPMとCPPFでまとめることをしました。実践しなければ意味がないですね。

その後はBBQと花火!
皆ウチの娘と息子をかわいがってくれて、子供達はかなりご機嫌でした!ありがとぅ〜!
特製スペアリブに精を出す。しかし自分が食えなんだ〜(笑)

花火に興じる花火隊長=スタッフがつけてくれたあだ名(娘)

結局朝はいつもの時間に目が覚め、せっせとこっそりと後片付け(笑)

そして朝ご飯を愉しんだ後、2日目は面接のすすめ
全てを心から一人の人間として接すること。そして、クライエントに作業療法の説明をどうすればいいのか。などのディスカッション等もしました。そして、若干改定した文脈のリーズニングプロセス&シート。ここがミソで、自分がやっている面接は完全Automaticになっていますが、それを構成的にしたらどうなるだろうか?と思いながら作りました。
面接は大して難しくないという人がいるけれども、それには賛同できない。自分も悩んだし、いっぱい失敗もした。難しくないと言ってしまうと、その人がクライエントとの恊働ができるかどうかも疑わしくなる。自転車乗れる人が、乗れない人に対して、自転車なんて簡単だよというのと一緒。結局思考回路の根底にセラピスト中心がある気がしてしまう。
だから、スタッフが面接に悩まないように。このプロセスとシートは、スタッフに自分の思考回路を伝えるためにはどうしたらいいだろうか?という思いだけで作ったものです。恐らく、クライエントに対する姿勢および、このプロセス&シートで鍛錬したら面接技術があがるのではと期待しています。
合宿で当院は、日本で一番文脈を深く考える職場だと豪語しましたし、本当にそう思っています。当院の文脈の深さはマリアナ海溝位深い。それ故に、スタッフはなかなか認めてもらえないからかわいそうです。しかし、そのような中で手に入れたものはホンモノですし、そのように参加スタッフも思ってくれたでしょう。真の意味でクライエントの文脈で寄り添えれば作業療法が良いサービスになり得ないことはあり得ないです。

最終的にテストもしました。テストはほ。。。んとーーーーに、理解度が分かっていいと思いました。それがフィードバックになる。結果からどう学ぶか?結果を知らずして、成長はない。

今回の参加のスタッフはこれから当院を盛り上げていってくれるでしょう!

大成功の大団円は流しそうめん。


普段は気難しい感じで取っ付きにくい所属長でしたが、本合宿ではスタッフと寄り添えて非常に有意義な会でした。

しかし、もう1回やる気力がないな(笑)。希望が多けりゃ考えるが。

次は10月20日東京都作業療法学会です。是非いらっしゃって下さい。
打って変わって、全てのスライドは今までにない完全オリジナルで、作業療法の今後の行く末と新しいビジネスモデルを提案します。

2013年9月15日日曜日

作業行動学会でお話しさせて頂きました。

岡山の作業行動学会に呼んで頂いています。本当に貴重な機会をありがとうございます。
2次会も終わり、九州の楽しい人たちと飲み会をしながら、早めに帰ってきました。
(そういえば、誘って頂いた先生と逸れて飲みにいかなかったなあ。申し訳ない)
友人のtomoriさんに、「最近更新していないよね?」とさらっと言われました(苦笑)。そして、更新です。

大会長、実行委員長をはじめとした皆さんのご尽力で、はじまって以来の大盛況だったようです。私は、OBP(Occupation Based Practice)のフロンティアというシンポジストとして、藤本さんと宮崎さんとご一緒させて頂きました。

フロンティアと言われても。。。私は他のお二人と違って。当院はまだまだやるべきこともありますしね。と恐縮ながらの話です。でもお二人とも顔見知りでしたので、凄い安心でした!

会場では山田先生をはじめ色々な大御所の先生方やお会いしたことのある方々の顔ぶれ。
そして、藤本さんの流暢な講演を聞きながら自分の番を待っていたらすげー胃が痛くなっちゃいました。※終わった後に胃薬買いに行きました(マジで)。

藤本さんの講演で言いたいことと自分の発表で言いたいことは本当に似ていて、同じ境遇の人がいて心強かったです。

逆に宮崎さんの講演は、これから自分がやりたいことという、一歩先に進んだ感じで、どちらも本当に勉強になりました。クライエントというより、地域や組織を相手にしているという感じでしたね。

私の講演はほんとにあんなんで良かったのかなあ?と思いましたが、言いたいことは、実行委員長のやぶ脇(やぶという漢字が出ない 笑)さんがうまくまとめて下さったのですが、以下の2点

1.結果にこだわる
偶然の産物ではなく、戦略的に作業にアプローチすることで必然に出た結果だということを示すということですね。環境を変えるには、結果に必ずこだわる必要があります。

2.職場の一員として貢献すること
所属している組織の一員です。文句を言いたくなる気持ちも分かりますが、最終的には自分で選んだ道です。組織に全く貢献しない人間は上層部は良く思わないでしょう。作業療法に限らず、色々な観点から職場になくてはならない人になりましょう。必然的に発言力は増します。


「できないことを嘆く」より「どうしたらできるか?」を考える。
作業療法と一緒ですね。

今日はOBPのイノベーションということで、tomoriさんをはじめとして、これまた顔見知りの三人の講演ですが、残念ながら、義祖母の米寿祝いが突然舞い込んで来て、朝に帰京しなくてはなりません〜。ツイート待っています。

そして、次は来月の第10回東京作業療法学会です。
私の学会長講演は「東京から発信する新しい作業療法の創造」です。
新ビジネスモデルについて、私見から話をしようと考えています。ヒントも宮崎さんにもらったしね。是非、ご参加を。

そして、3月の日本臨床作業療法学会、こちらはマジヤバの状況です。楽しさいっぱいで色々言えませんが、学会長講演は今後の日本型作業療法について話したいと鋭意研究中です。いっちゃった(笑)。
申し込みはこちらから

2013年8月26日月曜日

第1回 日本臨床作業療法学会 学術集会

今年度は、OT学会、訪問リハ学会の発表をはじめ、本の執筆、去年と同様に、今年も色々御呼び頂き、有り難い限りです。

今年、生まれてはじめて学会長をさせて頂くことになったのですが、タイミングが重なり、2つの学会の学会長をさせて頂くことになりました。
まず第1陣が
「第10回東京都作業療法学会」
これは、すでに色々なところで宣伝されています。是非皆さんご参加を!

今日は第1回日本臨床作業療法学会の学術集会の募集がはじまりました!!ということのご案内です。


僭越ながら私が会長をさせて頂いています。
実行委員長はmiyakosobaさん。
恐らく休暇中なのにすでにご案内がブログでされております。こちら

この学会は、気軽に色んな人が建設的に学会発表して、作業ってすげーなぁと皆で共有できる。そして、日本の臨床力を学術的にも証明していくという気持ちを大事に、有志達で結成した学会です。
理事は若造?ばかりですが、僕らにもできることがあるだろう。と思っています。そして、上下関係無しに皆で盛り上がるということ。この学会は皆で作り上げるというのがコンセプトの一つです。学会も通常の学会とは違う感じに仕上がると思います!

既にかなりの人達が発表を決めて下さっているようです。そうです。それなんです。みんな気軽に発表して下さい。マジで。

そして、必ず皆で作ろうと思っているのが、学会賞!!
OT系学会には少ない、賞をルーティンに設けます!
予算が無くても設けます(笑)発表しないと絶対もらえないよ(笑)

また、僕はこの学会で学会長講演をさせて頂くことになっていますが、おおよその内容は既に決まっています。皆さんにお伝えしたいくらいですが、もったいぶって内緒にしておきます。今からこのスライドを作るのが楽しみでしょうがないのです。いやマジで。その前にmustで一論文書かなくてはいけないので、それも急がないと。

みなさんも発表するなら、今でしょ!?的にお願いします。

しかし、記念すべき第1回は何しろ定員が少ない!お早めに!

でも先ずは、作業行動学会都学会なのですが(笑)。こちらもよろしくお願い致します。


2013年8月11日日曜日

みなもと(義経じゃないよ)

かなりおひさの更新でございます。僕は更新がおろそかになるので、1度の内容が長くなりますね。

侍さん率いる、事例本の執筆も終わり、休暇も少々頂き、論文にかかろうと思いきや、出張やら家族サービスやらでいまいちペースに乗り切れていません。。。

昨日、池袋でプリキュアなんとかというものに連れて行かれました。娘につれられた疲労のお父さんとともに近寄りがたいオーラを発信しているオタクさん達のオンパレードです。とんでもない人もそうなのですが、プリキュアショーというなんともいいがたい巨大人形が集まるショーで20キロオーバーの娘を肩車しながら、片手でビデオ撮影を20分。肩を受傷しました。。

そんなときに隣りからトントン「めがねさん(本名で呼ばれましたが)」と。
誰かと思ったら訪問リハの権威、PTのA先生。
「お互い大変ですね〜」といいつつ、二人とも肩車をしながら簡単に仕事の話等も(笑)
立ち肩車ばなしです(笑)。

そういえば私がお世話になっている桑山先生が担当されています、訪問リハ未来サミットが東京で開催されるそうです。興味のある方は是非ご参加を。



さて、ここからが本番です。
作業療法、特に作業を大切にしている人達が大事にしている文脈や個人因子。そして、作業の動機の根底となるスピリチュアリティなど。皆さんはどう考えているのでしょうか?学会や講演会、講習会、当院の事例発表等さまざまなところで事例の文脈を聞きますが、基本的に僕の心がスッキリすることはまずありません。僕自身もクライエントとスッキリするに全て至る訳でもありません。
自分で自分がこうしたいと自己主張や提案をしてくれるクライエントの場合はそんなに考えなくとも、恊働が可能になるかもしれませんが、おおよその作業療法士が悩んでいる、面接がうまく行かない、この作業で本当にいいのか?と思う場合は、大体の場合この文脈のリーズニングができていないんだと思います。

侍OTさんの大好きな作業科学の共通の理解地平の地、
Tomoriさんの推奨するShare decision Making(SDM)、

これらは全てクライエントとの恊働も指しています。
僕は恊働とは二人三脚やマラソンの伴走だと思っています。お互いに走ること。
一緒に目標に向かって走ることです。

クライエント「おい、俺客だぞ、おんぶして目標地点まで連れて行け」
OT「はい。わかりました」

って言う構図のことが結構あります。
マラソンの伴走者が代わりに走るのは失格です。

当院で僕がフィードバックするときにはここを徹底的に突っ込むので、恐らくウチのスタッフは参ってしまうかもしれません。しかし、いいと思うときには、全国、全世界にわたっても、素晴らしいと言える事例の文脈だと思っていますので、ウチのスタッフには自信を持ってもらいたいですね〜。ってお前がなんとかしろっということですが。

そこで当院で良く聞く文脈の捉え方の不十分な例を家のプリキュアのジグソーパズルを見ていて、思いました。リーズニングの一助となればと思います。
作業の面接では作業の問題について話し合います。その作業遂行障害に陥っている作業をやりたいと思う、動機やみなもと、価値が形成された過去のエピソードは何なのか?を探ります。

1、関係のない情報が沢山ある。プリキュアのパズルにこびとづかんのパズルが。。


こういう事例の場合は、
例えば
 「家族のために夕ご飯が作りたい!」というクライエントの文脈のところに、昔は友達との山をかけずり回った。とか、映画を見るのが趣味だった。とかそういことを書いていたりします。これらの情報が全く無意味とは言いませんが、クライエントの料理の作業の文脈のピースではない、上記の例で言えば「こびとづかん」のピースです。
 プリキュアのピースとなるのは、「幼少期、両親が共働きで、一緒に夕ご飯を食べることが少なく、寂しい思いをしたので、自分が大人になったときには皆で手を合わせていただきますができるような温かい家庭を作りたいと思っていた」といったとこでしょうか。

2、肝心なピースが足りない


 顔が〜ない(笑)。聞いていて、その先は?と思うことが良くあります。
 例えば、上記の料理の例だと、「家族のために作ってあげたいから、いつも作っていたから」で終わってしまっている。でも、気づきませんか?こういうことを言うクライエントは沢山いること。その文脈では個がなくなります。そのひとをその人足らしめるみなもとの文脈が足りません。その人が見えてくる文脈でないといけません。だって僕らのやる作業療法は「Only one」でオーダーメイドなのですから。

共通の理解地平および本当の意味でShareするにはその人がどんな人なのか、何に価値をおいているのか、心の底から理解しようとしなくてはいけません。ただ闇雲に過去の話を聴くだけでは不十分なのです。もちろん分からないことも多いかもしれませんが、知る努力が必要だと思います。

当院では、有志に対して、めがね作成のリーズニングシートを試験的に用いて練習しています。(ADOCのマトリクス画面も勿論有用ですよ 笑)作業を心から愛している人達にこういうリーズニングシートの話をした際に「可能性が狭まる」といったことで否定されたこともありましたが、あまり気にしていません。
なぜなら、作業の文脈をしっかり捉えるようになるということを共有しているのは自分の病院の職員ですので、彼らができるようになるためにあらゆる手段を使いたいと思うからです。自分ができるから他の人もこうやれっていうのはある意味パターナリズムで、自分がやって来たことを如何に楽に達成できるかに主眼をおきたい。

全く水に顔もつけられない「海女」志望の女性に、
①はじめから漁場に行って潜る練習から始めるのか?
②まずは家の洗面器から始めるのか?

僕は②派であることが多いです。だって作業療法には素晴らしい考え方Gradingという技術があるから。

長文失礼しました。





2013年7月23日火曜日

第10回東京都作業療法学会

私事ですが。。。。

第10回東京都作業療法学会の学会長を仰せつかり、現在着々と準備を進めております。

本学会では、過去を知り、新しく向かうべき作業療法の形を考えたいと思っています。

私の学会長講演もございますが、一番の目玉は
山田先生と宮前先生のjointによる、経験論。
先生方がどのようにして作業というものが素晴らしいと感じるようになられたのかが垣間みれると思います。今から私も楽しみでしょうがありません。こんな全国学会でも見られないようなチャンスは2度と無いかもしれません。



上記は学会ポスターですが、背景のスカイツリーをバックとしたOccupationの→はこれから向かうべき作業の方向性を東京から発信する願いが込められています。


そして、とうとう、演題登録が開始となりました。
本学会は、東京都学会以外の方でも、作業療法士以外の方でも参加可能はもちろんの事、作業に関する事であればどなたでも発表可能です!(協会や各県士会には所属必要です)どうやら学会長の権限のようです。

是非、この機会に発表してみて下さい!

お待ちしております!

学会の抄録〆切は8月半ばを予定しています。
詳しくはこちら

2013年7月13日土曜日

今後の業界の行く末は。。。めがね的未来予想図

おはようございます。ちょっとやってしまい、体の節々が痛いです。息子には風邪をうつし、39度の高熱と罪悪感いっぱいの土曜の朝でございます。

さて、この案件についてはすっご〜〜〜く昔から書きたいと思っていたんです。昔教員時代にPBL教育というのをやっていました。簡単に説明すると学生にシナリオの紙切れだけ渡して、グループでディスカッションし集団で自己学習してもらうという魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える学習方法なのですが、そのシナリオに「給与が〇〇のスタッフが〇〇名います。リハ科内で採算にあう老健を作って下さい。」なんて課題を出したほど、昔から経営に敏感です。ちなみに、こうすると介護保険の細かいところ(実は臨床の管理上とても重要なところ)も自ら学びますし、数グループはデイケアを併設しないと割に合わんというちゃんとした回答も導きだせました!パチパチパチ〜!!

と言いたいのはそんなことじゃなく(笑)。介護保険の話だけではなくて、医療保険も踏まえた今後の話です。

僕らの業界はこのまま、人数を増やして、今の感じで進むんですかねえ。
僕らのような40代前の人間からこれからPT、OTになろうとしている人達まで。
どう考えているだろう。

今日はめがね的未来予想図を描きたいと思います。ドリカムの歌のように良いもんじゃないけどね。

まず。皆さんは「B3シナリオ」をご存知でしょうか?
特に私立の病院、施設、事業所で医療職の管理されている方にはご存知!のものだと思います。
高齢者が最高にふくれあがると言われる、通称2025年問題に対して、厚生労働省が対策と方針を大まかに決めているものそれがB1、B2、B3シナリオです。今の現状の医療制度を継続するのがAシナリオですが、そのままでは確実に破綻する事がわかっています。そして、それを解決するためには抜本的に医療・介護制度を見直さなくてはならない。その中で最も大胆で推奨されたい(とは言ってないが、感じられる)シナリオがB3シナリオです。

B3シナリオには様々なものがありますが、我々に直接的に関係する事は医療機関での入院期間。一般的な平均入院期間を急性期で7日、回復期で60日にするというものです。急性期で現在の半分、回復期で現在の2/3以下の入院期間という事です。要するに早く退院させて在宅に帰す。それで医療費を削減するという事です。
 ここから読み解けることは、回復期は亜急性期の様相を確実に呈するという事です。現在も重症の人を受け入れる仕組みができています。新基準の回復期Ⅰは看護必要度のA項目で重症判定されないといけません。(あっちなみに次の改正で不正の温床である「血圧5回以上測定」はなくなると思います。)回復期でも常にモニター管理とか、酸素吸入、そして頸部骨折術後の抜糸は回復期でとかは当たり前になってくる時代がくるかもしれません。急性期はさらにめまぐるしく、1人のクライエントに接する時間が少なくなるでしょう。しかし、かなり早期からの介入が多くなると思います。そして、確実に人が足りない状況ですから、医療保険の加算(例えば回復期の充実加算や休日加算)による誘導がなされると思います。OT協会は地域へ目を向けていますが、確実に急性期に手厚い医療点数が付与されると思います。OTのシェアとして急性期から離れてはならないと思います。
 僕らは医療保険制度に守られて暮らしている人のシェアがNo1なのですから。現状のままでは所詮保険から離れては生きていけないのよ。シータも言っとります。
「人は土から離れては生きていけないのよ」

でも地域に早期にお帰しする仕組みなので、地域を充実させるという事も間違いなく必要になってくる事だと思います。

しかし、早く在宅に帰そうとも、消費税を上げようとも、高齢者の増加率は半端じゃないので、医療・介護費はカツカツです。そして、これらの報酬はどうやって決まっているか?というと、そうです。国会で決まっているんですねえ。この背景には職能団体のやり取りがかなりあります。簡単に言うとそれぞれの団体が決まったお金の中で駆け引きしている。いわゆるお金の取り合いです。お母さんの財布に1000円はいっていて、兄弟5人で均等に分けるという事はありません。強いものが生き残るという弱肉強食の世界ですよ。
医療業界で言うと、
1。やっぱり強い日本医師会
2。ここも強い看護協会
3。結構強いです薬剤師協会
PT、OT、STは政治力としては強い方じゃないんですね。初期の頃は医師の方々のご尽力に助けられてきました。でもいつもOT協会は他協会と連携して頑張ってくれています。だから国会議員の選出と、組織率の向上が必要なんですね。協会は職能団体なのです。ある視点から見ると僕らの食い扶持を守るものなんですねえ。だから加入しましょう。そして国会議員は今1人もいないので、(山口かずゆきさんが再立候補するようです)、僕らの先は決して明るくない。

さらに追い打ちをかけるように言えば、毎年毎年とんでもない数の後輩が排出される。コレ自体はいいことでもある。しかし、それと同様に、リハビリテーションに係る医療・介護保険費が年年莫大にふくれあがっているんですね。単価は変わらなくても、算定するセラピスト数が増えればそりゃ医療費・介護費も嵩みます。そしてこれからも増え続けます。そうしたら国はどうするでしょう。

ここで中まとめします。
・高齢者は2025年にむけて増える
・厚労省は医療・介護保険料を抑制したい
・セラピストの数は増え、リハ算定量は増加の一方
・政治力が弱い

結論から言えば、リハビリテーション施行単価を下げられてもおかしくない状況にあり、それに伴い僕らの平均年収は下がる可能性がある。ということです。リハ単価が下がれば、僕らの商品価値は下がります。あげるためには歩合制の所はよりいっそう単位を取れという話になるでしょうし、その為には無理なことやグレーな事も積極的にやりなさいと指示される施設・病院が増えてしまう事は容易に考えられます。

一方、就職先がなくなるかというと?今のところ2025年まではあるかもしれません。競争は激化するでしょうが。でも地域によってはまずなくなるでしょう。

今でもそうですが、2025年を越えると、人口減少に拍車がかかると思います。そうすると医療業界で増やしたシェアが狭くなるという事になります。病院で患者算数が減り(要するに顧客が減り)、潰れる医療機関や介護施設が増えるかもしれません。もちろん養成校も閉校するところが増えるかもしれません。

明るい材料としては、
バイタリティのあるパイオニアにより医療・介護制度に頼らない企業というものが増えてくると思います。そして、いわゆる罹患者だけではなく健常者に対しても、保険診療外でなんらかのリハビリテーションサービスを展開する人達が出てくるんじゃないかなあ。でもこれは簡単な事じゃないんだけど。でも、職種イメージが今あるように安心・安泰(実際、他業種から転職のために専門学校を入って、安泰を求めにくる人達は結構いらっしゃいますよね)ではなく、世の中の荒波で勝ち残るというものに変わるかもしれません。


とここ数年は踏んでおります。今後どのように法改正され、僕たちの未来が決まるのか?常に考え続けないといけないですね。そしてどの時代でも求め続けられるように自分の知識・技術を磨き続けなくてはならないですね。

僕らの未来はどこへ向かうのか


長文で申し訳ありませんでした。

2013年7月6日土曜日

作業乃風 質問集

遅くなってすみません〜〜〜。

作業乃風で講演させて頂き、その感想および質問を頂いていました!
ブログ上で返答するといい、早2ヶ月近く経ってしまいました。本当にすみません。

感想では本当に多くの方が面白いと思って頂けたようで、嬉しいです。
ありがとうございます。

以下に頂いた質問について答えさせて頂きたいと思います。

Q 昔、ボバースや活分を学ばれていたと思うのですが、ハンドリング等はどのように役立てていらっしゃいますか?

A あまり体に触らなくなったので、ハンドリングを直にやるという事は少ないですが、姿勢や動作分析に大変役立っています。当時の活分は作業の手段的利用の側面が大き   かった気がします。作業遂行分析に当時の考えは役に立っています。

Q 個別 と 特定 の作業療法の違いについて

A 文脈がちょっとわかりかねるので、どのような意味合いで自分も使っていたのかがわからないのですが、恐らく、個別は目的的にその人がやりたいと思う作業の話をしていて、特定は手段的に何かを利用するときに使っていたのかな?すみません。

Q 面接が長くなってしまったり、作業を聞き出せなかったりします。コツは何かありますか?(その他多数)
Q どのような面接(言葉かけや評価シートなど)を行うと、よりクライアントの心を引き出すことができるとお考えですか?

A 面接については、当院のOTからも良く聞かれます。侍OTさんやOSの岡千晴さんとかもお話しされていましたが、作業療法の説明を始めに入れる事は重要かなと思います。私が気をつけている事は相手を良く知る事、クライエントのマブダチになるつもりで色んな事を聞きます。そのときに挙げられた作業に焦点を当てて聞きます。その作業を選択するに至った作業歴についても聞き、ジグソーパズルを埋め合わせるかのごとく面接を愉しみます。評価シートのリーズニング用シートを現在当院で色々模索しているところです。その作業を挙げた背景を紡ぐ糸の整理の仕方については何かの機会にまとめられたらいいなあと考えています。

Q Megane(私)の病院ではトップtoボトムで介入して、機能・能力向上に伴う作業の実動作を行っていく流れですか?もしその解釈で正しいなら、どのタイミングで作業の実動作を提案していますか?

A 状況によります。実動作のみで行く場合もありますし、そのために機能訓練後に実動作を入れる場合もあります。まずは観察して、問題がどこにあるかを特定し、そして、その戦略をクライエントと一緒に考えます。Top to bottomの場合は、ある程度機能が獲得されて来てから、実動作に移行します。

Q クライアントの意見中心にすることは大切だと思うが、それではADLがよくならない、ADLが見れていないと思われてしまいそう。クライアントのニード、OTとしての目標の割合が難しいのですが・・・?

A 私はADLも重要だと思います。クライエントと彼らを取り巻く人、OTの専門的な見地を恊働して、クライエントの目標を決めることが重要と思います。もちろんADLを挙げる方もいらっしゃるでしょうし、中にはADL以外を訴える方もいらっしゃると思います。何を目標にするかはクライエントが教えてくれます。多くはADLからのアプローチとなるでしょうが、中にはADLじゃない人もいらっしゃるとは思います。


Q 面接の中で、説明についてどのような内容を伝えていますか?

A 具体的な生活の中での作業の説明をします。個人的な印象ですが、OSを勉強されている方は説明がうまい上にこだわりの説明をされている気がします。



Q 講師に来ていただくのには、どんな条件が必要でしょうか?

A 来て下さいという連絡と予定が空いていることです(笑)。



Q 統合失調症の方へのOBPの事例で面白いものがあれば知りたいのですが?

A 私は存じ上げないのですが、恐らく、今書いている事例本に出てくるケースがあるのではと思います。


Q 介入に失敗したときの立ち直り方、失敗を成功に変える方法を知りたいです。

A 失敗から学ぶ事だと思います。何がダメだったのかをリーズニングすることだと思います。そして周りに慰めてもらって酒に溺れる事です(冗談です)


Q 認知面がクリアではない方へ、面接で工夫されていることがあれば教えていただきたいのですが?
Q 失語や認知面の低下などで、言語を通して面接という形がとれない場合は、どのように対応したら良いでしょうか?

A 似たような質問なので同時に。失語や認知症にADOCが有効という発表もあります。今回の発表で友利さんがADOCのカットオフをMMSE8点と推定されていました。統計上の話なので、それ以下でも有用かもしれませんし、それ以上でも有用でないかもしれません。一回使ってみる価値はあるかもしれません。認知的にクリアでない方々には誰をクライエントとするのか?という観点で、家族に対して面接を行うかもしれません。クライエント本人には作業参加という観点からMOHO的なアプローチが最適なのではと個人的に思います。


Q 訪問系で、どういったプロセスでOTを行っているか知りたいです。

A 基本的に流れは入院と変わりませんが、観察は必須で、実動作による練習メインです。


Q 澤田先生のおっしゃる“結果”というのは、もちろん生活していく上での結果のことでしょうか?


A おっしゃる通りです。関節角度が10度改善しても生活に繋がらなければ作業療法的結果とは言えないと思います。


Q 理想は大きいけどなかなか現実に実践するのに悩みます…。

A 大きい理想は持ち続けて下さい。小さな1歩でもいいので前に踏み出せば拓けると思います。

Q 作業療法の理論を概観から勉強するのによい文献があれば知りたいです。

A 以外に簡単にまとめているものが無いんだなあと私も思っています。作業療法の6つの理論は理論の本ですが、少々長いです。今書いている事例本には短くまとめているのですが、とっかかりにはいいかもしれません。しかし、真に理解されるには成書を参考にされたら良いと思います。

Q 澤田先生の治療は、トップダウンアプローチを中心にされていると思いますが、その方のいちばんしたいことから始めていくのですか?したいことの順番は、COPMのような感じで決めていくのでしょうか?

A おっしゃるとおりです。一緒に決めていきます。





Q 回復期の限られた時間の中で、目的となる手段に結び付けるのは、患者様の障害受容の面からも難しいなと感じることがあります。精神的なケアなどどのようにとらえていけばよいのでしょうか?

A 受容をする、しない、はクライエント本人の問題だと私は思っています。作業療法士はその人の状況に寄り添い、様々なものを共有します。しかし、クライエントも共有しなくてはなりません。それは責任であり、クライエントは決定しなくてはなりません。限られた時間の中でどのように作業療法の時間を使うのか、クライエントがそれを決定するために作業療法士がお手伝いする事はそう難しい事ではないと思います。


Q ADOCを使用して、クライアントと関わったことがあります。ADOCで選択した作業の練習を行ったことでそれを達成できましたが、クライアントからは、上肢機能が良くならないとの訴えが続きました。作業療法士として、希望した作業の中で、どう上肢を使うかということを、目標共有すべきだったのでしょうか?







A  クライエントが達成できたのは非常に嬉しい事ですね。上肢機能を良くして下さいという受け身的なのでは無いでしょうか?上肢機能を良くしたいというのは常にあるのでしょうね。そこも共有する必要があると思います。上肢機能の予後等に関する作業療法士の知識も共有すべきと思います。クライエントが上肢機能をどのような大切な作業に利用したいのか、また主体的に上肢機能を良くするためにはどうすれば良いのかを一緒に考えてみるのも一つの手かもしれません。

以上です。色々なご意見ありがとうございました。







声枯れのOT学会

もう先週なのか〜
と思いつつ1週間。OT学会参加してきました。

今回の学会はめちゃくちゃ楽しみだったんですよね。色んな人にあって、色んな話をしたかったのです。つもる話が山ほどとは本当にこの事です。

食の街大阪。もっとたこ焼き食っとけば良かった


前日入りで、売り上げ会議でチクチク言われてからの新幹線。
侍さんと待ち合わせて、侍さん、そしてその部下の方、いきなり飲み会開始(笑)
すぐに@miyakosobaさんが品川で合流し、つもる話を。。。といざとなるとあんまり出てこないね(笑)と言いつつもコアな話を色々しました。イーブンで話ができる仲間ができる事に本当に感謝です。
ただ一つ、前日から風邪を若干引いたみたいで、声が微妙だったんですが、行きの新幹線で悪化。琉球OTさんと合流する頃にはガラガラ声になっていました。

翌日はADOCの発表やCEQの発表、当院のスタッフの発表を聞きました。作業系の発表が本当に増えたなあと思う学会でした。また、当院から6名発表で、発表前には色々指導でてんてこ舞いにもなりましたが、みんな発表するという意気込みがあったので良かったです。特に事例ではみんな良い事をやっていたので、それを色んな人に見て頂くのは有意義だなと感じました。多くの方にご意見を頂いたみたいでいい経験になったんじゃないかなあと思います。学会発表とは面白いもので、スタッフを見てみると1回発表すると次も発表してみようかなという気になる。意外にそんなに難しくないものだと思います。

夜にはADOCコアメンバーと世界の竹林(ナベアツ風)先生(笑)ととある方々でお食事をして、面白い話ができました。彼らと話をしていると、僕らで何かができそうな気がしてならない気がする。本当にパワーを頂けるスーパーOT達です。しかし、声は既に平泉成になっていました。(竹林さんって会うとすげージェントルなのに、SNS上ではキャッチーな感で出てると思うの俺だけかな)。みんなで色んな形でOTに貢献できればと思います。

3日目はADOCコアメンバーの発表、ADOC-sのお披露目。とんでもない数です。ADOC-sの開発メンバーがてんやわんやで話をされていました。chibikkoOTさんがオーディエンスを泣かせていたので、どんなやねんADOCメンバーっていつも端から見てて思います(笑)このアプリによって多くの子供、お母さん、先生が幸せになればなあと切に思います。一方自分の発表もありました。OT全然関係ない感じの発表だったんですが、思いのほかとんでもない人数に来て頂きました。

この発表は、多くの病院で言われている事を公にしたかったんですね。多くの病院で経営のために単位数を上げろ、と言われるけど、決して僕らは楽をしている訳でもないし、同行率を上げても真っ当な仕事をして、1日8時間で残業無しの生活を確保すると、1日24単位なんてできっこ無い。いいサービスだったら1日平均16単位位が妥当だろう。それなのに、公の雑誌で一日平均19単位とか平気で書かれてしまっている。上の意見も聞きつつ、経営に貢献し、いいサービスを提供するためにはどうすれば良いのかを提案したかった。そういう発表が今までに無かっただけ。聖域なんて無いから、そこに風穴が開けれれば、少しは全国で経営陣と交渉できる人達が増えるかなあと思っただけです。

終わったときに声はガラガラ。
1週間経った今も完治していないという(笑)。

来年はWFOT。横浜、今から楽しみです。


2013年6月23日日曜日

めがねOTのレポート指導法 (初期評価編)

おはようございます。

今日は就職説明会なので、日曜出勤行きの電車の中で書いています。
学生さんは今日は数少ないだろうなというのと、最近実習生の人が多いなあと今、OTだけで4人位きてるんでは?と、受けるだけ受けて自分で担当しないのでタチの悪い上司です。ごめんなさい。スタッフの皆さん。

そんなこんなで私の実習レポートの指導法(初期評価編)を書きます。
従来型の、基本情報、他部門情報、書いて、検査書いてって感じじゃないです。


今はだいたいこんな指導法ですね。

その1
まずは学生さんにレポートなんて実はどうでもいい。クライエントの事を考えてくれ。
という

レポートに追われてクライエントの事を考えないなんて本末転倒。そもそも、学生とSVの間にははじめから立場が違う訳なので、本質を言って安心してもらいます。

その2
過去の学生のレポートを自由に見せます。んで、こうやって書いてねって言います。
コピーを渡したりもします。

そもそも、そういう書き方に慣れていないので、お手本があった方がいいですよね。レポートの書き方で行き先もわからず、自分で探せという事に時間を費やす事ははっきり言って不毛だと思っています。

その3
こっから実際の書き方です。
はじめは、文脈です。
1。クライエントの文脈 ということで
どのような人か?どうなったか、ということをつらつらとかいてもらいます。これは実習全般の期間にわたって、その人がどんな人かもっと知りなくなった場合に、その都度クライエントのところへ言って話をしてもらいます。はじめは面接がとっかかりですが、その後は勝手に行ってもらいます。

その4
2.作業の選択
ですね。作業選択です。COPM,ADOCなんでもありです。やりたい事をやってもらいます。その背景も忘れずに書いてもらいます。可能であれば、満足度などの数値データももちろん載せます。
この時、僕は学生さんと一緒に面接します。悪いくせが、自分が楽しくなっちゃってついつい自分で面接しちゃう事(苦笑)。

その5
3.作業遂行分析
実際のその作業を観察可能であれば、観察します。AMPS的に行為について見たままを記載してもらいます。
そしてその後、考察も入れた3つの視点で表にまとめます。
それは次のようです

・観察された事項 
・考えられる要因
・必要な評価

例は

・観察された事項 靴に手を伸ばそうとするが届かない 
・考えられる要因 右股関節のROM制限 腰背部の筋緊張の増加
・必要な評価   右股関節のROM測定 腰背部の筋緊張

これは機能的な例ですが、この二つを計測してみて、緊張は高くなく、ROMのみ制限があれば、この作業遂行障害の原因は右股関節のROM制限となるので、解釈が簡単です。トップダウンでは統合と解釈で悩みません。

その他の例では
・観察された事項 キュウリを洗い桶の水で洗う(非衛生的か?)
・考えられる要因 前頭葉症状 もともとそういう方法
・必要な評価   FAB 家族からの情報収集

というようです。評価は学生さんが選択したものを優先します。明らかに違う場合はアドバイスはもちろんします。ここで注目は、他者からの情報収集もここで出てきます。よく言うのが、多職種からの情報収集をはじめのほうにさせたりする実習がほとんどでしょうが(医師はありだと思いますが)、させられ体験がほとんどじゃないですかね?Social Skillの高い子は質問を適当にできるでしょうが。
だから、他部門が目指す目標、やっている事だけ聞いて終わる。
そうじゃなくて、OTとしてこういうところが観察されたから、PT的にはどう思いますか?とか(例えば、料理がしたいっていっているんですけど、キッチンでお皿を持って歩く時ふらつきが激しいんです。PTの方では、歩行は如何ですか?とか)。臨床では自分が得た知見から、多職種と一緒に話を進めていくと思いますが、実習ではそうではない。それもおかしな話だと個人的には思います。

その6
5に基づいて、必要な評価のみ行います

その7
評価結果から統合と解釈します。楽です。
最終的に図示するとわかり易い(学生さんの頭を整理するのに)です。

その8

レポート表紙。タイトルを付けてもらいます(最後だけど)。その人にあったタイトルです。「大切な畑を耕すための作業療法の経験」とか、完全に学生さん任せですが、気持ちの伝わるものにしてねと言います。

ざっと通勤中になぐり書きしました。こんな感じで私はすすめています。細かいところは他にもありますが。近々、自分でお手本レポートでも書いてみようかなあということ、SVやるスタッフにも書かせてみようかなあって思ったりもしています。ウチのスタッフもこれを自分なりに解釈してやっているんじゃないでしょうか?

それでは!

2013年6月9日日曜日

訪問リハ学会に行って参りました。

今後の医療介護報酬の話を書こう書こうと思って書けずに、訪問リハ学会になっちゃいました。

昨日、今日と第2回訪問リハ学会に行かせて頂きました!インまつも〜とです。
7:00ちょうどのスーパーあずさ1号 で旅立つという狩人の歌とニアミス(古い)な感じで、色々溜まったタスクをトランス状態で次々こなし2時間半。

何が凄いって、松本城の階段のバリアアリ〜度合いが半端じゃない。ってそんなんじゃなく。(でもホントにすごかった。是非行ったらお試し下さい)

実は、去年の第1回訪問リハ学会はケアマネ学会発表を選択したので、スルーしちゃいました。
よって今年はじめて!どんな感じかなあと、凄い楽しみにしておりました。

私の独断と偏見で、訪問リハ学会の特徴3つをまとめると
1.年齢層が高い
 恐らく、訪問は他で経験を積んで来たキャリアがやっている傾向が伺えます。
2.事例報告が多い
 フィールド的に調査研究とか介入研究のデザインがしにくいか?
3.ICFの活動や参加に着目している人が多い
 ぶっちゃけ、OT学会より作業を大切にしている感じがしました

なので、おもろかったです!

さてウチは訪問関連職員新旧合わせて5人全員で行き(やるじゃん)、PT副主任は発表デビュー戦でした!しか〜し、自分の発表とかぶり聞けんかった。。。

前にもどこかで書いたか、話たか?していますが、当院の訪問の面接は全てADOCです。したがって、発表はADOCになります。PTもADOCで発表しています。
その他、ADOCの発表が、2件位ありましたね。なので計4件。2件がOTの発表、2件がPTの発表でした。それに驚き。

私の発表では2名から質問、そして翌日も数名の方に声を掛けて頂き、ディスカッションさせて頂きました。質問があんまりでない感じでしたので、自分のところにはちょい食い気味(笑)で質問があったのは嬉しかったです。自分はいつも質問があるということはそれだけ興味深い内容だったとポジティブに解釈します。

一つ目の質問は、簡単に言うと
「そのニードADOCじゃなくても聞けたんじゃね?」とご指摘頂きました。
厳密に言うと、他にも突っ込んだ質問も頂いたのですが、発表内容がただうまく伝わっていなかっただけでした。

このクライエントに関しては、個人的にはADOCが有効だと感じましたが、面接のうまい方や、状況によっては他のツールもしくはツールを使わなくとも可能であったのかもしれません。ですが、結果として、ADOCで聞けたということはADOCが有用ではないということにはならないと解釈しています。

二つ目の質問は、
「ADOCは可能性を縮めるのでは?」とご指摘頂きました。

このご質問を頂いた方とは翌日ゆっくり話す機会がありましたので、ちょっとディスカッションしました。ADOCが可能性を縮めるというのはたまにご指摘があります。個人的な見解からすると、作業の勉強を多くされている方達に多いのかもしれません。まあ、95+1があるので、95項目に限定されるということはないのですが。他には、イラストが先入観になるとおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、結局それが弱点と捉えるのか利点と捉えるのか?ということですね。そもそもわかり辛い「作業療法」の扱う「作業的ニード」を聞き易くするためのツールであるので、それをイメージし易くすることが狭めるのか、導入し易くするのか?その感じ方は使い手次第じゃないですかね?と私は思います。

好きに使えばいい。使い辛かったら他のを使えばいい。
これはADOC開発者全員の思いじゃないかな?自を否定する彼らを私は本当に尊敬しますし、それが真だと思っています。
だから、自分は入院のクライエントにはCOPM使う方が多い。でも訪問はADOC。それには利点があると思っているから。

ご質問本当にありがとうございました。質問により自分もより考えるようになります。

翌日のフロアではPTの方がADOCの発表をされていました!!
ウチ以外でもPT使ってんだ!げげ〜〜と一種の感動を覚え、思わず質問してしまいました!
「OTの面接用アプリですけど、使っていて使いにくいとか使い安いとかありますか?」
とっそうしたら、
「実はOTにお願いしてやってもらいました!!」

だっは〜〜

意外なカミングアウト!しかし、これってある意味理想の形かもしれない!
OTが色々聞いて、マネジメントもしくはコーディネートするってのは非常にいいなあと感心しました。お互い信じ合い恊働していないとできないことですね。

ちなみにこの方、自分でADOCを探して、OTに伝えたらしい。
そんなPTがもう1名質問にいらっしゃって、ヤバいよ訪問PT恐るべし!と思いました。
その他にも面白い事例発表が沢山あり、有意義な松本の旅でした。
あと、認定訪問療法士なるものを新設するらしいです。どうしたもんか。管理者コースの件を整理してからにしてほしかったなあ。


※2日目にウチのスタッフがやけに写真とっているなと思ったら、シャツの中に着る無地の黒Tシャツを持って来たつもりが、間違ったのをもって来てスケスケ。超恥ずかしかった。


ゴルゴ13のごとく、背中を気にしながら帰京しました。

中身の正体はコレ↓




これ教員時代、学生に頂いたTシャツなのね〜



2013年6月8日土曜日

改正道路交通法について

松本行きの電車に揺られています。

今朝、道路交通法が改正されたニュースを見ました。

ようやくだな〜という実感です。
自分が10年ほど前から自動車運転支援をしだして、最初にぶちあたったのは法律。

病気になった後に安全運転できる能力があっても、事故を起こすと不利になったり。
そんなようなことがないように、適正相談を受けて下さいね。と伝える。
ほとんどのクライエントが適正相談のことなんて知らないし、急性期からも、どの職種からも、もちろん一般の人からも教えてもらえない。

しかし、適正相談の話をすると、
「そんなん必要ないやろ?」「聞いたこと無いわ」「大丈夫大丈夫」といった感じ。
で最終的に出てくるのは
「何か罰金あるの?」といったこと。

自分で公安までいって問い合わせると、
「厳密に言うと道路交通法違反だけど罰するものは無い」と。

最終的に生み出したのが、当院のシステムで、それにより適正相談を受ける件数はほぼ100%になった。

これからは、「罰せられますよ」と僕らも言えるようになる。
当院のシステムも見直しが必要ですね。

クライエントの幸せのために作業の可能化は大切だけど、他者を不幸にし、自分も不幸になる可能性のある作業を支援するわけにはいかない。

車の運転に関して、スルーしているOTもいると思いますが、これも作業療法士の責務だと思っています。

僕はもう今やっていないですけど。代わりに部下達がその支援をやってくれていますのでお役目ごめんです。

2013年5月26日日曜日

今週のサザエさん(OT道でしょう)は!

今週のOT道でしょうは
1.兵庫でホンモノの作業療法職人を見た その2
2.次世代OTを見た兵庫(作業乃風)
3.研究の旅(in 広島)
の3本でお送り致します。

1.兵庫でホンモノの作業療法職人を見た その2

再び!

友人の竹林さんのところに見学にいきました!(ステキ男性です)

どれくらい良くなってるかな?と思いわくわくでした。
詳しくは書けませんが、患者さんがいきなりmeaningful occupationで登場したので、
爆笑しつつ、「もうゴールやん!」って突っ込んだほどです。

いやあ恐るべしCIMT。短期間でここまで良くなるんかぁ?という感じです。
相変わらずその技術には圧倒されましたが、今回はそれよりも患者さんが見事にinvolveされて(巻き込まれた)、主体参加されていたことに感動しました。
また、自分は退院後のクライエントは介護保険を利用してという流れがメインだと思い、その後は後続の機関におまかせということをやっていました。
しかし、彼らのアプローチは時には数年間を見据えていたのが勉強になりました。
また、時には医療介護モデルの枠組みでは支援しきれない。自分もそう思っていましたし、各診療報酬モデルの恩恵に与りすぎているセラピストも沢山いる。彼らとのディスカッションを通じて技術・知識だけでなく、ビジネスモデルでも引き出しを頂きました。

共にいったうちのスタッフも目の色が変わりました。
ウチの中にいるだけではわかりません。外に出て本当にいい刺激を頂き、この上ない有意義な研修であったことは間違いありません!

ありがとうございました!竹林一味の皆さん(笑)!

2.次世代OTを見た兵庫(作業乃風)

研修中、作業乃風というところでお話させて頂きました。
私の実体験から作業療法ってこうだなって思うことを話をさせて頂きました。
これは兵庫の7年目位のアツいOT達が作った会のようです。彼らのバイタリティはとんでもなく、本当に今後の日本を引っ張っていく若い芽だなぁと感心しました!


講演内容ですが実は、これ湘南OTで昔話をさせて頂いた内容をもう1回して下さいって話だったんです。こちらとしては非常に有り難い話でした。しかし、せっかく頂いた話なので、少しmodifiedしたら半分以上直しちゃったという。。

私はプレゼン時に自分の失敗談を良く話します。大体、講演で失敗談を話すヒトってあんまりいない。でも臨床ってbestを尽くしていても失敗することって良くあるし、自分もそう。壇上にあがっているヒトは神様や教祖みたいに崇められる傾向があるけど、決してそうじゃ無いし、盲信してもいけないし、そこにたどり着かないから過度にがっかりする必要も無い。自分も悩んで大失敗を繰り返して来て今があるんだよ。そして、成功から学ぶことも多いが、失敗から学ぶことも本当に沢山あるっていうことを伝えたい。その思いで失敗談を話します。

しかし、作業乃風は正直20名くらいの方がいらっしゃるのかなとタカをくくっていたら、友人達が宣伝して頂いたおかげもあり、77名の大盛況!活動分析や機能的手技を積極的に取り入れている方々も参加して頂き、そして同級生にも卒業以来会いました(笑)。
本当にあれです。手段は問わず、作業を大切にする人達の集団でした!兵庫恐るべし。
しかもPTもいらっしゃったとか。兵庫はPTまでアツいのか!はじまるまでは兵庫の皆さんに興味を持って頂けるか、そしてウケるか(笑)不安でしたが、皆さん熱心に最後まで私なぞの話を聴いて頂けました。本当にアツい!
最後の感想は是非教えて頂きたいです!

3.研究の旅(in 広島)

私の第2のふるさとといっても、ほとんど行くことはなくなったのですが、広島に行ってきました。これは、今年度のOT協会から頂いた研究助成金の研究、公共交通手段の調査の打ち合わせのためです。この研究は当院の係長をメインに同じ大学卒業の方々およびウチのスタッフで構成されています。

今回の会議には、公共交通手段の研究を以前した自分の後輩や、急性期でOBPをばしばしやっている完全キチガイOT(尊敬をこめて)、私と主のウチの係長でした。


あーでもない、こーでもないと話をしつつも、公共交通手段の練習についての調査研究、介入研究について打ち合わせました。近日、大都市の回復期にアンケートが送付される予定です。是非ご協力頂ければと思います。また、研究第2弾では協力病院をお願いするかもしれません。そのときにはまた宣伝します!

その会議中に、尊敬すべき急性期のキチガイOTの先輩が口にした言葉が感動しました。
急性期からなかなかやるって難しいですよね?と聞くと、いつも彼は「俺が最初のOTだから簡単よ〜」とさらっといってしまいます。
彼は、今回「外に出るとね、正気に戻るんよ。そんな感じかなぁ。病院におると病人じゃけんねえ」と。
いいわ。やっぱこのヒト。作業療法臨床実践研究会で話をしてくれというと快諾頂きました。今年度中に東京付近で!

内容の濃い週末でした。
ではまた〜

2013年5月19日日曜日

今年もA-ONE講習会開かれます

最近、管理の相談をされることが多いのですが、個人的な印象として昔の方より若い方の方がしっかり管理されている印象をうけます。もちろんキャリアでしっかりされていらっしゃる方も沢山いるとは思いますが、完全に昔とビジネスモデルが違うので、今のモデルに併せて仕事をしていらっしゃる中堅管理の方はもっと自信をもっていいんじゃないかな。と新幹線の中で思っています。

昨日からA-ONE研究会の世話人会(大阪)に出席させて頂きました。竹林さんの所でお世話になり、2週間で3回関西に行くというスケジュールですが、日本の優れた作業療法士何人ともお会いできるというのは何とも嬉しい展開です。研究会の会長は広島大学の宮口先生、顧問に清水一先生など、そうそうたるメンバーです。私たちの活動にも理解を示して頂いているので、これも嬉しい限りです(笑)。また、事務局でA-ONEをメインで進めている松原さんは私のマブなので、会うたびに長くディスカッションをしますし、毎回多くの知見や刺激を頂きます。ほんとこういう交流はかけがえの無いものですね。

さて、アイスランド発、A-ONEについては以前にも記事を書きました。
詳細はこちら
アイスランドのOT協会のHPにも日本で講習を行ったことが紹介されています。自分もS先生のご自宅でおよばれした際の写真が写っていたのでびっくりです(笑)。何って書いてあるかはわかりませんが(笑)
そのページはこちら

あれから時間も経ちなぜか私、新たに世話人に加えて頂きました。大した仕事はできないのですが。。。今年からインストラクターとして日本人が2名(西川先生、松原先生)が見習いを始めるそうです。数年後には日本人で開催することも可能でしょうね。

ブログで紹介したように、A-ONEは観察評価でOTIPMと相性が良いといわれています。基本的な神経科学の基盤は少々古いですが(アップデートする可能性もあるらしいです)、この物の見方は非常に興味深いと思います。医療先行型、医学モデル中心の日本にとって、作業のことを少し知りたいという方、作業と医学(機能)を融合したい方、特に回復期のOTで、高次脳機能のクライエントのBasicなADLに悩んでいらっしゃる方には有用だと思われます。
したがって、経験的では有りますが、回復期では特に、社会交流技能のニーズよりもADLのニーズを挙げてくるクライエントが多いので、使用回数はESIより格段に多いと思われます。

さて今年度の認定講習会ですが9月16日から開催されます。
定員は45名。すでに30名位埋まっておりました。申し込み予定の方はお早めにされるのをお勧めします。
申し込みはこちらのHPにかいてあります。

東京に帰って来たとこで、1週後にまた更新します。



2013年5月14日火曜日

兵庫でホンモノの作業療法職人を見た その1

作業療法とは何ぞや。

Occupational Therapyは日本に輸入された時から「作業」という小難しい訳をされて、その職業をわかりにくくしてきました。

ある1面から見てみると、作業療法士数は大幅に躍進した。
しかし、違う1面から見てみよう。

身体障害では1960年代つまり輸入時代の還元主義的作業療法のあおりを受け、理学療法との違いもわからず、現在までBottom stayの臨床が当たり前のようになされて来ている。結果が出なくても感謝され、尊敬されるTherapist centerdの世界は未だなされ続け、長年を掛け、作業療法は効果のない医療の一つとして診療報酬は削減され続けて来たうえ、現在、理学療法と変わらないということで保険請求からその名前すらも姿を消した。

身体障害の機能回復と作業療法をどう結びつけるかについては世界中の多くの作業療法士の関心ごととなってきた。

昨日今日と友人(といっていいのかな?)の兵庫医大の竹林さんのところへCIMTの勉強に行ってきました。個人的な課題として1日目は理論と考え方のトレーニング、2日目は実践するにはどうすれば良いかテーマに見学しました。しかし、2日目の途中からは自分がやりたくてしょうがなくなったんだけど。

彼らの臨床作業療法はわくわくしました。面接、課題設定、声の掛け方など、盛りだくさんです。1日はあっという間に過ぎていきます。
特に竹林さんは博識であり、男前であり、笑いもできてGentleman。論文もばしばし乗せちゃうなんて、神様は不公平です。
でもこれらのこともそうなんですが、彼の臨床能力に驚愕です。

課題はピンポイントここだというところ、このタイミング、声かけ、それに裏打ちされるもの。全ての駆け引きを調整している。自分には職人の優れた技術、その後姿を見ました。さらっとやってしまうので気づかないかもしれません。その姿はまさに職人です。
それによりクライエントがinvolveされていき、いつの間にか主体参加して、自己問題解決能力を開拓していくその様は行動変容の何ものでもない。

その現場での形容を使えば「ヤバい」(ローカルな話です)

クライエントの主体参加に逐一アンテナを張るとともに機能を作業への従事に変革させていく。クライエントの考えのイノベーションというべきことをやっている。作業療法の数々の技能を扱っている彼にはまさにmiyakosobaさんが形容した、
Reilyの言葉を彷彿とさせます。

正直、自分に無かった引き出しを沢山頂けた、今回の見学は、色々な手技を見学している自分の中でBestにexciteしたものでありました。
彼らの技術を少しでも盗めるように、次の2日間が楽しみでしょうがありません。

お好みおいしかった〜〜〜そんなとこまで素敵な彼。今後ともよろしくお願い致します。




以上 新幹線よりお届けしました。